商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | みすず書房 |
| 発売年月日 | 2022/02/10 |
| JAN | 9784622090557 |
- 書籍
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給料はあなたの価値なのか
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給料はあなたの価値なのか
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商品レビュー
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現代(2025)において、資本主義を是とする世界の機軸となり国や経済、そして個人に至るまでその多大な恩恵と負債を与えられている。新自由主義的(「個人の自由」と「市場原理」を最優先とする思想)は世界的に1970年代以降に潮流し、個人が経済を回していく時代となり、その思想主義は改変さ...
現代(2025)において、資本主義を是とする世界の機軸となり国や経済、そして個人に至るまでその多大な恩恵と負債を与えられている。新自由主義的(「個人の自由」と「市場原理」を最優先とする思想)は世界的に1970年代以降に潮流し、個人が経済を回していく時代となり、その思想主義は改変されながらも現代まで生き続けている。 さて、本著では、「賃金が高い=社会的に価値のある人」「賃金が低い=努力が足りない人」では無いと批判的主張をしている。その時の時代であり、経済であり、労使関係であり、運とも述べている。別に給与を他者に言う必要もないし、嫉妬やマウントをとっても仕方がない。時間の無駄である。賃金が低いには個人というよりその組織や会社の財務や経営思想の影響が大きい。違う見方をすると、売上が低い会社は信用がないかと言われると、答えは業界によるになる。 著者は「個人で努力すれば報われる」という新自由主義的な価値観の危うさを批判し、むしろ社会的・政治的な「仕組み」や「制度の選択」が、個々人の報酬や幸せに強く関係すると示唆しているが、別に社会主義や共産主義を推奨しているわけではない。資本主義を是とする経済社会の中での視点と向き合う姿勢を提案する本である。 本著の視点は、雇われ労働者も経営者も含まれる。労働者であれ、経営者であれ、お金を稼いだからといって選民的思想になってはいけない。その時の時代や運や社会情勢など複数の機会と運と努力が結んだ結果であり、完全な再現性はない。 本著では、お金を稼ぐことは悪とは言わない。が、同時にデメリットもあると示唆し提案し、賃金が低いのはあなたの能力のせいではないということを示唆する内容の本となる。成長し、行動し、失敗し、反省して、立ち上がり、汚泥を啜りながら前へ成長していくの繰り返しなのだ。 給与から紐解く、労働者や経営者から富裕層に至るまで様々な視点で思索を与える良書である。
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給与はその人の能力によって決まる。と思っている人が多いが、そんなことないよという本 環境や業界他社や景気や市場などさまざまな要因の与える影響の方が大きい。 ゴミ清掃員は危険なのに給与が安いのは、前科者を雇っていて、彼らは他に仕事がないので交渉力がないから。 社会のルールを作る側...
給与はその人の能力によって決まる。と思っている人が多いが、そんなことないよという本 環境や業界他社や景気や市場などさまざまな要因の与える影響の方が大きい。 ゴミ清掃員は危険なのに給与が安いのは、前科者を雇っていて、彼らは他に仕事がないので交渉力がないから。 社会のルールを作る側というか、パワーを持つ側になろうと思った
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どちらかと言うと「あなたの給料はなぜ安いのか」というタイトルの方がしっくりきます。賃金が決まる要素は、その労働者の生産性や市場価値だと思われがちですが、著者はそれを否定します。実際は、権力、慣性、模倣、公平性の四つの要素が大きく影響しているからです。そのほぼ全ての要素が、賃金格差...
どちらかと言うと「あなたの給料はなぜ安いのか」というタイトルの方がしっくりきます。賃金が決まる要素は、その労働者の生産性や市場価値だと思われがちですが、著者はそれを否定します。実際は、権力、慣性、模倣、公平性の四つの要素が大きく影響しているからです。そのほぼ全ての要素が、賃金格差を拡大する方向、貧しい人をより貧しくする方向に作用しています。本書はそのメカニズムと現状について、アメリカの多くの業界を実例として紹介しつつ解説してくれます。 みんなが給料の額を共有してると交渉材料になって給料が上がるというのが面白いです。だから会社は秘匿する。でも他人と比べることで幸福度が下がりそうな気もします… 生産性は多くの社員との関係や外部要因で社会的に決まるので、定義出来ないし測定できないというのは目から鱗です。言われてみればそうだよな、と。そこで安易に測定可能な指標を作って成果主義にすると、それだけを追求して非効率になり、さらに社員同士で足を引っ張り合うようになるというのもあるあるです。 その他、株主資本主義、労働組合の弱体化、派遣労働の増加など、給料を下げる方向性ばかりで読んでで暗い気持ちになります。 対抗策は、最低賃金アップと労働組合という、地味ですが地に足のついた提案でした。 結局は年功序列が一番マシな制度かも、というのも皮肉です。
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