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日本共産党 「革命」を夢見た100年 中公新書2695
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日本共産党 「革命」を夢見た100年 中公新書2695

中北浩爾(著者)

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日本共産党 「革命」を夢見た100年 中公新書2695

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2022/05/23
JAN 9784121026958

日本共産党

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商品レビュー

4.4

19件のお客様レビュー

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2024/02/12

一貫して「革命」を目指しつつも大きく変化した日本共産党の100年の歴史を追い、国際比較と現状分析を交え、同党の全貌を描く。 日本共産党の歴史が詳細かつ実証的に分析されており、日本共産党を理解するに当たって必読の書だといえる。 日本共産党が時代ごとに大きく方針等を変えてきたというこ...

一貫して「革命」を目指しつつも大きく変化した日本共産党の100年の歴史を追い、国際比較と現状分析を交え、同党の全貌を描く。 日本共産党の歴史が詳細かつ実証的に分析されており、日本共産党を理解するに当たって必読の書だといえる。 日本共産党が時代ごとに大きく方針等を変えてきたということ、特に1955年以降、民族民主革命論に基づく平和革命路線と自主独立路線などを内容とする宮本路線が定着したということがよく理解できた。 一部で言われているいまだに武力革命を目指しているとか、天皇制や自衛隊を完全否定しているというような日本共産党批判が的を射ていないということもよくわかった。 一方で、いつの時代も、民主集中制により派閥(分派)の存在を許さないという方針は堅持されており、党内抗争、あるいは分立、粛清が常に起こっていたということも事実である。そこが日本共産党が人々になかなか受け入れられない最大のネックになっていると思う。 著者の師である塩川伸明氏が共産主義(社会主義)について、「『負けたのは特定の社会主義にすぎない』という人は、往々にして、『社会主義Aは失敗したが、社会主義Bはまだ試されていない』という風に考えがちである。だが、それは社会主義の歴史を踏まえない見方である。1950年代半ばのスターリン批判以降、さまざまな国でさまざまな仕方でスターリン型社会主義からの脱却の試みが30年以上もの間続いてきたことを思えば、問題は、『社会主義Aも、社会主義Bも、社会主義Cも、社会主義Dも、社会主義Eも……失敗した後に、なおかつ社会主義Xの可能性を言えるか』という風にたてられねばならない。そして、これだけ挫折の例が繰り返されれば、もはや望みは一般的にないだろうと考えるのが帰納論理である」、また、「『真の(社会主義)』という言葉を使うのは慎重であった方がいい」と書いて(言って)いたことが紹介されているが、心に留め置くべき言説だと思われる。 なお、日本共産党が部落解放同盟と敵対している背景など、もう少し詳しく知りたいと思う部分もあった。

Posted by ブクログ

2023/09/01

非常に読みごたえがあった。学者らしく、事実に基づいた筆致には感銘を受けた。ただ政治には感情も伴うので、完全な客観性はないと思う。世界の共産党が衰退している中で、したたかに生き悔いてきた日本共産党は原理的でありながら、時の情勢に応じた現実性もあったから生き延びてきたと思う。ただ現在...

非常に読みごたえがあった。学者らしく、事実に基づいた筆致には感銘を受けた。ただ政治には感情も伴うので、完全な客観性はないと思う。世界の共産党が衰退している中で、したたかに生き悔いてきた日本共産党は原理的でありながら、時の情勢に応じた現実性もあったから生き延びてきたと思う。ただ現在の内部状況(大衆組織の弱体化や高齢化の事だが)を、どう生き延びるかは、これまでの経験だけでは乗り切れない。100年ということで様々な意見も出ているが、外部の意見も取り入れながら開かれた組織が生き延びると思う。公式100年史と並行して読むとより面白かった。

Posted by ブクログ

2023/08/25

昨年結党から100年を迎えた日本共産党100年の歴史。日本共産党に関しては立花隆『日本共産党の研究』(1978)が有名、かつ面白いことは言うまでもない。しかし、本書も負けず劣らず読み応えがあって面白かった。何よりも1980年代以降の分析が加わっている(アフガン侵攻、天安門事件、ソ...

昨年結党から100年を迎えた日本共産党100年の歴史。日本共産党に関しては立花隆『日本共産党の研究』(1978)が有名、かつ面白いことは言うまでもない。しかし、本書も負けず劣らず読み応えがあって面白かった。何よりも1980年代以降の分析が加わっている(アフガン侵攻、天安門事件、ソ連崩壊など)ので国際情勢が大きく変化していった1980年代以降、日本共産党が変わった部分、変わらない部分、両方含めてそのスタンスがよくわかる。 著者は1968年生まれなので、自分より7つ年下だが大学に入った頃にキャンパスには「民青」の方たちが大勢いたのを目の当たりにしているなどという経験は共有している。本書には書かれていないが、ポスト志位の有力候補と言われる田村智子日本共産党中央委員会政策委員会責任者(政策委員長)は早稲田の後輩。いたいけな(?)彼女は学費スライド制導入反対運動を契機に民青の先輩に「勉強会」に誘われてその後日本共産党に入党したのだとか……。彼女が新入生のとき、私は4年生であったのと、早稲田では比較的セクトの影響力が弱かった政治経済学部との差があったのかなと思ったりもした(本書によると1980年代が民青の規模がもっとも大きかったとのこと)。 著者は最後の「日本共産党はどこに向かうのか」で、今後取り得る二つの選択肢について予想している(pp.401-2)。私も社会民主主義的な方向よりも障害が少ない「民主的社会主義」(共産主義の看板を下ろさずにさまざまな反資本主義、反新自由主義、脱原発、ジェンダー平等、エコロジー、草の根民主主義などニューレフト的な要素を取り込みながら進む方向)に行くとは思うが、そうするとますます現実の政権を担う党にはなりにくうなるのだろうと思う。 追記:2024/1/18、日本共産党の新委員長に田村智子氏が選出された。

Posted by ブクログ

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