脳の地図を書き換える の商品レビュー
人が視覚や聴覚、または身体の一部を失った時に脳内ではどのようなことが起きるのか? 脳を「ライブワイヤードな装置」=絶えず自らを改造する汎用的パターン認識器等捉え直す著者が明かす、脳科学の最前線。 脳はエネルギー効率が悪いので極力、エネルギーォ節約するため、予測できる物事は無視し...
人が視覚や聴覚、または身体の一部を失った時に脳内ではどのようなことが起きるのか? 脳を「ライブワイヤードな装置」=絶えず自らを改造する汎用的パターン認識器等捉え直す著者が明かす、脳科学の最前線。 脳はエネルギー効率が悪いので極力、エネルギーォ節約するため、予測できる物事は無視して、変化にのみ気づきやすくなる傾向がある。 様々な錯視がその反映である。 夢を見る理由を筆者は、脳内の細胞が互いに存続を争っており、視覚野は眠っている間に、他の感覚に神経領域を乗っ取られないように活動するために、人間は夢を見るのだと説明する。 しかし私は、夢は視覚野を使ってみているのかに疑問を感じる。夢は映像を見ているのではなく、五感の全てを動員して感じて得るのでは無いか? 下手をすれば、夢は見ているのではなく、感じているのでは無いか。 自分が何者であるかは、自分の記憶の総体である。
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脳の可能性を開拓し続ける超名著。 ディキンソンは「僕たちの脳は空よりも広い」なんて言ったわけだけど、まさしくそれを実感できる一冊でした。 『生物と無生物のあいだ』で福岡氏は、「生命とはなにか?」に対して「それは動的平衡にある流れである」と答えた。つまり、必須と思われている機能ですら無いなら無いなりになんとかするのが生物だってわけだな。 本書はそれを脳科学的に証明していて、脳はこの能力が特に強いというのが仮説の一つになる。脳が半分になったって、日常生活を変わらず遅れる人がいるのはそれが理由だ。 特に面白いのが、多くの人が学習しているパターン以外にも、脳は独自のパターン分けが出来るという部分かな。人工内耳やエコーロケーション、触覚系など、脳は勝手に学んで世界を理解できる形で整理してしまう。 そうした意味を含めて、脳は「ライブワイヤード(絶えず自らを改造する)」装置なのだと筆者は語る。難しい言葉になってるけど、つまり可塑性が高いのが脳ってことだな。 ああ、あと夢を見る理由に、睡眠を取らなくてはならない生物が、視野の脳領域を確保するため(他の感覚装置に領域を取られたくないため)というのは結構新しい視点だった。真偽はどうであれ、過去の記憶の整理よりは納得できる説だと思うかな。
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脳には、可塑性と言って、一生にわたって変化し続けるような性質があることは、知ってはいたけれど、この本を読むまで、そこまでダイナミックなものなのだとは思っていなかった。 本書に出てくる事例として、例えば、脳が半分だけになったとしても、人間の脳は、半分の領域の中で必要な回路を作り、...
脳には、可塑性と言って、一生にわたって変化し続けるような性質があることは、知ってはいたけれど、この本を読むまで、そこまでダイナミックなものなのだとは思っていなかった。 本書に出てくる事例として、例えば、脳が半分だけになったとしても、人間の脳は、半分の領域の中で必要な回路を作り、日常生活にやや不便はあるものの、問題なく生活できるようになった人や、耳の聞こえない人のために、音に反応して皮膚を刺激するベストによって、やがて、脳は、皮膚の刺激によって「聞く」ことができるように変わっていく事例などが上げられている。 人間の脳は、あらかじめ、生まれながらに機能や回路が決まっているのではなく、 必要最低限の機能のみインプットされた状態で生まれ、自分の行動や周りからの影響によって、常に回路を書き換え、変化していく(筆者の言葉では「ライブワイヤードな」)ものである。 本書は、読みながら、とてもワクワクとさせてくれる、脳とテクノロジーの可能性の素晴らしさを見せてくれる本だった。
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◯視覚野が乗っ取られるのを阻むために夢は存在する(68p) ◯ さらに一歩進んでまったく新しい感覚を生み出すことはできないだろうか。(131p) ◯これからはビッグデータにアクセスするのではなく、それをもっと直接的に経験することへ移行せざるを得なくなるに違いない。(137p)...
