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の商品レビュー

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29件のお客様レビュー

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2024/05/20

歴史に興味がある人はもちろん、ない人でも十分に楽しめる。時代小説には分類されない程度の作風。 人形浄瑠璃(操浄瑠璃/文楽)に魅せられた近松半二という男の一生を描いた時代物語。舞台は江戸時代・大阪。 この世は狂言と表現する半二、どんな辛いことがあっても、それを面白がれる男である。人...

歴史に興味がある人はもちろん、ない人でも十分に楽しめる。時代小説には分類されない程度の作風。 人形浄瑠璃(操浄瑠璃/文楽)に魅せられた近松半二という男の一生を描いた時代物語。舞台は江戸時代・大阪。 この世は狂言と表現する半二、どんな辛いことがあっても、それを面白がれる男である。人生で浮かないときにも、一歩引いて楽しめる目を持てるのではないだろうか。 物語を描き上げていくということの熱量がひしひしと感じられる。それでいて軽快な語り口は読む手を離さない。一気に読め、引き込まれる作品。いつのまにか半二にとりつかれている、というより我々がとりついてしまっているんじゃないかと思うほどのめりこんだ。晩年を描く「三千世界」では息も絶え絶え。大変見事な小説だと思う。 物書きをするひと(どんなジャンルでも)にはぜひ読んで、のめりこむ驚きを味わってほしい。

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2024/04/24

近松半二の生涯を書いた小説。 この本読むまで知らなかったです、半二さん。 何なら、近松門左衛門の愛弟子かな?と思っていたら それも違い、私淑して「近松半二」と名乗り始めたらしいことを知りました。 本書はほぼ関西弁で書かれています。義太夫の語り口調のような。 続編もあるようなの...

近松半二の生涯を書いた小説。 この本読むまで知らなかったです、半二さん。 何なら、近松門左衛門の愛弟子かな?と思っていたら それも違い、私淑して「近松半二」と名乗り始めたらしいことを知りました。 本書はほぼ関西弁で書かれています。義太夫の語り口調のような。 続編もあるようなので読んでみます!

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2024/03/13

江戸時代の大坂・道頓堀、浄瑠璃作家近松半二の物語 テンポの良い大阪弁で語られ、生き生きとした登場人物たちに江戸時代ということを忘れてしまいそうで、文楽を題材にした架空の人物のストーリーかと思っていたら、近松半二は実在の浄瑠璃作家だったと知り、驚きました。 物語を作り出す苦労。 ...

江戸時代の大坂・道頓堀、浄瑠璃作家近松半二の物語 テンポの良い大阪弁で語られ、生き生きとした登場人物たちに江戸時代ということを忘れてしまいそうで、文楽を題材にした架空の人物のストーリーかと思っていたら、近松半二は実在の浄瑠璃作家だったと知り、驚きました。 物語を作り出す苦労。 書いても舞台をヒットさせなければいけないプレッシャー。 読んでいるこちらの方までそのプレッシャーに苦しくなってしまうほどでした。 人形浄瑠璃といえば、今は文楽として知られていて、私も子供の頃大阪の国立文楽劇場に観に行ったことがありました。 薄暗さとリアルな人形と言葉が難しいイメージしかなくて‥。 でも、こうして今も続く文楽の、作品作りに生涯をかけ、人形浄瑠璃を愛した人たちの熱い思いを知り、改めて文楽を観に行ってみようと思います。

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2023/12/31

人形浄瑠璃は観たことがない。歌舞伎も現代風にアレンジされたもの以外、観たことがない。言葉が分からないと思ってるからかな。昔の話が分からないのではなくて、何を言ってるか言葉が分からないだろうから、、という先入観もあって観たことがない。 時は江戸時代、近松半二という人形浄瑠璃の作者の...

