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日本共産党 の商品レビュー

4.5

21件のお客様レビュー

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2025/01/10

日本共産党の結党から現在までの100年間の歴史を理解するのに非常に良い教科書のような本。日本共産党はソ連共産党に対する従属から自主独立路線への転換、暴力革命路線から平和革命路線への変化を経て、ソビエト、中国いずれの共産党とも異なる変化を遂げた。 最近は野党連合政権を主張するなど閉...

日本共産党の結党から現在までの100年間の歴史を理解するのに非常に良い教科書のような本。日本共産党はソ連共産党に対する従属から自主独立路線への転換、暴力革命路線から平和革命路線への変化を経て、ソビエト、中国いずれの共産党とも異なる変化を遂げた。 最近は野党連合政権を主張するなど閉塞感の打破を模索しているが、党員の高齢化と減少やしんぶん赤旗の売上低下など、党財政は悪化の一途を辿る。民主集中制のような強力な党内統制は党員の獲得の足枷となっている。また、アメリカ帝国主義と大企業・財界を敵とみなすことや、日米安保条約の破棄などの主張は野党連合政権を困難なものにしている。 日本共産党の先行きは決して明るくない。

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2024/12/29

大多数の国民にとって日本共産党はよくわからないけど何だかいかがわしい存在と認識されている。その『いかがわしさ』の原点を明らかにした労作である。 2023年の松竹氏除名の経緯を重大な関心を以て眺めていたが、1950年代の大混乱を知って様々な疑問や違和感が完全に氷解した。そしてこの政...

大多数の国民にとって日本共産党はよくわからないけど何だかいかがわしい存在と認識されている。その『いかがわしさ』の原点を明らかにした労作である。 2023年の松竹氏除名の経緯を重大な関心を以て眺めていたが、1950年代の大混乱を知って様々な疑問や違和感が完全に氷解した。そしてこの政党が今より党勢を拡大したり、ましてやマジョリティを握って自称共産主義とやらに移行する事は絶対にないと確信する。あまりにも民主主義に対する理解が一般国民と違いすぎる。 先の衆院選でも唐突に『自由時間の創出』と言い出したが、結果は『手取りを増やす』政策を訴えた国民民主に完敗した。民意が全く読めていないと言わざるを得ない。これも志位議長の鶴の一声だと思われる。いくら綱領改正で暴力革命を否定しても、こんな独裁的な組織なら綱領なんて1日で変えられるのだから信用される訳が無い。 山添政策委員長のような優秀で若い人が民主集中制などの旧弊を変えられれば民衆の支持を得られるようになると思うが、それはもう共産党ではないわな。

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2024/02/12

一貫して「革命」を目指しつつも大きく変化した日本共産党の100年の歴史を追い、国際比較と現状分析を交え、同党の全貌を描く。 日本共産党の歴史が詳細かつ実証的に分析されており、日本共産党を理解するに当たって必読の書だといえる。 日本共産党が時代ごとに大きく方針等を変えてきたというこ...

一貫して「革命」を目指しつつも大きく変化した日本共産党の100年の歴史を追い、国際比較と現状分析を交え、同党の全貌を描く。 日本共産党の歴史が詳細かつ実証的に分析されており、日本共産党を理解するに当たって必読の書だといえる。 日本共産党が時代ごとに大きく方針等を変えてきたということ、特に1955年以降、民族民主革命論に基づく平和革命路線と自主独立路線などを内容とする宮本路線が定着したということがよく理解できた。 一部で言われているいまだに武力革命を目指しているとか、天皇制や自衛隊を完全否定しているというような日本共産党批判が的を射ていないということもよくわかった。 一方で、いつの時代も、民主集中制により派閥(分派)の存在を許さないという方針は堅持されており、党内抗争、あるいは分立、粛清が常に起こっていたということも事実である。そこが日本共産党が人々になかなか受け入れられない最大のネックになっていると思う。 著者の師である塩川伸明氏が共産主義(社会主義)について、「『負けたのは特定の社会主義にすぎない』という人は、往々にして、『社会主義Aは失敗したが、社会主義Bはまだ試されていない』という風に考えがちである。だが、それは社会主義の歴史を踏まえない見方である。1950年代半ばのスターリン批判以降、さまざまな国でさまざまな仕方でスターリン型社会主義からの脱却の試みが30年以上もの間続いてきたことを思えば、問題は、『社会主義Aも、社会主義Bも、社会主義Cも、社会主義Dも、社会主義Eも……失敗した後に、なおかつ社会主義Xの可能性を言えるか』という風にたてられねばならない。そして、これだけ挫折の例が繰り返されれば、もはや望みは一般的にないだろうと考えるのが帰納論理である」、また、「『真の(社会主義)』という言葉を使うのは慎重であった方がいい」と書いて(言って)いたことが紹介されているが、心に留め置くべき言説だと思われる。 なお、日本共産党が部落解放同盟と敵対している背景など、もう少し詳しく知りたいと思う部分もあった。

