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ジンセイハ、オンガクデアル LIFE IS MUSIC ちくま文庫
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ジンセイハ、オンガクデアル LIFE IS MUSIC ちくま文庫

ブレイディみかこ(著者)

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ジンセイハ、オンガクデアル LIFE IS MUSIC ちくま文庫

858

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2022/06/13
JAN 9784480438089

ジンセイハ、オンガクデアル

¥858

商品レビュー

3.4

11件のお客様レビュー

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2024/08/20

愛と毒は正反対じゃありません。 著者のベストセラー、「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」は2019年発表。わたしはそれで著者・ブレイディみかこさんを知ったけれども、本作収録のエッセイは古いものは2003年にかかれていて、「ぼくイエ」とは違う若い文体を楽しめます。あえて軽薄...

愛と毒は正反対じゃありません。 著者のベストセラー、「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」は2019年発表。わたしはそれで著者・ブレイディみかこさんを知ったけれども、本作収録のエッセイは古いものは2003年にかかれていて、「ぼくイエ」とは違う若い文体を楽しめます。あえて軽薄で粗暴で露悪的な言い回しと「◯◯かしら」といった上品で古風な言い回しをミックスさせるおかしみを狙ったり、なんというかトガッた文体で、ワンセンテンスの中にフックのあるフレーズを何個も差し込んでくるような、「思いついた言い回しは全部書かなきゃ気が済まない」というエネルギーが微笑ましい。彼女の精神的な柱である「英国パンク」然とした、毒と皮肉が含まれていて、正直言って「イタさ」も感じるんですけど、なんだか若い頃の自分を思い出して、親しみも感じます、、、といっても2003年当時でブレイディさんは40手前なので、自分がみずみずしさをキープ・オンできてないことを自覚させられました。 でも読み進めると、こんな諧謔さをつめこまないとやってられないような英国貧困層の現状がわかってきます。球の切れた街灯の電球交換すらされない貧困街の託児所で働くなかで、英国社会にドデンと横たわる強固な階級意識を著者はシニカルに見つめています。でも託児所の同僚や子供達、友人、家族など身の周りのひとりひとりには、著者の深い情を感じます。ブレイディさんの対談記事に「パンク母ちゃん」というタイトルのものがありましたが、ブレイディさんを一言で見事にあらわしていると思います。毒もあるし、愛もある。毒と愛は正反対じゃないとつくづく思います。毒っ気の強いユーモアに情をしのばせて、厳しい現状をサバイブしようと奮戦する人々にささやかなエールを送りたくなると同時に、うっすら自分や周りの誰かと重なって見え、自分の生活を見つめ直すきっかけにもなります。 前半が著者ブログ記事のよりぬき、後半がカルチャー誌連載のCDや映画のレビューとなっていて、後半の作品レビューは英国音楽や映画に詳しければより楽しめそうです。 ブレイディみかこさんは小学生の頃に出会ったパンクに衝撃を受け、ジョニー・ロットン(ジョン・ライドン)を人生の師に定めたとのこと。私も詳しくはないですが、中学生のときに後追いでセックス・ピストルズに出会いました。高校のときに1996年ピストルズの武道館ライブのビデオを友人と見た時に、醜く太ったジョニー・ロットンが赤い短パンで道化さながらにちょこまか動き、おっさんになった声で下手くそな歌を歌っているのを「なにこの豚ピエロ!最低!」とゲラゲラ笑いつつ、ちょっとだけ本当にがっかりもしてました。実際、武道館のステージにピストルズが登場してから速攻で帰った客もいたそうです。 しかし大人になってから、2007年のロンドンのブリクストン・アカデミーでのピストルズ再結成ライブの動画を見た時に私は驚きます。タイトな着こなしができないほど相変わらずに肥えた、そして年の分だけ老けたジョニー・ロットンがそこにいるのですが、震えるくらい、目の奥が熱くなるくらい最高にかっこいいんです。勝手に抱かれたパンク幻想を皮肉でぶち壊すように、老いた姿を晒しているのがまたひねくれててシビレます。パンクロッカーとしてはToo Late Too Dieな年齢、Don't Trust over 30の倍ちかく生きて、老後を考え出す世代のオッサンが「No Future」と歌う皮肉もふくめて最高にかっこいい。老若男女パンクスですし詰めになった会場に汚く響き渡る「No Future」のシュプレヒコールに、なぜか私は涙が流れそうになりました。「夭折して伝説に…なんて、死んでもなってやんねえぞ!」とアカンベーして世界をペテンにかける態度そのものがパンクじゃんか、と大人になってわかりました。若い頃のライブの何倍も凄みがあってかっこいい!

