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個人的なことは社会的なこと
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個人的なことは社会的なこと

貴戸理恵(著者)

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個人的なことは社会的なこと

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 青土社
発売年月日 2021/09/24
JAN 9784791774135

個人的なことは社会的なこと

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商品レビュー

3.8

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2025/09/17

私たちが抱える多くの困難や課題、生きづらさや生きにくさ、今を耐えきれない人々は年々増加しており、厚生労働省などが発表する「生活のしづらさ等に関する調査」や関連研究によると、発達障害診断済み:約100万人、精神疾患で治療中:約500万人、その他発達特性や気質による生きづらさ:約1,...

私たちが抱える多くの困難や課題、生きづらさや生きにくさ、今を耐えきれない人々は年々増加しており、厚生労働省などが発表する「生活のしづらさ等に関する調査」や関連研究によると、発達障害診断済み:約100万人、精神疾患で治療中:約500万人、その他発達特性や気質による生きづらさ:約1,500万~2,000万人などの推計値が出ており、他の同様の近年研究されている統計も合算すると約3,400万人という現時点(2025)での総人口の約27.5%を占めるという現実と事実が本著が主張する根拠と根幹を成す土台である。 さて、人間はそもそも万能に出来てはいない。得意なことも苦手なこともストレスへの耐性も病気への耐性も学校、仕事、結婚や育児、生きる環境も人間に活動に関わること全て十人十色千差万別である。そこには多くの生きづらさという摩擦が生じ、皆誰もが困難と向き合い懸命に生きている。 私たちは社会という共同体の中で生きている。時代は変わり、情報も変わり、政治も変わる。10年前の常識と今と10年後の常識はまた異なるものとなるだろう。そこにはやはり異なる形で生きづらさが新たに発生し増えていくだろう。社会を変える方法は数と声と力が必要である。本を出版するのもいいだろう、動画配信を通して発信するのもいいだろう、団体を作って活動するのもいいだろう、会社を興して社会問題に対してサービスを展開するのもいいだろう。 情報とはある種の力であり、社会構造を覆す力を秘めている。私たちが出来ること出来ないことを踏まえて自分の出来る範囲で出来ることを始めればいいのだ。支援が必要なら福祉を遠慮なく頼り、人生に休みや治療が必要なら生活保護にも頼り、医療を遠慮無く頼るといいだろう。生きるために犯罪以外の恥はない。 今、病気で伏せている人、引きこもりの人、生活保護の人、精神疾患や障害を抱えている人、あらゆる困難と苦難に直面し人生のどん底にいる人、そういう人が立ち上がり、一歩一歩と牛歩の進みであれど自分の意志と決断で踏み出せたのであれば、大きく大成する可能性があるということも皆同時に秘めていることを私たちは知恵として知っておく必要がある。 いかなる支援があれど、社会が変わるのを他者に待つだけでは不十分なのだ。自分の意志や考えを発信しやはり生きて生き抜いて「生きたぞ」と信念を通したのであれば、それは私やあなたという中にある「社会」を変えたと言って過言ではないだろう。あなたに影響された誰かがまた誰かに影響し巡り社会は変わっていくのだ。

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2023/05/18

きちんと言葉にする きちんと伝える きちんと聞き取る 当たり前のようだけれど そこが ますます難しくなってきている そんな気がします そんな「今」だからこそ もっと 読まれて欲しい一冊です 間違いありません (あなたの)個人的なこと は (私の)個人的なこと は (全ての人...

きちんと言葉にする きちんと伝える きちんと聞き取る 当たり前のようだけれど そこが ますます難しくなってきている そんな気がします そんな「今」だからこそ もっと 読まれて欲しい一冊です 間違いありません (あなたの)個人的なこと は (私の)個人的なこと は (全ての人の)社会的なこと に つながっています

Posted by ブクログ

2022/11/05

著者である貴戸さんには、不登校経験があるという。現在、不登校の子どものその後の研究をしており、関西学院大学で准教授をされている。 帯には、「不登校」「ひきこもり」「コミュ障」「ジェンダー」「女らしさ」「男らしさ」「子育て」「夫婦別性」「いじめ」「差別」「暴力」等々。興味深い社会...