◯視覚野が乗っ取られるのを阻むために夢は存在する(68p) ◯ さらに一歩進んでまったく新しい感覚を生み出すことはできないだろうか。(131p) ◯これからはビッグデータにアクセスするのではなく、それをもっと直接的に経験することへ移行せざるを得なくなるに違いない。(137p) ★知的興奮が味わえる面白い本だった。人類の可能性を感じてワクワクした。 ★なぜ夢を見るのかの疑問に対して、最も腑に落ちる回答が得られた。
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脳は足りない部分を補う箇所や、犬が新しい歩行方法を取り入れるなどわかりやすい。 スパイダーマンのドクターオクトパスの箇所など よりわかりやすい内容でした。
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今回は脳の機能を”ライブワイヤード”という視点から探っていく。 ”脳の可塑性、学習性”と言うことになるが、人間の脳がこれほど変化するということは驚き。 一般的には、年を取ったら脳細胞が減る、とか画一的に述べられるが、そんなものではなく、人それぞれで全く違う変化を常に起こし・変化し...
今回は脳の機能を”ライブワイヤード”という視点から探っていく。 ”脳の可塑性、学習性”と言うことになるが、人間の脳がこれほど変化するということは驚き。 一般的には、年を取ったら脳細胞が減る、とか画一的に述べられるが、そんなものではなく、人それぞれで全く違う変化を常に起こし・変化し続けるというのは驚き。 毎度、イーグルマン氏の著作は楽しく興味深く読めるが、今回は脳の可塑性・可能性が、自分の人としての可能性にもつながるという意味で励みにもなった。
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原題「Livewired」既に回路が定まっているハードワイヤードな周りの装置と違って、私たちの脳はこれからどんな繋がりも生まれうる、人生の記憶の集積とともにLiveで変化するものである。その可塑性について。
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脳の常識がひっくり返った! 脳っていうと、左脳が論理や言語、右脳が直感をつかさどり、大脳皮質には言語野や視覚野など部位によって機能分担されている…ここまでは概ね合っているが、だとすると、それぞれの部位は、眼、耳、肌などそれぞれの器官と繫がって、それぞれの信号を処理する構造ができ...
脳の常識がひっくり返った! 脳っていうと、左脳が論理や言語、右脳が直感をつかさどり、大脳皮質には言語野や視覚野など部位によって機能分担されている…ここまでは概ね合っているが、だとすると、それぞれの部位は、眼、耳、肌などそれぞれの器官と繫がって、それぞれの信号を処理する構造ができている…と思ってしまう。 これが何と大間違いで、どんな信号をどこでどう処理するかはハードコートされていない、成長した後でも変化することができるのだ。例えば、後天的に視力を失った人が、光学センサを肌につけて、触覚信号として脳に送ることで、視覚として認識できるようになることが既に実用化されている。触覚なので、視覚野では処理しないし、目からの化学反応とは別種別パターンの信号にも関わらず、である。 本書では、それをライブワイヤードと名付け、地球の誕生から長年を経て最適な構造に進化するために必然的なアーキテクチャだとする。 ライブワイヤードを仮定すると、上記の感覚代行(視覚以外が視覚の役割を担う)からさらに進み、遠隔の物質を体のように操作する身体拡張や、赤外線や地磁気を五感のように感知する感覚追加など、SFでしかなかったものが意外と近く実現できそうである。 また、ハードウェアについても、バイオミミクリーはこれまでも成果が上がっているが、可塑性を取り入れると進化のスピード、適応力、資源効率性が大きく向上する。クルマ、建物、宇宙探索マシンをライブワイヤードにすると、未来は我々の想像を超えてゆく。 このように、未来への期待が広がり、医療を進化させ、設計思想にも役立つ。新しい何かを作る人、多くに読んでほしい。
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デイヴィッド・イーグルマン「脳の地図を書き換える」読了。ライブワイヤードという脳に対する考え方は興味深く好奇心が満たされた。例えば、失われた視覚を触覚が肩代わりし脳の中で映像を思い浮かべる事ができる。つまり皮膚に刺激を与えるとものが見える。脳の可塑性という驚きの柔軟性によるのだ。
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レビューはブログにて https://ameblo.jp/w92-3/entry-12785535623.html
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