商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2022/01/28 |
JAN | 9784101247267 |
- 書籍
- 文庫
決闘の辻
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決闘の辻
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商品レビュー
4.7
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実在の剣豪に関する5篇の作品。 剣士、兵法者として生きることの困難さを見る。 天下一の剣豪となるための修練もさることながら、その地位に居続けることのなんと厳しいことか。 天下一となった時から彼はその地位を狙われる者となり、怯えながら過ごすことになる。 けれど必死になってその地位を...
実在の剣豪に関する5篇の作品。 剣士、兵法者として生きることの困難さを見る。 天下一の剣豪となるための修練もさることながら、その地位に居続けることのなんと厳しいことか。 天下一となった時から彼はその地位を狙われる者となり、怯えながら過ごすことになる。 けれど必死になってその地位を守ったとして、実のところどのような価値があるのだろう。 本作品最後の「飛ぶ猿」における波四郎は、父の敵討ちを果たす為に諸国を周り当の敵と巡り合って立ち会うこととなるが、彼を見ることで剣士として生きる事の意味に疑問を感じ故郷での穏やかな生活に戻ることを決心する。 自分の父親は、かつて一部の武道の世界ではかなり名を馳せていたが、その父も老いて昔の影を失っていく様を見るにつけ、父のあの威光はなんであったのだろうと思ったものでした。 威光を守るための人生とは辛いな。 簡単に言ったら、死んだらみんな一緒だ。
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宮本武蔵を筆頭に、実在した剣豪五人を綴った短編集。剣による立ち居振る舞いの緊張感は勿論だが、決闘を迎えるに当たっての心理描写が微細に綴られている。剣豪たちの共通した想いは、剣の技を求めるだけではなく、知略、策略、まつりごとをも含めた普遍を求める道であると云う主張だ。宮本武蔵の章で...
宮本武蔵を筆頭に、実在した剣豪五人を綴った短編集。剣による立ち居振る舞いの緊張感は勿論だが、決闘を迎えるに当たっての心理描写が微細に綴られている。剣豪たちの共通した想いは、剣の技を求めるだけではなく、知略、策略、まつりごとをも含めた普遍を求める道であると云う主張だ。宮本武蔵の章では、明らかな体力の衰えを自覚した時、剣豪としての名声を得ている己の立ち位置を如何に保つのか、武蔵の葛藤と対処策が綴られている。時代物で語られる剣客たちの固定的人物像が、この一冊で新たな一面が加わることになる。
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感情を表現するのに、月次で紋切りの言葉を避けながら、登場人物の沈潜と逡巡を、息遣いが聞こえるように書く、アメリカ文学のようにも見える。
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