商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2021/05/19 |
JAN | 9784575244076 |
- 書籍
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いつかたどりつく空の下
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いつかたどりつく空の下
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商品レビュー
3.4
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前作『ランドルトの環』よりも、テーマが興味深く面白かった。 綾乃は心のどこかで死への憧れを抱きながら葬儀社で働く女性。綾乃の先輩である民代の潔い引き際、自らの死の受け入れ方が素敵だなと思った。日々、死に接するからこそ生を感じるというのは、病院で働いていた自分にも身に覚えがある。自...
前作『ランドルトの環』よりも、テーマが興味深く面白かった。 綾乃は心のどこかで死への憧れを抱きながら葬儀社で働く女性。綾乃の先輩である民代の潔い引き際、自らの死の受け入れ方が素敵だなと思った。日々、死に接するからこそ生を感じるというのは、病院で働いていた自分にも身に覚えがある。自分だったらこんな最期を迎えたいなとか、この方の人生はどんなだったのかななどと思いをはせながら、人生の終わりを迎える人をお世話していた。亡くなった方の安らかな表情に救われることもあるし、逆にどうしてこんなに苦しい思いをしなきゃいけないんだろうと感じることもある。人の最期の姿から学ぶことってとても多い。そういう経験のできる仕事というのも多くないしね。 感じるのは、人は生きるのではなくて生かされているということ。毎日生きていることが奇跡だということ。生かされている命を生ききることが人生だということ。綾乃も自分の命を生ききってほしい。
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読文 葬儀社で働く綾乃は、積極的ではないのものの「死にたい願望」がある。 そんな彼女が、仕事を通して死生観、人生観みたいなものを変えていく、そんな過程を描いた本。 生と死、此岸と彼岸、昼と夜 死は生と反対だから、さかさまを設定する、というのが腑に落ちた。 亡くなった父のこと...
読文 葬儀社で働く綾乃は、積極的ではないのものの「死にたい願望」がある。 そんな彼女が、仕事を通して死生観、人生観みたいなものを変えていく、そんな過程を描いた本。 生と死、此岸と彼岸、昼と夜 死は生と反対だから、さかさまを設定する、というのが腑に落ちた。 亡くなった父のことを思った。 印象に残ったのは「孤独の反対」 綾乃の答えは「まぼろし」。孤独がデフォルトであるから。 p33 私の答えはまったく見つからないんだわ。真っ先に、集団、とか、群衆とか、団らん、とか、いくつか思いついた言葉はあったけど、どれも、どうも何かが違う。かといって、安らぎ、とか、平和、とか言うのもむず痒い。 p212 頑張ってるつもりでも、わからないことってまだまだこんなにあるんだな、って初めて思いました。~でも、解けなくてもいい、解かなくてもいい問題も存在するのかもしれないって、この頃思うようになったんです。どんなことにも必ず正解があるとしても、今は別にすべてを知らなくていい。すぐには解かない方がいい問題だって世の中にはあるのかもしれない
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睦綾乃は葬儀社で働き6年になる。 ベテラン、川瀬民代に教えられることも多い。 ある時、彼女から「孤独の反対ってなんだと思う?」と訊かれる。 綾乃は考える。 自分のことは、煙のように消してしまいたいと思ってきた。 湯灌、納棺の仕事をしながら変わっていく綾乃の姿が 無理なく自然に描か...
睦綾乃は葬儀社で働き6年になる。 ベテラン、川瀬民代に教えられることも多い。 ある時、彼女から「孤独の反対ってなんだと思う?」と訊かれる。 綾乃は考える。 自分のことは、煙のように消してしまいたいと思ってきた。 湯灌、納棺の仕事をしながら変わっていく綾乃の姿が 無理なく自然に描かれている。 線香の煙を揺らすような優しい風がふわりと感じられるようで とても心地よい読書の時間だった。
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