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独占告白 渡辺恒雄
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独占告白 渡辺恒雄
¥1,980
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商品レビュー
4.3
11件のお客様レビュー
「たかが選手が」発言に代表されるように、読売新聞や巨人軍を意のままに操り、老害の代表のように見られているナベツネ。正直、悪いイメージしかなかったが、この本を読んで大きく印象が変わった。 大野伴睦、田中角栄、河野一郎、中曽根康弘といった歴代の総理、実力者にことごとく認められ、ブレー...
「たかが選手が」発言に代表されるように、読売新聞や巨人軍を意のままに操り、老害の代表のように見られているナベツネ。正直、悪いイメージしかなかったが、この本を読んで大きく印象が変わった。 大野伴睦、田中角栄、河野一郎、中曽根康弘といった歴代の総理、実力者にことごとく認められ、ブレーンとして政治のど真ん中で自ら意思を持って政治や外交までを動かしたまさにフィクサー。その根底には、戦争を二度と繰り返さないという強い信念があり、誰よりも勉強し深い洞察に裏打ちされた思想家でありまさに巨魁。保守で右寄りと見られがちだが、政治指導者や軍人の戦争責任を厳しく追求し、総理の靖国参拝に反対するなどリベラルな側面を併せ持つリアリスト。 ・大野伴睦を次期総理にすると言う密約を反故にし、総裁選で敵に回った岸信介。権力者の間では信義よりも有効なのは力である、というマキャベリズムを地でいく政治の世界の冷徹さ。 ・日本の戦後史の流れを見たとき、イデオロギーや外交戦略といった政策は、必ずしも絶対的なものではなく、人間の権力闘争の中での、憎悪、嫉妬、そしてコンプレックスといったものの方が、大きく作用してきた。
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少し前に亡くなったニュースで、NHKのロングインタビューが書籍になっていると知り、読んでみた。プロ野球・巨人のオーナーとして、我儘に見える発言を繰り返す姿に、嫌な印象しかなかったが、どうも話が違うらしい。この本を読んでよかった。 読売新聞の主筆として、自民党に近い保守で、右寄り...
少し前に亡くなったニュースで、NHKのロングインタビューが書籍になっていると知り、読んでみた。プロ野球・巨人のオーナーとして、我儘に見える発言を繰り返す姿に、嫌な印象しかなかったが、どうも話が違うらしい。この本を読んでよかった。 読売新聞の主筆として、自民党に近い保守で、右寄りの考えかと感じていたが、ここも少し違ったと知った。原点は自らの戦争体験で、軍国主義と戦争を憎悪し、政治指導者や軍人の戦争責任を追求し、総理大臣の靖国神社参拝には反対するなど、「リベラル」な側面を持つ。憲法改正を唱えていたのは、平和と真の独立を求めたということか。 戦後は共産党で、天皇制打破を目指して活動したという。しかし、当時の共産党は過激で、軍隊的な体制もあり脱退。しかし、その経験から権力掌握術を学んだという。その後のエピソードからも、目の前の事象を鋭く分析しすること、戦略を立てて行動することに長けていたことを知った。その後、好きだった哲学ではなく、同じように好きだった書くことの道を選ぶ。 唯一、やはり理解できなかったのは、新聞記者の立場では、あまりにも政治に口だけでなく、自らが関与しすぎでは、というところ。 インタビューの後半は平成編、「老害」と見えた時期に、何を考えていたのか興味深いが、続編を待てという。ちょうど、NHKで再放送されたようなので、探してみよう。
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これまで渡辺恒雄氏の事をメディアのドン程度のイメージしか持ち合わせていなかったので、この書のおかげで同氏への印象が一変した。今の時代には受け入れ難い存在であるものの、戦後政治においてはまさにフィクサーという言葉がよく似合う。
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