商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2021/10/05 |
JAN | 9784150505806 |
- 書籍
- 文庫
反逆の神話 新版
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反逆の神話 新版
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商品レビュー
3.8
9件のお客様レビュー
結構な量の論述。 カウンターカルチャーの表面的な批判では決してなく、未来に対する理想を抱き、前向きかつプラグマティックに論を展開していく。 消費主義がカウンターカルチャーが生み出した側面である個性化や競争性を内包しつつ、現代まで大きく肥大してきたという隠された側面にメスを入れるあ...
結構な量の論述。 カウンターカルチャーの表面的な批判では決してなく、未来に対する理想を抱き、前向きかつプラグマティックに論を展開していく。 消費主義がカウンターカルチャーが生み出した側面である個性化や競争性を内包しつつ、現代まで大きく肥大してきたという隠された側面にメスを入れるあたり頷かされた。 もちろん、カウンターカルチャーの文化左翼的活動がもたらした正の影響は否定し得ないし、自分が摂取してきた芸術を真っ向から否定する気はないが、この社会という枠組みの中でどのように個人性や自由を追求していくのか、その終わりのなさそうな永遠のテーマに、僅かながら思考する時間を作れて感謝感激雨嵐です。
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カウンターカルチャーというものの思想と矛盾について深く理解できる本でした。あまり馴染みのないトピックなので始めはピンと来なかったのですが、読み進めると案外面白くて一気に読めました。 現代の人々は消費社会に組み込まれて抑圧されているので、そこから解放されるには、社会制度から逸脱し...
カウンターカルチャーというものの思想と矛盾について深く理解できる本でした。あまり馴染みのないトピックなので始めはピンと来なかったのですが、読み進めると案外面白くて一気に読めました。 現代の人々は消費社会に組み込まれて抑圧されているので、そこから解放されるには、社会制度から逸脱した行動を取ってそれを破壊する。でもそれが単なる身勝手な犯罪行為を肯定するレトリックに使われてしまう。しかも皮肉にも、カウンタカルチャーは差別化の心理によって推進される消費社会にことごとく取り込まれてしまう。さらに、逸脱を正当化するために問題の原因を制度ではなく文化であるとする。そのため、破壊後に代替となる具体的な制度を提案することはない。 いちばん刺さったのが、途上国への海外旅行についてです。グローバルに均質化する世界の中で、他国は個性を保って欲しい。でも自国は便利で多様であって欲しいという矛盾。観光地化されていない本物感のある場所を訪れたいけど、訪れるといずれ観光地化する、だからさらに辺境を追い求めるという世界の「消費」の矛盾。現地の生の生活圏を歩きまわて観光するのは異文化の搾取だが、ツアー化されると本物感で一気になくなるという矛盾。全て身に覚えがあって心が痛いです。 結論は意外とシンプルでした。政府による市場の失敗の解消と、必要な時は自由を手放してルールを増やすということ。自分の主張が正しいかの簡単なチェック法として「人類全員がそれをしたらどうなる?」と考えることが有効とのこと。これはかなり使えそうです。
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資本主義への批判について、反論が満載。 資本主義の批判の対象は、消費主義であり、資本主義ではない。 フロイトの哲学やマルクス主義を対比として用いているところが興味深い。
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