商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2021/05/20 |
JAN | 9784087442434 |
- 書籍
- 文庫
鏡の背面
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商品レビュー
3.5
22件のお客様レビュー
登場人物の裏にある背景が緻密に記されており、ありえないほどの没入感があった。 「人格」とは脆いものなのかもしれないと学びになる一冊だった。
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長い。 やっぱり篠田節子は私にはまだ早いのかな。 火事の遺体が別人だった、誰なのか。という謎を、施設の女性と記者の女性2人で解き明かしていくという筋立てなんだけれども、少しずつヒントを得て、仮説を立てていく流れで、どこまでが確定なのか分かりにくくて(2人ともオカルトに流される似たようなキャラだし)、最後にひっくり返されるのか?と疑いが拭えないまま(結局どんでん返しは別にない)読んでて終わってしまったので、最初から、ミステリーではなく人間ドラマ(半田明美物語)の頭で読めばもっと面白いのではないかと思う。 あと、余談だけれど、筆者の年齢を考えれば若い女性よく書いてると思うけど、どことなく「年配の方が若い女性を理解して描いた」という感じがしていて、気になった真ん中世代です。 小説って、自分の等身大で書く一作が1番面白いのかもしれないね……。
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ある人物として長年過ごしてきた人が実は違う人だったということが判明し、その足跡を辿り来し方を紐解いてゆく…という、類型の1つといっても差し支えないパターンを踏みながら、そこはさすがの筆力でぐいっと読者を引っ張っていく。 "女性"を描くという点においては人後に落ちぬ著者であるが、今作においてもそれが遺憾なく発揮されている。 そしてこれは、同性である女性にしか書けない小説であろうとも、同時に思う。 また、アジアの猥雑な街をリアルに描写する技術もまた、多数の作品で感じられる著者一流のものであり、ひりつくようなマニラの熱気がぶわっと襲い掛かってくるようだ。 骨子たるプロットについては、読み手の予測の範疇を大きく超えるものではなく、良心の呵責に苛まれて改心するのと自我が崩壊して取り込まれてしまうのとでは、どう違うのだろう…? とすんなり腑に落ちず、結末に至る過程から瞠目させられるほどのカタルシスを得られなかったのは、ひとえに私の読解力不足か?
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