生物に学ぶ敗者の進化論 PHP文庫

稲垣栄洋(著者)

• 販売会社／発売会社: PHP研究所
• 発売年月日: 2022/12/03
• JAN: 9784569902821

商品レビュー

2025/06/09

種の進化は、他の種から逃れるためにニッチをずらすことで起こることから、「進化史は敗者によって作られる」という思想で書かれている。
植物に関する議論が多いが、動物に関する記載もあり、最後にはホモ・サピエンスに関しても議論している。
様々な進化論に関するキーワードも出てくるし、広い視野で見ればビジネスに通じるような知見も得られると思う。
「進化」というのも必ずしも良いこととはせず、必要に迫られた結果としておこるものであり、いかに多様なアプローチがあるか、また環境に依存するかを知ることができる。
特に地球史における、スノーボース・アースや恐竜絶滅を契機とした内容に対し、比較的多く紙面を割いている。

個人的に、この著者が好きすぎる、タイトルで選んだ結果この著者の本が増えているし、はずれもない。
他の本を読むたびに得るものがあるので、この著者の本を好きな人は、この本もお勧めする。

2023/12/25

ギガントピテクスとジャイアントパンダの話は初耳
植物の部分の話がやはり面白い
光合成は化学反応だから温度に影響される
ニッチで成功した針葉樹(裸子植物)
被子植物の道管は水分の凍結に弱い
葉からの蒸散で一本道の水を吸い上げているから
針葉樹はバケツリレー方式で水分移動、効率は悪いが凍結に強い
低酸素時代に恐竜が発達させた「気嚢」
鳥が受け継いで高空を飛べる
コウモリ、全世界の哺乳類の4分の1、成功した種
日本でも35種で3分の1
サメやエイ、軟骨魚類。鱗無い、ミネラルを蓄積するような高度の骨もない
汽水域の魚は不足するミネラルを骨に蓄積できる
浸透圧による水の侵入を防ぐために鱗と腎臓発達
夜行性の哺乳類、赤が見えない。猿は赤を見る能力復活させた

2023/11/06

生物が誕生して今日に至るまでの進化の歴史を、追いやられた生物視点から語る本。本書は硬派な学術書というより進化を物語風に読んでみるというスタンスに近い。