商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 立東舎 |
発売年月日 | 2021/04/16 |
JAN | 9784845636150 |
- 書籍
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魚服記
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魚服記
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商品レビュー
3.3
13件のお客様レビュー
おびのりさんの乙女祭りに影響されて、その中から一冊選んでみました ねこ助さんのイラストが本当に美しく、表紙の女の子に一目惚れして選んだ「魚服記」です 青森の山々の描写から始まる文章は読みやすく、ついスラスラと読み進めてしまう。 気がつくとラストにさしかかり、娘は水に飛び込...
おびのりさんの乙女祭りに影響されて、その中から一冊選んでみました ねこ助さんのイラストが本当に美しく、表紙の女の子に一目惚れして選んだ「魚服記」です 青森の山々の描写から始まる文章は読みやすく、ついスラスラと読み進めてしまう。 気がつくとラストにさしかかり、娘は水に飛び込み鮒になっていた…???? どーゆーこと? 大事なところを読み飛ばしたに違いない(ノ*0*)ノ もう一度丁寧に読み返す。 すると、父親と二人暮らしの娘スワが、子供から大人へと成長する姿が描かれていた。 水に飛び込むまでの吹雪の場面は、本当に辛く悲しい。 それにしても、十五歳の娘にとって山での貧しい暮らしは、想像するとゾッとするなぁ。 おそらく話し相手は父親しかおらず、希望のない生活。 スワが父親に問う 「おめえ、なにしに生きでるば」 ──「判らねじゃ」 「くたばった方あ、いいんだに」 この場面のイラスト、スワの表情が印象的だった。
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太宰治文学忌、桜桃忌 遺体の発見された日を文学忌としている 1933年 太宰治24歳の作品 15歳の少女 父親と山間で暮らす 植物採集に来ていた学生が滝に落ちて亡くなる 少女はその様子を見る ここに恋があるのかな? 父親から少年が滝に落ちて大蛇になってしまう昔話を聞く 少女...
太宰治文学忌、桜桃忌 遺体の発見された日を文学忌としている 1933年 太宰治24歳の作品 15歳の少女 父親と山間で暮らす 植物採集に来ていた学生が滝に落ちて亡くなる 少女はその様子を見る ここに恋があるのかな? 父親から少年が滝に落ちて大蛇になってしまう昔話を聞く 少女がゆるやかに成長していく様子が垣間見れる 成長と共に 従順だった少女の反抗 少女は山に生まれた鬼子という 父親と血の繋がりがあるのか どちらにしても父親の罪 父親の裏切りから滝壺への投身自殺 彼女はフナになり 解放される 絵はネコ助さん 可愛くも哀しげで 色彩も良い できれば文字は黒で読みたいかな
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津軽あたりの山奥の谷脇で、炭を作る父と客に駄菓子を売る少女スワ。 駄菓子も売れず、学校にも行かないで、本当に暇なのだろう。貧困が希望を奪うとは、この通り。毎日大してやることもなく、ただ無駄に時が流れていくだけのスワのような生活は、確かに生きる気力を削がれてしまいそうだ。 もう、つ...
津軽あたりの山奥の谷脇で、炭を作る父と客に駄菓子を売る少女スワ。 駄菓子も売れず、学校にも行かないで、本当に暇なのだろう。貧困が希望を奪うとは、この通り。毎日大してやることもなく、ただ無駄に時が流れていくだけのスワのような生活は、確かに生きる気力を削がれてしまいそうだ。 もう、つまらなすぎたのだろう。谷に飛び込んで、大蛇になれたかと思ったら、ただの鮒だった、というのも、父に漏らした「おめえ、なにしに生きでるば」「くたばった方あ、いいんだに」という言葉が示す通り、自分なんて全然大したことないんだという思いが実現してしまったようで、とても悲しい。 こんな一人ぼっちの所にいないで、町におりてみればよかったのに…。人との交流がなすぎても、人はダメになる。ちょうどよい刺激が必要なのだなぁと思った。 ずっと霞の中にいるような、幻想的で、冷ややかで涼しくて、谷の水飛沫をずっと浴びているようなウェットな感じが切なさを増幅させる。ねこ助のイラストがそれをよく描いていた。 貧困と暇は人を破壊する。目標や目的がないと、モチベーションが生まれないと、人はまともに生きてゆけないのだなと感じた。
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