商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2023/01/17 |
JAN | 9784106109805 |
- 書籍
- 新書
正義の味方が苦手です
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正義の味方が苦手です
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商品レビュー
3.6
15件のお客様レビュー
エッセイ集なので、一編一編はページ2~3枚程度と短く、読みやすいが浅い。しかし、著者独特の本質を見抜くような視点が共感力高く、グイグイ引き込まれた。論説に対して絶対的な反証材料を持っている点、議論の両端を理解しながらも敢えてどちらも分かる、というスタンスを取る点は素晴らしい。「緩...
エッセイ集なので、一編一編はページ2~3枚程度と短く、読みやすいが浅い。しかし、著者独特の本質を見抜くような視点が共感力高く、グイグイ引き込まれた。論説に対して絶対的な反証材料を持っている点、議論の両端を理解しながらも敢えてどちらも分かる、というスタンスを取る点は素晴らしい。「緩い」とも言えるのかもしれない。でも、心地よい「緩さ」だ。薄弱な論拠で興奮して議論をするより余程良い。古市氏の事を、ただの皮肉屋、捻くれ者にも見えていたが、見直した。 ― 認知能力に優れた人は、情報を都合よく組み合わせて解釈する能力にも長けているため、陰謀論を信じやすい。 これはあるのだろうな、と思う。更に良くないのは、「組み合わせる」事で、論理構築され、それが絶対的な牙城となり他者を飲み込もうとする事。我田引水、牽強付会程度ならばまだ良いが、「教科書を信じない」「日本政府を信じない(今は仕方ないか)」「家族よりも、別の組織を信じる」という事態に陥った相手を救い出すことは容易ではない。組織における印象論、そこからくる人間関係や評価制度も殆どがバイアスがかっている。集団のバイアスも難儀である。ある面では合理的な必要悪かも知れないが、集団バイアスは、共鳴し合って時に戦争にまでたどり着く。 「蜘蛛、蛇嫌いの不合理」、既に蜘蛛や蛇で死に至る日本人は皆無に近い。自動車事故の方が多いが、車を見て震え上がる人はほぼいない。「1938年の学生狩りから、学徒動員時の若者礼賛」などなど。集団のバイアスによる危うさについて、警鐘できる人間は貴重である。価値観が合わなくても、誤りがあったとしても、正義の多様性とそれを表現するための自由は確保しておかねばならない。
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普段自分だったらキャッチしないであろう事柄を取り上げてくれて、かつ著者の考えも書かれていることが面白かった。私はいかに狭い範囲でしか世の中を捉えていないのだなぁと感じられた。
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いくら事実を重ねても、人は自分が信じたい情報を信じてしまう。(ファクトは感情に勝てない) 根拠がなくても、結果が伴わなくても、力強く巧みな言葉に人々は動かされてしまう。(日本に呪文使いがいないことを喜ぶ) いちいちマナー違反に目くじらをたてないことによって、文化は国際...
いくら事実を重ねても、人は自分が信じたい情報を信じてしまう。(ファクトは感情に勝てない) 根拠がなくても、結果が伴わなくても、力強く巧みな言葉に人々は動かされてしまう。(日本に呪文使いがいないことを喜ぶ) いちいちマナー違反に目くじらをたてないことによって、文化は国際化していく。(伝統を守る人が文化を破壊する) 気ままで私的な感情の集積が「世論」である。(「10年後」から振り返ってみる視点を持つ」) 民主制は既に「民」と認められた人にとって有利な決定ばかりがなされてしまう。「民」認定されていない人に対して冷淡だ。(「未来人の人権」は守らなくていいのか) いちいち文句をつけていると疲れてしまう。最近はサービスに不満がある時は「この国や地域ではそういう流儀なんだな」と思うようにしている。当事者意識も大事だが余所者として暮らしていた方がリラックスして日々を送れる。(余所者だと思って生きていく) 歴史を学ぶことで僕たちは冷静になれる。似たような出来事を知ることで、客観的な視点を得られる。(世界は77年で一回りする) など、コロナ化に連載された古市氏による斜め上からのコラム集です。 1テーマにつき3ページと紙幅が少ないため、1つか2つの事例だけをもとにして結論を出している点や、筆者の意見について、賛否があるでしょうが、私はこういう自分にない視点からの切り口を知れることは好きです。 また、社会的な事例に対してこうやって自分なりの考えをまとめられることも凄いなぁと思いますし、読んでいると影響されて、自分も身の回りのこと、ニュースでのことについて考えるようになります。 タイトルにもあるように「正義」というのはやっかいだなぁと思います。そして、「正義の味方が苦手です」というのは秀逸だなぁと思います。 インターネットやテレビでは、一側面しか報道されていないのに(一部分しか知らないのに)、自分は当事者でもないのに、あたかも「こうである。」「こうすべき。」「こうしている人はダメだ。」と正義を振りかざすコメントをよく見ます。 そんな辟易している自分の気持ちを代弁してくれているところも気に入っています。
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