人形浄瑠璃は観たことがない。歌舞伎も現代風にアレンジされたもの以外、観たことがない。言葉が分からないと思ってるからかな。昔の話が分からないのではなくて、何を言ってるか言葉が分からないだろうから、、という先入観もあって観たことがない。 時は江戸時代、近松半二という人形浄瑠璃の作者の生涯を、関西に居ない人は意味が分かるかなぁと思ったくらい思いっきりの大阪弁で語られるスタイルで話は進んでいく。最初はなかなか話に入っていけなかったけど、後半からはものすごい熱量が押し寄せてきて、ぐるぐるぐるぐる、渦の中に飲まれていました。物語はどこから生まれてくるのか。ぐるぐるぐるぐる渦の中に全部全部ある。 これだけ人を熱狂させる人形浄瑠璃、分からないかもしれないけど、観てみたい。

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2023/12/23

人形浄瑠璃(文楽)作者、近松半二の人生が青年期、妹背山に向かう絶頂期、そしてピークを超えたあとの晩年が丁寧に描かれていた。幼い半二が芝居に魅せられる姿に自分を重ねながら読んだ。また、他で演じられた作品を別の作者が書き直して人形浄瑠璃や歌舞伎の演目になっていたことを知り、驚いた。“...

人形浄瑠璃(文楽)作者、近松半二の人生が青年期、妹背山に向かう絶頂期、そしてピークを超えたあとの晩年が丁寧に描かれていた。幼い半二が芝居に魅せられる姿に自分を重ねながら読んだ。また、他で演じられた作品を別の作者が書き直して人形浄瑠璃や歌舞伎の演目になっていたことを知り、驚いた。“盗作”ではなく“リスペクト”、“アレンジ”してより新しい世界を開く。そのムーブメントは「渦」のようだなあ、と思った

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2023/09/18

歌舞伎VS浄瑠璃という世界観が熱かった。人に人気が出てしまうのは今の時代にも通じるところがありそう。 芸に捧げ、人を楽しませることに命を燃やす人は本当にかっこいいと思った。 ただ、読むのは疲れた。

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2023/08/03

近松半二が実在する人物だと思わずに読んでいました。それほど会話が自然で他の登場人物との関係も面白かった。章ごとに父、幼なじみ、師匠、妻とどんどん関わっていく人が変わり、飽きません。 本題の浄瑠璃との関係も純粋で良い。今まで全く知らなかった文楽について触れることができて良かったです...

近松半二が実在する人物だと思わずに読んでいました。それほど会話が自然で他の登場人物との関係も面白かった。章ごとに父、幼なじみ、師匠、妻とどんどん関わっていく人が変わり、飽きません。 本題の浄瑠璃との関係も純粋で良い。今まで全く知らなかった文楽について触れることができて良かったです。

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2023/04/09

浄瑠璃に生きた近松半二。 器用に生きたという印象はなく、愚直に浄瑠璃に向き合っている一生懸命さが伝わる物語。 個人的には、半二を支えたお佐久の存在がとても魅力的。 メインで登場する人物ではなかったのにもっと知りたいと思わせる人物。女性としても人間としても見習いたい憧れに近い感情が...

浄瑠璃に生きた近松半二。 器用に生きたという印象はなく、愚直に浄瑠璃に向き合っている一生懸命さが伝わる物語。 個人的には、半二を支えたお佐久の存在がとても魅力的。 メインで登場する人物ではなかったのにもっと知りたいと思わせる人物。女性としても人間としても見習いたい憧れに近い感情が生まれました。

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2023/06/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019年上期直木賞受賞作。 江戸時代の大阪、人形浄瑠璃の作者・近松半二の人生を描いたエンターテイメント。 歌舞伎や能、狂言は、見たことがありますが、人形浄瑠璃はありません。 以前、母がもの凄い昔に見た時の話を聞いたことがあります。人形を操る人が見えなくなって、人形が生きているように見えるくらい、その世界に引き込まれた。と。 「妹背山婦女庭訓」は、そんな浄瑠璃だったのかもしれませんね。一度見てみたくなりました。

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2022/10/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2022/10/7 おんもしろい! 芸術家の業の話、大好物! 今回は人形浄瑠璃作家。歌舞伎作家もいるけど。 書かずにいられない人たち。 歌舞伎は役者のもの、人形浄瑠璃は作家のもの。なるほど。 もちろん人形を動かす人も大事、裏方も大事だけど。 今も映画は監督のものとか言うものね。 私、1回だけ文楽見たことあるんよね。 楽しめたし楽しめた私やるなと思った思い出。 私はフィクションを摂取してなんとか生きてる人間なので、フィクションを作り出す人は命の恩人です。 ありがとう。

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