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「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ 角川新書
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「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ 角川新書

椎名美智(著者)

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「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ 角川新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2022/01/08
JAN 9784040824147

「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ

¥990

商品レビュー

3.5

20件のお客様レビュー

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2024/09/29

敬語に含まれている敬意が使われるうちに少しずつすり減っていく「敬意漸減の法則」というのがあるそうだ。 敬意が減っていくその法則により、言葉は敬意を付け足すように形を変えていくようだ。 そして、このことは今に始まったことではなく、江戸時代から明治時代にかけても敬意のインフレーション...

敬語に含まれている敬意が使われるうちに少しずつすり減っていく「敬意漸減の法則」というのがあるそうだ。 敬意が減っていくその法則により、言葉は敬意を付け足すように形を変えていくようだ。 そして、このことは今に始まったことではなく、江戸時代から明治時代にかけても敬意のインフレーションは起こっていたそうだ。また、戦中から戦後になった時にも起こっている。それは社会構造の変化が動因になっているのではないかと著者は推測している。 つまり、身分制度がなくなって、相手にどのように接したらいいのかわからなくなり、それゆえ「させていただく」を使ったのではないかという。 また「させていただく」という言葉の違和感には、それが本来は「許可」を求める言葉だからであるということには本書を読んで初めて気付いた。 しかし、実際の使用場面を見てみると、それは許可を求める目的で使用されているわけではないことは、一緒に使われる動詞が示している(そのために違和感を感じるのだろう)。 他にも様々な分析がなされているので、「させていただく」の使い方が気になっている人は読んで納得できるのではないかと思う。

Posted by ブクログ

2024/09/09

大変面白かった。会社の営業があまりにもさせていただくメールばかりを書くものだから手に取ってみた。 敬意漸減の考え方や実例、新しい敬語の5分類、言葉の近接化作用と遠隔化作用、これだけでも大変勉強になった。適切なさせていただくの使い方に関しても納得。確かに謙譲語がない時など便利な場...

大変面白かった。会社の営業があまりにもさせていただくメールばかりを書くものだから手に取ってみた。 敬意漸減の考え方や実例、新しい敬語の5分類、言葉の近接化作用と遠隔化作用、これだけでも大変勉強になった。適切なさせていただくの使い方に関しても納得。確かに謙譲語がない時など便利な場面があるのは認める。そしてなぜ自分がさせていただくが好きじゃないのかについてもよく分析できた。「させていただく」は「私ってちゃんと人と丁寧に話すことのできる人間でしょ」と言うポーズを示す自己愛的な敬語なのかもしれない、って記述があってめちゃ腑に落ちた。これが違和感の一部なんだろな。使われすぎな点、定型的な表現な点、と合わせてそこが好きじゃないのがわかった。 俺としては多彩な敬語の語彙があって自在に使いこなすのが美しいしそれが日本語の楽しさなわけであって、何でもかんでもさせていただくのは何しろ思考停止しててアホっぽい、とは引き続き思う。けどこれも世代の差かも知れない。最後の章のまとめで面白かったのは、なんというかそもそも敬語は相手と自分をいわば上下の関係として取り扱ってきたものだと思うんだけど、させていただく、に関して言えば丁重にやってますよ、が効果であり、日本語のコミュニケーションや敬意や丁寧さのスタイルが変化してるってことまで考えさせられた所。良書。

Posted by ブクログ

2024/02/01

「させていただく」使用の理由や歴史的経緯について。著者はこの言葉について中立的あるいはやや肯定的な立場で説明している。文法とか元々の意味から言葉遣いを考えるというよりは、今よく使われているのは理由があるからだ、という立場。させていただくというのを、文法的に謙譲語だと言うのでなく、...

「させていただく」使用の理由や歴史的経緯について。著者はこの言葉について中立的あるいはやや肯定的な立場で説明している。文法とか元々の意味から言葉遣いを考えるというよりは、今よく使われているのは理由があるからだ、という立場。させていただくというのを、文法的に謙譲語だと言うのでなく、使われ方からもはや丁重語だと分類している。 敬意漸減というのは初めて聞いたけれど、納得感が大きかった。かつては適切だった敬語が、時代とともに敬意がすり減って、失礼に聞こえるようになる。自分自身、「させていただく」を使うのは、敬語を使っているはずだけど何となく失礼に聞こえる気がする、というときに「敬語の上乗せ」として使うという感覚がある。 敬語は、相手への敬意とか自分のへりくだりという上下の位置調整のほかに、相手との横方向の距離感調整という機能もある。 調査に関しては、比較の仕方や解釈に疑問を覚えるところもあった。ただ、これは新書だからということで説明が省かれている面もあるのかもしれない。 敬語に対するこのような感覚を、私たちがどうやって身につけるのかに興味がある。学校で習う敬語はたぶん時代ごとにそう変わらないだろうに、なぜ私たちは敬意漸減を感じ取って、させていただくのような新しい敬語をちょうど良いと認識するようになるんだろう。不思議だ。

Posted by ブクログ

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