商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2022/05/24 |
JAN | 9784152101358 |
- 書籍
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脳の地図を書き換える
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商品レビュー
4.5
20件のお客様レビュー
人が視覚や聴覚、または身体の一部を失った時に脳内ではどのようなことが起きるのか? 脳を「ライブワイヤードな装置」=絶えず自らを改造する汎用的パターン認識器等捉え直す著者が明かす、脳科学の最前線。 脳はエネルギー効率が悪いので極力、エネルギーォ節約するため、予測できる物事は無視し...
人が視覚や聴覚、または身体の一部を失った時に脳内ではどのようなことが起きるのか? 脳を「ライブワイヤードな装置」=絶えず自らを改造する汎用的パターン認識器等捉え直す著者が明かす、脳科学の最前線。 脳はエネルギー効率が悪いので極力、エネルギーォ節約するため、予測できる物事は無視して、変化にのみ気づきやすくなる傾向がある。 様々な錯視がその反映である。 夢を見る理由を筆者は、脳内の細胞が互いに存続を争っており、視覚野は眠っている間に、他の感覚に神経領域を乗っ取られないように活動するために、人間は夢を見るのだと説明する。 しかし私は、夢は視覚野を使ってみているのかに疑問を感じる。夢は映像を見ているのではなく、五感の全てを動員して感じて得るのでは無いか? 下手をすれば、夢は見ているのではなく、感じているのでは無いか。 自分が何者であるかは、自分の記憶の総体である。
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脳の可能性を開拓し続ける超名著。 ディキンソンは「僕たちの脳は空よりも広い」なんて言ったわけだけど、まさしくそれを実感できる一冊でした。 『生物と無生物のあいだ』で福岡氏は、「生命とはなにか?」に対して「それは動的平衡にある流れである」と答えた。つまり、必須と思われている機能ですら無いなら無いなりになんとかするのが生物だってわけだな。 本書はそれを脳科学的に証明していて、脳はこの能力が特に強いというのが仮説の一つになる。脳が半分になったって、日常生活を変わらず遅れる人がいるのはそれが理由だ。 特に面白いのが、多くの人が学習しているパターン以外にも、脳は独自のパターン分けが出来るという部分かな。人工内耳やエコーロケーション、触覚系など、脳は勝手に学んで世界を理解できる形で整理してしまう。 そうした意味を含めて、脳は「ライブワイヤード(絶えず自らを改造する)」装置なのだと筆者は語る。難しい言葉になってるけど、つまり可塑性が高いのが脳ってことだな。 ああ、あと夢を見る理由に、睡眠を取らなくてはならない生物が、視野の脳領域を確保するため(他の感覚装置に領域を取られたくないため)というのは結構新しい視点だった。真偽はどうであれ、過去の記憶の整理よりは納得できる説だと思うかな。
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脳には、可塑性と言って、一生にわたって変化し続けるような性質があることは、知ってはいたけれど、この本を読むまで、そこまでダイナミックなものなのだとは思っていなかった。 本書に出てくる事例として、例えば、脳が半分だけになったとしても、人間の脳は、半分の領域の中で必要な回路を作り、...
脳には、可塑性と言って、一生にわたって変化し続けるような性質があることは、知ってはいたけれど、この本を読むまで、そこまでダイナミックなものなのだとは思っていなかった。 本書に出てくる事例として、例えば、脳が半分だけになったとしても、人間の脳は、半分の領域の中で必要な回路を作り、日常生活にやや不便はあるものの、問題なく生活できるようになった人や、耳の聞こえない人のために、音に反応して皮膚を刺激するベストによって、やがて、脳は、皮膚の刺激によって「聞く」ことができるように変わっていく事例などが上げられている。 人間の脳は、あらかじめ、生まれながらに機能や回路が決まっているのではなく、 必要最低限の機能のみインプットされた状態で生まれ、自分の行動や周りからの影響によって、常に回路を書き換え、変化していく(筆者の言葉では「ライブワイヤードな」)ものである。 本書は、読みながら、とてもワクワクとさせてくれる、脳とテクノロジーの可能性の素晴らしさを見せてくれる本だった。
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