商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 山と渓谷社 |
発売年月日 | 2021/12/01 |
JAN | 9784635063098 |
- 書籍
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日本野鳥の会のとっておきの野鳥の授業
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日本野鳥の会のとっておきの野鳥の授業
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日本野鳥の会が出していて、とっておきの野鳥の授業というタイトルに惹かれて読んでみた。 結論、知らないことばかりでとても面白かった!! 鳥を守ることは自然を守ることにもつながる。豊かな自然を人間の都合だけで荒らしてはいけない。 素敵な鳥たちの生態を通じて自然を守る精神を広めていくのは良い取り組みだと思った。 野鳥たちへの愛と知がたっぷり詰まった一冊だった。 ↓特に面白かった話 オシドリ夫婦なんて言われるが、オシドリは毎年つがいが変わる。ワシ類・ツル類・ハクチョウ類は一度形成されたつがいが何年にもわたって続く。一夫一妻制の鳥もいれば、一夫多妻の鳥もいる。鳥にも同性愛(?)がある。 鳥の鳴き声には方言がある。ウグイスの鳴き声は地域によって微妙に違う。 シジュウカラの鳴き声には文法がある。パターン化された鳴き声を組み合わせて、周囲を警戒したり移動したりする。 オナガサイホウチョウという鳥は、その名の通り裁縫のような方法で巣を作る。大きな葉っぱに穴をあけ、蜘蛛の巣を絡めた草を接着剤のように使って器用に編む。この“編み物”をするため、他の鳥と比べて足が長い。 カッコウは自分の托卵を成功させるため、托卵する相手の卵に似せた模様の卵を産む。ホトトギスもウグイスの巣に托卵する。孵化したヒナは他の卵を背中で押し出して巣から落とし、親鳥からもらう餌を独り占めする。カッコウのヒナは鳴き声でヒナの数を誤魔化し、餌を多くもらおうとする。ジュウイチという鶏のヒナは、翼にヒナのくちばしの様にみえる模様を持ち(翼角)、それによってヒナ数を誤魔化して餌を多くもらう。 モズは自分がとった餌を自分の縄張りの木の枝などに刺して保管する習性があり、これをはやにえ(早贄)という。はやにえはオスがメスに対して求愛の冬の歌唱をするためにとっておくもので、はやにえをたくさん食べて早く歌える元気なオスほどモテる。そんなはやにえを食い逃げするメスもいる(笑) 渡り鳥の研究は進歩しているが、課題も多い。研究対象の鳥の足や体などにGPS送信機を仕込んで追跡する(誤差数メートル)。ただ、GPS送信機は小さいものでも20gほどあるため、小さい鳥にはGPSの仕込まれていないジオロケータという2gほどの機器をつける。GPSは一台30万円ほどと多額の費用がかかる。ジオロケータは一の精度が非常に低い上、機器を回収できないと何の情報も得られない。小さくて高性能で安価な機器の開発が求められている。 海鳥は①羽ばたかずほとんど潜水しない滑空タイプ(アホウドリ)、②羽ばたきと滑空飛行・ほとんど潜水しない基本タイプ(カモメ)、③羽ばたき飛行・潜水タイプ(ウミスズメ)、④飛行しない・羽ばたき潜水タイプ(ペンギン)、⑤羽ばたき飛行・足蹴り潜水タイプ(ウミウ)、⑥飛行しない・足蹴り潜水タイプ(コバネウ)に大きく分けられる。飛行に重きを置くタイプは翼や体の軽さに特長があり、潜水に重きを置くタイプは羽が小さく大きな水かきをもつなどの特長がある。 鳥は人間が見ている3原色(赤・青・緑)に紫外線を加えた4原色の世界でモノを見ている。そのため、人間から見れば雌雄の見た目に差がない鳥でも、鳥からしてみれば違う見え方をしていることがある。この視覚の違いを利用したものとして、カラスに荒らされにくいゴミ袋(カラスには中身が見えないが、人間には半透明に見える袋)がある。 絶滅危惧種に指定されるほど数が少なくなると、そこからまた増加しても、遺伝子多様性の確保が難しい。日本で絶滅した生き物を海外から輸入するのも、遺伝的にはもはや別種と言うべきなケースもあるので、推奨されない。 タンチョウやフクロウなど絶滅の危機に瀕している鳥たちを守るために様々な研究・取り組みが行われている。個体数の調査、つがいの数の調査、餌場や巣の環境調査、渡り鳥の調査の場合は、国同士の調整なんかも関わってくる。調査結果によっては、他の国で乱獲するのをやめてもらうようお願いしたり、人工的に餌をまいたり巣を用意したりする。鳥たちが安心して生活できる環境を整えるために森を買い取って維持管理している。 数が増えた鳥たちが人間の畑を荒らしたり、道路に出てきて事故の原因になることもある。そういう時にはレンジャーたちが表に立って、畑を荒らさないように鳥たちを見張ったり、道路に出てきにくい環境を積極的に整えるようにしている。
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とても興味深く読了。 個人的に白眉は「モズのはやにえ」の研究成果の章。オスとメスの自然の摂理が深い…
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島に暮らしていると、留め鳥(一年を通じて島で過ごす鳥)と渡り鳥が居る事が普通に暮らしているだけでなんとなく分かってきたりして興味を持って購入。豊富なデータや写真や図を使い、詳しくない者にも分かり易く、かつ興味を持ちやすい文章で綴られています。大勢の執筆者による分担で色々なテーマに...
島に暮らしていると、留め鳥(一年を通じて島で過ごす鳥)と渡り鳥が居る事が普通に暮らしているだけでなんとなく分かってきたりして興味を持って購入。豊富なデータや写真や図を使い、詳しくない者にも分かり易く、かつ興味を持ちやすい文章で綴られています。大勢の執筆者による分担で色々なテーマについて書かれた編集本なのですが、どの筆者も鳥への興味と愛情あふれる文章で、多くの人に鳥の魅力と不思議について知って欲しい!という気持ちが伝わって来るようで、その熱意を感じて素敵な気分になる良い本でした。蜜蜂や昆虫が近年激減していることは報道その他で知っていましたし、フランス映画の「グランド・ジャーニー」を見て人間による土地開発や建造物などが鳥がもともと通っていたコースを分断してしまったり風向きを変えてしまったりして安全な渡りが出来にくくなったりしていることを知ったばかりでしたが、そういった異変はヨーロッパだけでなくもちろん世界各地で起きており、その一例としてアジアにおけるシマアオジというかつては普通種であった小鳥が激減している事例についての一章は、絶滅危惧種であっても鰻を食べ続ける日本の私たちの鏡像を見せられたような気持ちになりました。一方でタンチョウヅルとシマフクロウの保護活動の事例についての詳細な報告もあり、そちらはまだ課題はあるものの効果が認められているそうで、読了したときには少し明るい気持ちになることが出来ました。BBC製作の映像などで海鳥がズバーンと海中に飛び込んで泳いで魚を獲っているのを初めて見た時は衝撃を受けましたが、鳥が空を飛び(または飛べなくなり)空中でホバリングしたり滑空したりするその能力を、骨格と筋肉から解きほぐし詳しく解説している章も大変読み応えがありました。とても面白かったです。満足して読了。
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