Posted by ブクログ

2023/06/24

他の作品でもお馴染みの登場人物もいるし,描かれるブライトンの街の様子も,年代こそ違うものの,もはや顔馴染みのような感覚で読んだ. 比較的リアルタイムで読んだあとの初期の作品というのは,コレはコレでタイムスリップした様な,体験したことのない思い出を辿る様な不思議かつ楽しい体験だった...

他の作品でもお馴染みの登場人物もいるし,描かれるブライトンの街の様子も,年代こそ違うものの,もはや顔馴染みのような感覚で読んだ. 比較的リアルタイムで読んだあとの初期の作品というのは,コレはコレでタイムスリップした様な,体験したことのない思い出を辿る様な不思議かつ楽しい体験だった. 音楽や映画のレヴューも含めて,パンクに軸足しっかりでイメージしやすくて,早速Apple Musicでライブラリに加えてしまった. 現在よりだいぶ尖った表現はあるものの,やっぱり何度も何度も何度でも感心させられるのは「フラットで透明な視点」で受け止めると言う姿勢.個人の価値観や評価はさておき,まずは受け止める,そして,その先を見る…何度もハッとさせられ,何度も感動し,反省し…そんなことがしたくて,この著者の本を手に取るのが,僕の読書の動機のような気がしてきた.

Posted by ブクログ

2023/05/28

図書館の本 読了 『アナキズム・イン・ザ・UK』の後半部に大幅増補。待望の文庫化! 貧困、差別。社会の歪みの中の「底辺託児所」シリーズ誕生。著者自身が読み返す度に初心にかえるという珠玉のエッセイを収録。 貧困層の子どもたちが集まるいわゆる「底辺託児所」保育士時代の珠玉のエッセイ...

図書館の本 読了 『アナキズム・イン・ザ・UK』の後半部に大幅増補。待望の文庫化! 貧困、差別。社会の歪みの中の「底辺託児所」シリーズ誕生。著者自身が読み返す度に初心にかえるという珠玉のエッセイを収録。 貧困層の子どもたちが集まるいわゆる「底辺託児所」保育士時代の珠玉のエッセイ。ゴシック文学的言葉を唱え人形を壊すレオ。「人生は一片のクソ」とつぶやくルーク。一言でわたしの心を蹴破ったアリス。貧窮、移民差別、DV。社会の歪みの中で育つ、破天荒で忘れがたい子どもたち。パンクスピリット溢れる初期作品。映画・アルバム評、書評を収録。 わ、続編から読んじゃった。気にならなかったから問題ないけれどこれは1冊目も読みたい。 映画、アルバム評、書評はわたしとは好みがあわなことが分かったけれども、託児所のエッセイはとても興味深かった。 底辺ってこういうこと?っていうのがいくつもあって、わたしもお金のないところで生きてきたけれども、なんかレベルが違う。 それだからこそ悩みながら強く生きる子供たちの悪い言葉が記憶に残るエッセイだった。 ご主人の癌にまつわる話が淡々としすぎててなおさらおそろしい。 とにかく先に出てたものも読んでみる。

Posted by ブクログ

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