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2023/09/01

非常に読みごたえがあった。学者らしく、事実に基づいた筆致には感銘を受けた。ただ政治には感情も伴うので、完全な客観性はないと思う。世界の共産党が衰退している中で、したたかに生き悔いてきた日本共産党は原理的でありながら、時の情勢に応じた現実性もあったから生き延びてきたと思う。ただ現在...

非常に読みごたえがあった。学者らしく、事実に基づいた筆致には感銘を受けた。ただ政治には感情も伴うので、完全な客観性はないと思う。世界の共産党が衰退している中で、したたかに生き悔いてきた日本共産党は原理的でありながら、時の情勢に応じた現実性もあったから生き延びてきたと思う。ただ現在の内部状況(大衆組織の弱体化や高齢化の事だが)を、どう生き延びるかは、これまでの経験だけでは乗り切れない。100年ということで様々な意見も出ているが、外部の意見も取り入れながら開かれた組織が生き延びると思う。公式100年史と並行して読むとより面白かった。

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2024/02/17

昨年結党から100年を迎えた日本共産党100年の歴史。日本共産党に関しては立花隆『日本共産党の研究』(1978)が有名、かつ面白いことは言うまでもない。しかし、本書も負けず劣らず読み応えがあって面白かった。何よりも1980年代以降の分析が加わっている(アフガン侵攻、天安門事件、ソ...

昨年結党から100年を迎えた日本共産党100年の歴史。日本共産党に関しては立花隆『日本共産党の研究』(1978)が有名、かつ面白いことは言うまでもない。しかし、本書も負けず劣らず読み応えがあって面白かった。何よりも1980年代以降の分析が加わっている(アフガン侵攻、天安門事件、ソ連崩壊など)ので国際情勢が大きく変化していった1980年代以降、日本共産党が変わった部分、変わらない部分、両方含めてそのスタンスがよくわかる。 著者は1968年生まれなので、自分より7つ年下だが大学に入った頃にキャンパスには「民青」の方たちが大勢いたのを目の当たりにしているなどという経験は共有している。本書には書かれていないが、ポスト志位の有力候補と言われる田村智子日本共産党中央委員会政策委員会責任者(政策委員長)は早稲田の後輩。いたいけな(?)彼女は学費スライド制導入反対運動を契機に民青の先輩に「勉強会」に誘われてその後日本共産党に入党したのだとか……。彼女が新入生のとき、私は4年生であったのと、早稲田では比較的セクトの影響力が弱かった政治経済学部との差があったのかなと思ったりもした(本書によると1980年代が民青の規模がもっとも大きかったとのこと)。 著者は最後の「日本共産党はどこに向かうのか」で、今後取り得る二つの選択肢について予想している(pp.401-2)。私も社会民主主義的な方向よりも障害が少ない「民主的社会主義」(共産主義の看板を下ろさずにさまざまな反資本主義、反新自由主義、脱原発、ジェンダー平等、エコロジー、草の根民主主義などニューレフト的な要素を取り込みながら進む方向)に行くとは思うが、そうするとますます現実の政権を担う党にはなりにくうなるのだろうと思う。 追記:2024/1/18、日本共産党の新委員長に田村智子氏が選出された。

