商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2021/08/03 |
JAN | 9784167917302 |
- 書籍
- 文庫
渦
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商品レビュー
3.9
31件のお客様レビュー
すごく読みやすいのに、すごく半二の気持ちがダイレクトに伝わってくる、不思議な本。虚が実を取り込む、まさにその渦に自分も巻き込まれたのだと思う。 人形浄瑠璃の知識はまったくなかったけど、この本を読んで一度見てみたいと思った。ただ、もうその時点で近松半ニの描いていた未来とは今は大き...
すごく読みやすいのに、すごく半二の気持ちがダイレクトに伝わってくる、不思議な本。虚が実を取り込む、まさにその渦に自分も巻き込まれたのだと思う。 人形浄瑠璃の知識はまったくなかったけど、この本を読んで一度見てみたいと思った。ただ、もうその時点で近松半ニの描いていた未来とは今は大きく違うんだろうなと考えると、すごく切ない気持ちになる。時代は変わるもので誰が悪いわけではないけど、言い表せない悲しみが胸に来る。 浄瑠璃の栄枯盛衰もさることながら、人の生と死も描かれているのが特徴的。そこにあったのに消えてしまった実感が、文章を通してひしひしと伝わるから、とてつもない喪失感にこちらも襲われる。 作り手ではないけど、言わんとしてることがすごくわかる部分もあった。不思議だけど自分にとっては興味深く魅力的で衝撃的な一冊だった。
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人形浄瑠璃の世界。 全く知らない芝居の世界を覗き見る面白さ。 芝居に夢中で生活もままならないような男たちが、演じたり、作ったり、見に通ったり。 生き生きとしていて、ワクワクする世界でした。 終盤、妹背山婦女庭訓の筋書きを描くシーン。歌舞伎芝居の作者である善平がきて、俄に動き始め...
人形浄瑠璃の世界。 全く知らない芝居の世界を覗き見る面白さ。 芝居に夢中で生活もままならないような男たちが、演じたり、作ったり、見に通ったり。 生き生きとしていて、ワクワクする世界でした。 終盤、妹背山婦女庭訓の筋書きを描くシーン。歌舞伎芝居の作者である善平がきて、俄に動き始める展開が良い。 みんなで興奮して言い合いながら、どんどん先に進んでいく感じ。まるでアクションシーンのようなスピード感で、痛快でした。
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歴史に興味がある人はもちろん、ない人でも十分に楽しめる。時代小説には分類されない程度の作風。 人形浄瑠璃(操浄瑠璃/文楽)に魅せられた近松半二という男の一生を描いた時代物語。舞台は江戸時代・大阪。 この世は狂言と表現する半二、どんな辛いことがあっても、それを面白がれる男である。人...
歴史に興味がある人はもちろん、ない人でも十分に楽しめる。時代小説には分類されない程度の作風。 人形浄瑠璃(操浄瑠璃/文楽)に魅せられた近松半二という男の一生を描いた時代物語。舞台は江戸時代・大阪。 この世は狂言と表現する半二、どんな辛いことがあっても、それを面白がれる男である。人生で浮かないときにも、一歩引いて楽しめる目を持てるのではないだろうか。 物語を描き上げていくということの熱量がひしひしと感じられる。それでいて軽快な語り口は読む手を離さない。一気に読め、引き込まれる作品。いつのまにか半二にとりつかれている、というより我々がとりついてしまっているんじゃないかと思うほどのめりこんだ。晩年を描く「三千世界」では息も絶え絶え。大変見事な小説だと思う。 物書きをするひと(どんなジャンルでも)にはぜひ読んで、のめりこむ驚きを味わってほしい。
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