商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 左右社 |
発売年月日 | 2021/04/19 |
JAN | 9784865280241 |
- 書籍
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水中で口笛
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水中で口笛
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商品レビュー
4.2
18件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
積んでた歌集、やっと読めたー。 歌集の感想として楽しかったというのは変なのかな。 それでもやっぱり、楽しかった~! のびのびと自由で、可愛らしく素直で、時に無邪気に、時に切なく、時に艶っぽくて。 帯に「読み心地を例えるなら、ジェットコースターより銀河鉄道です」との文言があったけど、本当にそんな感じだった。 この歌集、大好きだ。 幾つかの歌をご紹介。 (たまらず私の勝手な解釈も添えて) 「夕暮れを先に喩えたひとが負けなのに負けたいひとばかりいる」 勝ち負けにしちゃってるところが青春だな~って。 ○○した方が負けね♪って発想は、若くないと出来ない気がする。 どんな喩えにも及ばないほど美しい夕暮れだったんだろうな。 それでもみんなが口々に言葉にしてしまうほどに。 「ガーベラもダリアも花と呼ぶきみがコスモスだけはコスモスと呼ぶ」 “きみ”にとってコスモスの花には思い出があるんだろうか? それとも、コスモスだけは覚えやすかっただけ? こんな些細な事に気付いてしまうほど、“きみ”の事が気になるんだろうな。 「まっさきに夏野原きて投げキッスの飛距離を伸ばす練習をする」 これ、可愛い。 それに爽やか。 まっさきに走って来たんだろうな。 「死はずっと遠くわたしはマヨネーズが星形に出る国に生まれた」 平和な国だからこそ、星形に出そうなんて発想が浮かぶもの。 こんなところから程遠い国も沢山ある。 シビアな歌なのにどこかファンタジックに感じてしまうのは“星形”という言葉のパワーかしら。 「ほにほにと訛るわたしを東京のあなたは「かわいい呪文」と笑う」 かわいい呪文と表現した“あなた”って、素敵な人だなぁ。 「手羽先を拳銃としてわたくしはあなたの不幸を奪う強盗」 お茶目な中にも、“あなた”への深い優しさや愛を感じる。 こういう表現、たまらんな~。 「いちご縦に切った断面ぬれていてちいさな炎の模様 せつない」 これもまたたまらない。 どう閉じるのかと思ったら、“せつない”ですって! くぅ~っ。 思い描いたこちらも、いちごの断面を見る度に切なく感じてしまいそう。 「まっすぐに歩ける蟹のものまねできみがこちらへまっすぐに来る」 笑った。 “きみ”がとってもキモ可愛い。 「中指とひとさし指を歩かせて背骨を山の名前で呼んだ」 これ、色っぽいしドキリとさせられたんだけど、この解釈で合ってるのかな。。。 貴方の裸の背中を中指とひとさし指でトコトコトコ…。 そういう深い間柄なのに、「○○さん」って名字で呼んだってことかしら。 「またいつか狂うのかもね押し花になっていらない栞の四つ葉」 どう読み込んだらいいのだろう…と思いながらドキリともする。 狂っていた頃もある恋愛の歌? それも、四ツ葉のクローバーの栞はもういらないと言う。 いらないといいながらも、“またいつか狂う”かもねって、ちょっと怖い。 仲がこじれちゃってるんだろうか。 はぁ...どれもこれもたまんないな~。 ご紹介させて頂きたい歌ばかりでキリがない。 沢山の短歌を並べてしてしまってゴメンナサイ 汗
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ひとつひとつじっくりと、と言うよりは、サクサクと読み進めていたら、たまにドキリとするのに出会って立ち止まる、みたいなのの繰り返し
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工藤さんの編み出す短歌からは、言葉の力をずんと感じる。クスッと笑ってしまうものもあれば、懐かしい景色が目に浮かぶものもあり。 あとがきを読んで、やはりこの方の文章が好きなのだと自覚した。 以下、特に好きだった歌。 死はずっと遠くわたしはマヨネーズが星形に出る国に生まれた 工藤...
工藤さんの編み出す短歌からは、言葉の力をずんと感じる。クスッと笑ってしまうものもあれば、懐かしい景色が目に浮かぶものもあり。 あとがきを読んで、やはりこの方の文章が好きなのだと自覚した。 以下、特に好きだった歌。 死はずっと遠くわたしはマヨネーズが星形に出る国に生まれた 工藤家の長女 はらぺこあおむしでいちばん好きなページはサラミ ほにほにと訛るわたしを東京のあなたは「かわいい呪文」と笑う 手羽先を拳銃としてわたくしはあなたの不幸を奪う強盗 教科書の隅の63までも寒波に背中丸めています やわらかに四月の雲を膨らますこの口笛はみずいろの糸
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