Posted byブクログ

2023/07/09

Wikipediaより正確で、学術書より読みやすい。戦前の非合法な時代から、90年代以降の小選挙区制導入や党員高齢化の苦しい時代まで、現在の課題も踏まえて俯瞰した一冊。内容について志位委員長が批判したようだが、どこがおかしく問題なのかさっぱりわからん。

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2023/03/25

おつかれさーっす。 「日本共産党」さまにはこの言葉しかない。 新しい見方もあるし、いつまでも公安監視団体ってのもやっぱりどうかと思ってはいたが。 なんつか、命懸けのサークル活動というか、見えないものを見ようとして、チラッと見えたものに縋って、手を伸ばしては裏切られ続けて、そ...

おつかれさーっす。 「日本共産党」さまにはこの言葉しかない。 新しい見方もあるし、いつまでも公安監視団体ってのもやっぱりどうかと思ってはいたが。 なんつか、命懸けのサークル活動というか、見えないものを見ようとして、チラッと見えたものに縋って、手を伸ばしては裏切られ続けて、それでも理想は必ず実現できるんだと信じてというか、実現できたものが理想に違いないと信じて。 理念に現実がついてくると考えていると思われる割には、その理念を、少数の指導者によって何気に変更させてきた。 異分子は認めず、「俺の信じる共産主義こそ正しく、正統であり老舗であり本家である」ことにこだわる。異論は排除する。何故ならそれは、正しくないから。 生き延びることを優先して来た故に、本来実現する理想すら変容して来ているのに、それが矛盾なく両立している。 信じろって言われてもなあ。 変容したって言われてもなあ。 その辺、著者の主張に違和感を感じた。 仮に政権取ったり、「革命」起きたらまた、変わる可能性がある。 全てが「共産革命」実現のための手段である可能性は、全然否定されない。 現実に飽き足らない部分てのは必ずあるので、その受け皿として、存在し続けることはあるんだろうが、その先には一歩も踏め出せない気がする。

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2022/12/18

自民党や公明党の分析で定評のある政治学者による日本共産党研究。国際比較と歴史研究を併用しつつ明らかにしたのが、1961年に確立された宮本顕治路線の独自性である。それは、ソ連・中国からの自立性の徹底的な追求や、時代状況に合わせた政策メニューの提供といった「柔軟性」を与えたと同時に、...

自民党や公明党の分析で定評のある政治学者による日本共産党研究。国際比較と歴史研究を併用しつつ明らかにしたのが、1961年に確立された宮本顕治路線の独自性である。それは、ソ連・中国からの自立性の徹底的な追求や、時代状況に合わせた政策メニューの提供といった「柔軟性」を与えたと同時に、革命という最終目標や中央集権的な党内運営(民主集中制)の堅持という点では、「教条性」を併せ持つものであった。そして、この宮本路線が、現在も日本共産党の方向性を大きく規定している。 事実、宮本路線の下、日本共産党は1960~70年代に大きく伸長する。中野重治らの除名といった組織分裂にも関わらず勢力を拡大していく過程を、本書は躍動的に描いている。そして、その後、停滞しつつも、ソ連崩壊や天安門事件にも耐えられるだけの力量が、日本共産党には備わっていた。これも、宮本路線の成果である。 とはいえ、さすがの宮本路線も賞味期限切れでは、というのが、筆者の結論であり、本書の濃密な議論が、その説得力を支えている。本書の帯には「100年の軌跡」とあるが、日本共産党が本書のような議論にどう応えられるのかによって、そのこれからの軌跡は大きく変わってくるのではないだろうか。

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2022/12/08

日本共産党100年の歴史を書いた本である。最近の最後の方はあまり頭に入ってこないが、戦前あるいは戦後及び学生運動の前後については非常にわかりやすく書かれているので、日本共産党についての卒論では必携となるであろう。

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2023/05/03

2022年10月読了。 34ページ 「多様化するマルクス・レーニン主義」の概念図。一口に「共産主義」といっても個別の問題に対してどういうスタンスを取るかによって区分される。

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