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評伝 福田赳夫 戦後日本の繁栄と安定を求めて
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評伝 福田赳夫 戦後日本の繁栄と安定を求めて

井上正也(著者), 上西朗夫(著者), 長瀬要石(著者), 五百旗頭真(監修)

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評伝 福田赳夫 戦後日本の繁栄と安定を求めて

5,280

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2021/06/29
JAN 9784000245449

評伝 福田赳夫

¥5,280

商品レビュー

4.3

4件のお客様レビュー

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2025/01/05

福田赳夫に関する「初の本格評伝」と銘打った700頁近い大作。福田赳夫の生涯について、福田メモなどの資料を丹念に調査し描く。 福田の政治家としての功績は、佐藤栄作内閣以降の日本の経済財政政策を大蔵大臣や経済企画庁長官などの役職で常に担い続け、好況期、不況期における経済財政政策を誤る...

福田赳夫に関する「初の本格評伝」と銘打った700頁近い大作。福田赳夫の生涯について、福田メモなどの資料を丹念に調査し描く。 福田の政治家としての功績は、佐藤栄作内閣以降の日本の経済財政政策を大蔵大臣や経済企画庁長官などの役職で常に担い続け、好況期、不況期における経済財政政策を誤ることなく対処した。「山高ければ谷深し」を極意とし、池田勇人や田中角栄の急速な経済成長路線を批判し、安定と調和に基づく経済成長をモットーとした。 田中角栄や大平正芳に関する著作は多いが、福田赳夫に関する著作は少ない。福田目線の戦後政治史の不在の穴を埋めるような一冊である。

Posted by ブクログ

2023/10/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

角栄本が山ほど出てるのにこちらはさっぱりな福田赳夫。不人気が故にある程度質が保証されるのかもしれないが。 多くの読者は角福戦争を期待して読むのかもしれないが、内容は福田財政がどのようにして培われ、開花していったかがメイン。特に昭和40年の構造不況はオリンピック景気といざなぎ景気の谷間としてあまり語られない為、福田が「アンチ池田式所得倍増」の観点からどう最小限に被害を食い止めたかが描かれていて面白い。 生涯を通して均衡を保つことに腐心し、大局的な視点から物事を見据えた真のエリートの物語は読み応え抜群。 ただ政争面はやはり話が作りにくいのか、小説吉田学校の増補のような形に落ち着いてしまっているのが残念。福田家から預かった福田メモを一次資料に大きく割いている面がある以上どうしてもしょうがないが、政争面での福田赳夫に不都合に働く話は一切排除されていると言っていい。「大福密約は一次資料が存在しないからそんなものはない!いいな!」という論理立てはいくらなんでも乱暴すぎて笑ってしまった。一次資料が存在したらそもそも密約では無いのでは…?角福戦争(特に1978総裁選〜二階堂擁立構想)の部分だけ著しくレベルが落ちてるのは少し残念 政争の敗者ではなく、政策の勝者としての福田を知りたいのであれば是非お勧めしたい一冊。

Posted by ブクログ

2022/02/13

本人が残した膨大な未公開記録「福田メモ」をはじめとした実証的根拠に基づく福田赳夫元首相の本格的評伝。 田中角栄や大平正芳と比べ影が薄く、十分に評価もされてこなかったと思われる福田赳夫であるが、戦後の要所要所の経済・財政運営で優れた手腕を発揮し、外交でも「全方位平和外交」を掲げた国...

本人が残した膨大な未公開記録「福田メモ」をはじめとした実証的根拠に基づく福田赳夫元首相の本格的評伝。 田中角栄や大平正芳と比べ影が薄く、十分に評価もされてこなかったと思われる福田赳夫であるが、戦後の要所要所の経済・財政運営で優れた手腕を発揮し、外交でも「全方位平和外交」を掲げた国際協調主義者であったということが理解でき、福田こそまさに保守本流の傑出した政治家(ステーツマン)であり政策家であったと認識した。また、勝手なイメージで福田も田中角栄とともに昭和の金権政治や派閥全盛政治の一翼を担った存在だと思っていたが、それは誤解であり、福田は一貫して反金権政治・反派閥政治を掲げていたことを知った。本書の福田への評価はちょっと高すぎるような気はしたが、総じて、福田は、大局的な視野とバランス感覚が抜群な政治家であったと感じた。 福田が戦前に汪兆銘政権の財政顧問をしていたというエピソードなど、全然知らなかった歴史的事実を知ることができたのも知的に面白かった。

Posted by ブクログ

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