商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2021/11/08 |
JAN | 9784163914459 |
- 書籍
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彼は早稲田で死んだ
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彼は早稲田で死んだ
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商品レビュー
3.9
19件のお客様レビュー
学生運動の名の下、大学キャンパスを暴力が支配し、殺人まで行われていたという事実。今からは想像できないが、そのような時代が確かにあったという現実。日本人だけではないかもしれないが、集団心理状態における人間の残虐性。 最後の対談で語られた、「その場だけ見れば、寛容は不寛容にかなわな...
学生運動の名の下、大学キャンパスを暴力が支配し、殺人まで行われていたという事実。今からは想像できないが、そのような時代が確かにあったという現実。日本人だけではないかもしれないが、集団心理状態における人間の残虐性。 最後の対談で語られた、「その場だけ見れば、寛容は不寛容にかなわない。絶対的に劣勢である。」という言葉は、まさに今の中国の対外強行路線が表す通り、短期的には真実であると思う。その後に続く「それを押し返す力が本来、人間には備わっている。人間の本質は寛容である。人間は寛容の方向に進化してきた」。これが真実かどうかは良く分からない。 作者が最後に書いた「不寛容に対して我々はどう寛容で闘い得るのか」は、非常に難しい問いかけだと思う。
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私もまさに早稲田出身でありながら「何も知らない」学生でした。2009年に早稲田大学に入学した私もまさにこの事件が起きた文学部キャンパスに毎日通っていたのです。 しかしそのような事件があったことは全く知りませんでした。この時点ですでに私は大きなショックを受けたのですが、その後、「約半世紀前、東京の真ん中に、キャンパスが暴力によって支配された大学があった」という一節を読み、さらに驚くことになりました。 この本の衝撃は一生忘れられません。 各大学の学生運動が熾烈であったことはわかっていたつもりだったが、長期間にわたってセクトと無関係の学生達まで暴力支配していたというのはショッキングな事実であった。しかもそれが私も通っていたあのキャンパスで行われていたという・・・
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理想や希望を掲げることで見えなくなること…今の時代も世界各地で起きていることと通じている気がする。 その反面この時代にあって今は失くしてしまった熱気みたいなものも、描かれていたように感じた。 最後の元革マル派幹部の方との対談は、この方の本も読んでいたため驚きとともに、とても興...
理想や希望を掲げることで見えなくなること…今の時代も世界各地で起きていることと通じている気がする。 その反面この時代にあって今は失くしてしまった熱気みたいなものも、描かれていたように感じた。 最後の元革マル派幹部の方との対談は、この方の本も読んでいたため驚きとともに、とても興味深く読めた。 二人の温度差も感じたが、「理屈で判断しようとすると嘘になる」というくだりは身に沁みこむように自分に入ってきた。 ひとは、誰かの過去にどれだけ寛容になれるのだろう… 亡くなられた方の無念を忘れずにいられるのだろうか…
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