商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | リトル・モア |
発売年月日 | 2022/07/19 |
JAN | 9784898155615 |
- 書籍
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ポール・ヴァーゼンの植物標本
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ポール・ヴァーゼンの植物標本
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東京の古道具屋店主がフランスの蚤の市で見つけた古い箱のなかには、20世紀初頭にスイスとフランスで採集されたとおぼしい、百葉近い植物標本が収められていた。今でも花の色が残る素朴で可憐な標本の写真に、堀江敏幸による短篇が添えられた一冊。 とても可愛らしい標本。採取した土地と学名だ...
東京の古道具屋店主がフランスの蚤の市で見つけた古い箱のなかには、20世紀初頭にスイスとフランスで採集されたとおぼしい、百葉近い植物標本が収められていた。今でも花の色が残る素朴で可憐な標本の写真に、堀江敏幸による短篇が添えられた一冊。 とても可愛らしい標本。採取した土地と学名だけが書かれていてアカデミックなものではないみたいだけど、できるだけ地面に生えていた姿に近づくようなレイアウトを工夫しているのがわかる。 だから黄ばんだ無地の台紙の上に貼られているだけで背景なんかないのに、標本になった一本の向こうに他の草や地の色が見えてくる気がする。単に状態がいいというだけじゃなく、自分の見た景色をパックしようとした作り手の思いが時を超えて伝わってくるようなあたたかさ。どこに発表するでもなく、もしかすると誰かに見せるつもりすらなかったかもしれない。これが思い出の残し方として一番純粋なのではないかと考えてしまうほど。 この図録に添えるものとして堀江さんの短篇はぴったりだと期待したけれど、おそらく男性を想定した指南役や、標本を持ち続けた存在のほうに気持ちが向いていて、ヴァーゼンその人を幻視するようなお話じゃなかったので残念。「ゼラニウム」の収録作みたいなのが読みたかったな。 男性主体の物語に取り込んでしまうならむしろこのキュートな飾り文字の署名が作り物で、ポール・ヴァーゼンという架空の女性を夢想するために箱いっぱいの植物標本を作りあげた男の物語だとか、そのくらいまでいってほしかった。平出隆の『葉書でドナルド・エヴァンズに』とか、チャールズ・シミックの『コーネルの箱』のような本に連なる作品になるポテンシャルがあったと思う。でも堀江さんが思い入れを持って接近したわけじゃないだろうから仕方ないのか。
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100年も前の物とは思えないほど、綺麗な状態で残っている植物標本。 丁寧で、優しい花々に魅了されました。 そして、ポール・ヴァーゼンさんとはどんなかただったのだろう? 偶然蚤の市でみつけられたこの標本。 入っていた紙箱に書かれていた「Melle Paule Vaesen」(Mel...
100年も前の物とは思えないほど、綺麗な状態で残っている植物標本。 丁寧で、優しい花々に魅了されました。 そして、ポール・ヴァーゼンさんとはどんなかただったのだろう? 偶然蚤の市でみつけられたこの標本。 入っていた紙箱に書かれていた「Melle Paule Vaesen」(Melle=マドモワゼル)の文字から、かわいい女の子が思い浮かぶ。 誰も本当のことはわからないが、寄宿学校の庭で採集し、大事に大事に標本にしたのかな・・・なんて想像するのも楽しい。 とっても優しい気持ちになれる本でした。
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かわいいといとおしいをギュッとつめこんだ本。時代も国も違うヴァーゼンさんと、植物を通してひそひそ話をしているみたい。堀江敏幸さんの文章もとてもよい。
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