商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 吉川弘文館 |
発売年月日 | 2021/05/28 |
JAN | 9784642083980 |
- 書籍
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猫が歩いた近現代
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猫が歩いた近現代
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3.8
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<目次> 第1章 猫の「夜明け前」~前近代の猫のイメージ 第2章 近代猫イメージの誕生~猫が「主役」になるまで 第3章 国家が起こした「猫ブーム」~猫の三日天下 第4章 猫の地位向上と苦難~動物愛護と震災・戦争 第5章 猫の戦後復興と高度成長~猫の「ベビーブーム」 第6章 現代猫生活の成立~高度成長終焉以降 <内容> 真面目な猫の本。ブームに単に乗っかるだけでなく、新聞や雑誌などを隈なく見通した感じ。確かに昔は、「猫が鼠を捕る」という話が聞かれたが、今はない。今のように「座敷猫」も21世紀に入ってからの話なのだ。そういう意味で、今の猫は「地域猫」を含めて、幸せなのだね。
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日本の近代・現代における猫の歴史(=人間の猫に対するまなざし)の歴史を描く。 化け猫イメージなどによりどちらかというと嫌われ者だった明治以前から慢性的「猫ブーム」の現代に至るまでの近現代日本社会における猫と人間の関わりの変遷がよくわかった。 明治時代に生類憐みの令ばりのペスト対策...
日本の近代・現代における猫の歴史(=人間の猫に対するまなざし)の歴史を描く。 化け猫イメージなどによりどちらかというと嫌われ者だった明治以前から慢性的「猫ブーム」の現代に至るまでの近現代日本社会における猫と人間の関わりの変遷がよくわかった。 明治時代に生類憐みの令ばりのペスト対策のための猫の飼育奨励政策が行われていたということや、戦時・戦後の食糧難の頃は猫を食べる事例も散見されたこと、当初は動物愛護団体が猫の安楽死を推進していたこと、「猫はこたつで丸くなる」の真相、暖房器具の少なかった頃は猫が暖をとるために乳児を殺してしまう事件が散発していたことなど、これまで知らなかった興味深い事実もいろいろ知ることができ、猫好きの家族とのよい話のネタにもなった。
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猫は今でこそ、愛玩動物の代表として日本人の暮らしに寄り添う存在である。しかし、ほんの少し前までは化け猫や妖怪としての描き方が多く、決して可愛がられてきたわけではない。空前の猫ブームと言われるようになった現在まで、いかにその存在価値が変わってきたのか。 江戸時代は、猫は主に穀物や...
猫は今でこそ、愛玩動物の代表として日本人の暮らしに寄り添う存在である。しかし、ほんの少し前までは化け猫や妖怪としての描き方が多く、決して可愛がられてきたわけではない。空前の猫ブームと言われるようになった現在まで、いかにその存在価値が変わってきたのか。 江戸時代は、猫は主に穀物や蚕を狙う鼠退治の存在として、人々の生活のそばで暮らしていた。家族というよりは最も身近な野生動物として、その狩猟能力を評価されていたのだ。当然、避妊去勢などはされずに役に立たなければ捨てる・殺すといった習慣もあった。 戦後の食糧難の時代には、猫食いと呼ばれるような受難もたくさんあったようだ。人間の残飯やねこまんまのような塩分の多い食事は、猫にとっての栄養状態が悪いものであるため、猫は長らく短命の生き物であった。 風向きが変わったのは高度成長期、人々にとって家を購入することが人生の目標となった時代に、猫の存在は家庭の中に入り込んでいく。キャットフードが登場して栄養状態が著しく改善し、獣医師など医療環境も整備された。猫は10歳以上生きるようになった。 現代においては、猫の殺処分はやめろ、動物実験なんてとんでもない、避妊去勢して終生室内飼育するべきといった、大切な家族としての扱い方がスタンダードとなっている。この過保護ともいえる価値観は、さほど猫好きでもない人々との分断を引き起こすほど、社会においての猫の存在感は大きくなっている。
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