著者である貴戸さんには、不登校経験があるという。現在、不登校の子どものその後の研究をしており、関西学院大学で准教授をされている。 帯には、「不登校」「ひきこもり」「コミュ障」「ジェンダー」「女らしさ」「男らしさ」「子育て」「夫婦別性」「いじめ」「差別」「暴力」等々。興味深い社会問題、言い換えれば、個々人の生きづらさが羅列されている。 貴戸さんは、P3「ひとりでは生きることさえままならない人が堂々と自己を主張して生きられるように、社会の方をこそ変えていきたい。そのために、身近な問題から出発してそれを掘り下げることで『社会』との接点を発見するような、他者の問題と見えたものをきちんと考えることで自分にも関わりのある問題だと気づけるような、いわば個人と社会との関係性を回復する足がかりになるような社会問題の考え方を探りたい」としている。 この作品は、2013年2月から2021年6月の8年間、東京新聞に連載されていた読み切りコラムをまとめたものだ。P225「本書のタイトル『個人的なことは社会的なこと』は、第二波フェミニズムのスローガン『個人的なことは政治的なこと』からとった」そうだ。著者の確かな願いのこもった作品だった。 読み切りなので読みやすいのだけれど、結構頭を使ったり、自分はどうだろう、と振り返りながら読んでいたら、なかなかに時間がかかってしまった。 弱者に寄り添い、気持ちを受け止めてくれる著者に、何度か救われ、何度か「それをもっと具体的に!」と答えを求める自分がいた。 個人的な問題が社会問題となっているわけだから、そんなのすぐに答えが出ないのはわかってる。特に、不登校やひきこもりは年単位で時間がかかるものだと言われている。それもわかってる。だけど、現場で働いていると、やっぱり答えを求めてしまう。でもそこに答えなんてなくて、結局は「目の前の生徒との対話」が必要なんだと思う。うん、わかっちゃいる、わかってはいる。 最近、「多様性」の弊害が目立つようになってきて、この作品の中にもそういった内容のものがいくつか出てくる。「自由」「個人」となりすぎて、自分のことは自分でしないといけなくて、自分で決めたことなのだからできて当然、できなかったら自分が悪い、みたいな世の中だ。「自分のことは自分で」、もちろんそうなのだけれど、そうじゃないことも「自分のこと」になっている気がするんだ。例えば、共働き世帯とか、ひとり親家庭とか、貧困問題とか。Twitterでちょっとその大変さを吐いてみたら一気に拡散、共感のコメントの中には「働きながら子育てをすることの大変さなんて産む前から分かりますよね?」とか「でも離婚は自分で決めたことですよね?」とかそういったコメントもあって、そこに共感するコメントもあったりして、うん、わかるよ、それもわかるんだけど、ともやもやが募って、結局なんでTwitterを開いたか忘れる。いや、そもそもTwitterを開くことにあまり目的なんて持ってない。本作品は、この”もやもや”の部分を掘り下げてくれたり、言葉にしてくれたりするので、問題の解決はしないけど、「だからもやもやしていたのか!」とそのもやもやの解決をしてくれる。 あと、「それってあなたの感想ですよね?」っていうこのセリフが悪い感じに流行っているのも、多様性の弊害のような気がしてる。この言葉を吐かれると、次の言葉を言えなくなる。それだけ強い言葉だ。あなたはあなたで、私は私、そこに「理解」なんて存在しない、くらいの強さがある。 だけど、こうも考えられる。 この言葉ってコミュニケーションを終わらせちゃう言葉なんだよね。だから、普段のコミュニケーションの中でこの言葉を発した相手はたぶん、「あ、この話もうしたくない」って思って自分を守りたいとか、「うわ、確かにそうだ」と相手に思わせて自分が会話の主導権を握りたいとか、あると思うんだよね。でも実はそこには、ほんの少しの「理解」が入る余地がある。「この話もうしたくない」っていうのは弱さの封印なんだろうし、会話の主導権を握りたいっていうのも強さの誇示、つまりは弱さの封印だ。だから、そこに耳を傾けることができれば、「理解」の幅は広がっていくと思うんだけどね。 まあ、わたしは仕事では幅を広げようと努力するけど、プライベートで一緒にご飯食べてる相手に「それってあなたの感想ですよね?」なんて言われたらおいしいご飯が一気にまずくなるしその場もしらけるから、あんまりその人と会いたくなくなるけど。実際会わなくなったし爆 えっと、何の話だっけ。 そうそう、多様性の弊害についての、個人的な感想でした。随分遠くまできてしまった。 だけど、もしかしたらこんな個人の感想も、誰かの代弁になっているかもしれない。そんな思いを込めて。

Posted by ブクログ