商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2021/05/26 |
| JAN | 9784065231036 |
- 書籍
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白医
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商品レビュー
4.1
32件のお客様レビュー
本書は、医師・神崎が三人の患者を「安楽死」させたとされる裁判から始まる。 偶然手に取った一冊だったが、非常に関心のあるテーマであり、強く引き込まれた。私は、現在の日本で安楽死に関する法整備が進んでいない現状にもどかしさを感じている。しかし、整備が難しい具体的な理由を十分には理解...
本書は、医師・神崎が三人の患者を「安楽死」させたとされる裁判から始まる。 偶然手に取った一冊だったが、非常に関心のあるテーマであり、強く引き込まれた。私は、現在の日本で安楽死に関する法整備が進んでいない現状にもどかしさを感じている。しかし、整備が難しい具体的な理由を十分には理解出来ていなかった。本書はその一端を明らかにしてくれた。 神崎の勤める天心病院はホスピスであり、患者の多くが終末期を迎えている。穏やかに過ごすための場所とはいえ、苦しみから完全に逃れることは出来ない。安楽死を望む患者も少なくないという。彼らが抱える「苦しみ」は、単なる身体の痛みだけにとどまらない。 「何も出来ないのに、なぜ生きているのか」「家族にこれ以上負担をかけたくない」といった精神的な苦しみが大きな割合を占めている。また苦しむのは患者本人だけではなく、家族も同様である。 現在の日本で実際に行える選択肢は、ターミナルセデーション(終末期鎮静)と呼ばれる方法だ。鎮静剤を投与し、眠ったまま静かに最期を迎えることを意味する。本人と家族の同意があれば可能だが、同意した家族、投与を行った医師や看護師が、その後罪悪感に苦しむという問題がある。安楽死とは区別された医療行為と位置付けられてはいても、現場の感情はそう割り切れない。また、法整備された死刑を執行する刑務官でさえ深い苦悩を抱えているという現実がある。 このような「第三者が人の命に直接関わる行為」に伴う重さこそが、安楽死の法整備が難しい理由のひとつなのだと痛感させられた。 判決後の神崎は、「救う」方法として、安楽死を“命を奪う行為”ではなく、“最期を安らかに過ごすための支援=安楽”だと捉え直したのではないか、と感じた。 それぞれが迎える終末期について深く考えさせられた一冊だった。
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苦痛がない最期だったら幸せだけど、それが叶えられるかどうかは誰にもわからない。それを手助けしようとするのも何かが違うんだろうな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一言で片付けることのできない言葉に「安楽死」がある。 苦痛を取り除く、気持ちを明るく持つ、普通の生活をする、楽しむ…医療はどこまで力があるのか 神崎医師のように全力で患者の苦痛に向き合ってくれる医師像を追い求めてもなかなか現実的には難しい これまで痛い思いや苦しむくらいなら絶対安楽死を選ぶ、なんて軽々しく口にしていた自分を悔やむ 医学の進歩と共に患者の最期に向けての対応を多方面から考えていくべきなんだろう
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