商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2022/11/09 |
JAN | 9784065279816 |
- 書籍
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魚は数をかぞえられるか?
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魚は数をかぞえられるか?
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動物は数を数えられるか? そう言われると、思い出すのはオウムのアレックスや、算数馬のハンスだろうか。 本書には、彼らももちろん登場する。 数に関わる能力というと、数えたり、計算すること、と思う。 そして、ことばがない動物には数えられない。 ―というのはどうやら早計のようだ。 生...
動物は数を数えられるか? そう言われると、思い出すのはオウムのアレックスや、算数馬のハンスだろうか。 本書には、彼らももちろん登場する。 数に関わる能力というと、数えたり、計算すること、と思う。 そして、ことばがない動物には数えられない。 ―というのはどうやら早計のようだ。 生き物たちは、生物種により違いはあるが、数を認識する能力があり、数えて集合の大きさを区別することができるようなのだ。 タイトルの「数学脳(原著ではMathematical Mind)」からのイメージで、その能力をすごく限定して想像していたが、「数覚」といったらいいのだろうか? 例えば、一瞬でいくつまで数を把握できるかといったことも、数に関する能力だ。 人間の数的能力に関する研究だけでも面白い。 人間は数えるとき、数詞と記号を用いるが、では四以上の数詞を持たない民族はそれ以上の数を認知できないかというとそうではない。 また、先天的な算数障害(発達性算数障害)や、後天的な障害(脳の損傷によるもの)についても研究が進んでいて、遺伝子や脳のどの部分が数の認識や処理に関わっているのかもわかってきているという。 では、サルは? 魚は? 鳥は? 昆虫は?? それぞれの分野での研究が紹介される。 数的な能力と空間能力でそれぞれの認知地図を作り出している。 餌を取ったり、繁殖相手を探したりするのに、こういった能力が必要なのだそうだ。 例えば、小さな魚にとっては、大きな群れに加わることは圧倒的に生存に有利になる。 一瞬でどちらの群れが大きいかを判別する能力は死活問題となる。 が、群れの大小は数を数えているのか、それとも暈の大きさを見ているのか、区別をしなければならない。 ことばをもたない生き物たちの数の認知をどうやって確かめるのか、研究者たちの実験が興味深い。 脳に電極を差し込む(恐ろしい!)こともできない小さな生き物はどうするのか。 どういう考えで、それぞれの能力を発現させ、記録可能なものにしていけるのだろう。 ただただ、びっくりする。
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一言結論:「動物が数を認知・演算できるか」に関する研究を取りまとめた社会的意義の高い書籍。一般向けと言うより研究者向けの側面が強い印象。 感想:「生物が数を数えるとはどういうことか」「どういう実験によりそれを証明するのか」という、生物学の中でもより限定的な分野に対して著者は体系...
一言結論:「動物が数を認知・演算できるか」に関する研究を取りまとめた社会的意義の高い書籍。一般向けと言うより研究者向けの側面が強い印象。 感想:「生物が数を数えるとはどういうことか」「どういう実験によりそれを証明するのか」という、生物学の中でもより限定的な分野に対して著者は体系的な説明を試み、まとめています。まだまだ分からない部分が多いものの、これからこの分野を志す人は本書籍を大いに参考とすることでしょう。実験結果分かったことも大変興味深く、動物の脳をより深く知れる本でした。 ただ私のような一般ユーザーは本当に「魚は数を数えるのかどうかが知りたい」と思い読み始めたのですが、その話になるまでには247ページかかります。しかも、明らかになった事実よりも実験手法の話が熱量高めに書いてあり、正直なところ「いや、実験はしないしな~」と思ってしまいます。そういった意味でも研究者向けの側面が強いのが少し残念でした。 せっかく面白い内容なのにすこぶる読みづらいです。誰かにエッセンスを抽出した簡易版を出して欲しい。 あと、これは完全な個人的な感想ですが数を数えることに関してやはり人間と他の動物を同列に語るのは暴論すぎませんかね?数を数え演算処理ができる脳の仕組み(本著によればアキュムレータ)が備わっているのは同じだとしても、人間のように「数を数えることを恣意的に選択できる」ことと「必要が生じた時に本能的に脳の機能を用いて数える」こととは行動理由として本質的に違う気がします。簡単に言えば、「数を数えないことを選択できるか」と考えた時それは人間のみに生じる現象であり、行動と言うよりむしろ感情の動きにその本質は宿っているように思うので、ひとまずこの本では人間の話は置いといて欲しかったなと思いました。
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