商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2022/12/17 |
JAN | 9784622095675 |
- 書籍
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親切の人類史
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親切の人類史
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1章から6章までは人間の利他行動に関する理論の要点とその妥当性を検証。ハミルトンの血縁淘汰と包括適応度、ウィン=エドワーズの群淘汰、マルチレベル淘汰とプライスの共分散方程式、アクセルロッド、アレキサンダーなどの互恵性理論など進化生物学の理論を手際よくまとめており、数学の知識が無い...
1章から6章までは人間の利他行動に関する理論の要点とその妥当性を検証。ハミルトンの血縁淘汰と包括適応度、ウィン=エドワーズの群淘汰、マルチレベル淘汰とプライスの共分散方程式、アクセルロッド、アレキサンダーなどの互恵性理論など進化生物学の理論を手際よくまとめており、数学の知識が無い自分でも進化理論の進展についてポイントを摑めた気になった。 この部分で特に印象深かったのはプライスの共分散定理。利他行動が優位となる淘汰の働きをたった一行の方程式にしてしまうのだから驚き。畏敬の念さえ覚える。 また筆者はアレキサンダーなどの間接互恵性理論を現代人の利他行動を進化的に説明する概念として有望と評価している。ただし互恵性(reciplocity)と評判(reputation)だけでは友人関係あるいは古代社会のような小規模集団における利他行動を説明できても現代社会のような大規模な集団での協力体制を説明することは困難としてもう一つのR、理性(reason)の働きをあげ、7章以下で理性と社会構築に関する人間の能力の歴史的考察を展開している。 筆者の歴史認識は全般的に楽観論に貫かれており12章(戦後復興と福祉国家の時代)までは同意できるのだが、ポスト福祉国家、新自由主義的イデオロギーが跋扈する時代(13章)の記述などは自分の実感とはやや異なる。 生活保護受給者に対する虐め、冷酷な自己責任論など利他行動や社会的な協力を行う能力は少なくとも日本に於いては退化しているとしか思えない。
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人間がいかにして利他的な心を持つようになったのか、歴史の大きな流れとともに考察していく一冊。 気になっていた本だが、少し高めの価格にたじろぎながら、借りられるまで待ったが、借りられる期間である2週間で読み切るのはなかなか難しかった。 読むこと自体はできても、理解するのにかなり...
人間がいかにして利他的な心を持つようになったのか、歴史の大きな流れとともに考察していく一冊。 気になっていた本だが、少し高めの価格にたじろぎながら、借りられるまで待ったが、借りられる期間である2週間で読み切るのはなかなか難しかった。 読むこと自体はできても、理解するのにかなり苦労させられた。 他人への寛大さは、一対一のものではなく、集団にとって利益になるからであり、また、他人への思いやりは「お返し」「インセンティブ」「活発な知的能力」「論理的思考」の四つからなっているそう。 人間は様々な苦難を乗り越えながら、他人を思いやることが世界をより豊かにしていくことを学んでいった。もちろん、思いやりだけで全てが解決されるわけではないが、1日のうち一度でも他人を思いやる行動をすることができたなら、この本を読んだ意味がある気がする。
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他人に親切にするのは自分勝手な人にいいように使われ、進化の過程で不利だったのでは? 赤の他人にまで親切するのはなぜか?って疑問に進化と歴史の観点から答えた一冊。 進化の疑問には 「互恵性」と「評判」の2つが生存に有利だったみたいな話がされている。 赤の他人に親切にするのは、上...
他人に親切にするのは自分勝手な人にいいように使われ、進化の過程で不利だったのでは? 赤の他人にまで親切するのはなぜか?って疑問に進化と歴史の観点から答えた一冊。 進化の疑問には 「互恵性」と「評判」の2つが生存に有利だったみたいな話がされている。 赤の他人に親切にするのは、上記の本能的な進化では説明できず、苦難の歴史や理性で説明できる。 思いやりは進化の過程で獲得したものだと思っていたが、実際は他者への思いやりは人間がより大きな集団になったときに初めて得た能力らしい。 思いやり、共感は理性があれば広がると。 実践理性と呼ばれる正しい選択と決断をする能力が、歴史上、他人への思いやりを広める上で重要な役割を果たした。って主張には納得感がある。
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