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「利他」とは何か 集英社新書1058C
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 集英社 |
| 発売年月日 | 2021/03/17 |
| JAN | 9784087211580 |
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「利他」とは何か
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「利他」とは何か
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利他に関する論考集。 第一章の伊藤亜紗氏は、合理的利他主義や効果的利他主義といった利他についてのトレンドを概観し、その根底には利他の効果の数値化があること、数値化により漏れてしまったり失われてしまったりすることがあると説く。利他の効果を数値化することは、自らの利他的行為が相手に与...
利他に関する論考集。 第一章の伊藤亜紗氏は、合理的利他主義や効果的利他主義といった利他についてのトレンドを概観し、その根底には利他の効果の数値化があること、数値化により漏れてしまったり失われてしまったりすることがあると説く。利他の効果を数値化することは、自らの利他的行為が相手に与える影響を規定することに繋がり、押しつけや他者の支配に繋がる。そうではなく、予測不可能性を受け入れること。予想外の他者の反応によって、自らの方が変わること。これを「うつわ的利他」と表現しているが、相手を享けることのできる利他が、良き利他ではないかと述べている。 第二章では、中島岳志氏が、贈与論から利他を考察している。贈与は暗黙に返礼を要求しがちであり、古来より相手の支配や権力に繋がってきた。利己的でない利他をするためには、返礼を前提とせず、しかし「不確かな未来」による結果論的な間接的互酬性によって、良いことが返ってくることが望ましい。 インドで助けられたときに、ありがとうと言ったらかえって嫌がられたというのは、最近読んだ『ヘタレ人類学者、沙漠をゆく』にも繋がっていて、面白かった。 第三章以降は、民藝・中動態や意思と責任・小説史について論じられる。…が、利他という本書のテーマから見ると、寄せ集め感、取ってつけた感があるというのが正直なところ。「はじめに」で、5名の著者が共同研究しており、単なる論考集ではないと説明されるが、やや無理がある印象。 個人的には第四章の中動態の話は、その考え方のよい導入となったので興味深く読んだ。他の章も、読む価値が無いとは思わない。ただ、本書のテーマからは、やはり乖離がある内容だったとは思う。 なぜ利他が必要なのか、という点をもう一度考えてみたいというのが読後の印象。利他の必要性も、個人と、社会システムなどとでは異なるだろう。「必要」という考え方そのものが、利他とはそぐわないような気もする。 第一章で紹介された効果的利他主義は、共感を排除するという。共感ベースだと、身近な人や見えてる人以外への支援ができなくなってしまうからだという。一面では理解できると思う一方で、それは利他というより政治の領域なのでは?とも思った。政治に期待できないからそういうことになっているのかもしれないけど、でも、寄付や社会貢献的な文脈で利他を語るなら、政治や行政の働きとの区別については気になった。
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151.5イトウ 競い合うのではなく、他者のために生きる 「利他的」な意識、行動について、分野、背景の異なる研究者がそれぞれの視点から論じた本です。 近年の主要な動向を整理しつつそこに潜む問題も指摘する。 大学入試で使われることが多い。2024埼玉大学 経済学部 経済(昼)後期...
151.5イトウ 競い合うのではなく、他者のために生きる 「利他的」な意識、行動について、分野、背景の異なる研究者がそれぞれの視点から論じた本です。 近年の主要な動向を整理しつつそこに潜む問題も指摘する。 大学入試で使われることが多い。2024埼玉大学 経済学部 経済(昼)後期 2023岩手県立大学 社会福祉学部 社会福祉学科 人間福祉学科 前期 2022愛媛県立医療技術大学 保健科学部 看護学科 臨床検査学科 前期 2022高知県立大学 文化学部 文化学科 言語文科系/地域文化創造系 前期
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「贈与」や「利他」がタイトルに含まれる本が増えていますね。 現代に生きる私たちは、交換や利己によっぽど疲れているのでしょうか。 ただ「贈与」や「利他」に漂う胡散臭さがあるのも事実。 結局人間は純粋に利他的には生きられないのではないか。 最近、私の考えていたことです。 こ...
「贈与」や「利他」がタイトルに含まれる本が増えていますね。 現代に生きる私たちは、交換や利己によっぽど疲れているのでしょうか。 ただ「贈与」や「利他」に漂う胡散臭さがあるのも事実。 結局人間は純粋に利他的には生きられないのではないか。 最近、私の考えていたことです。 この本を読んで、その考えは合っていると感じるとともに、 利他は意図せずしっかりと存在することも実感できました。 それは自分という器を誠実に生きるということ。 自分が全力になれることを全力でやることが、人類の歴史や系譜に奉仕することになるという作家・磯﨑憲一郎さんの言葉は、私たちの迷いを幾分和らげてくれるのではないでしょうか。 利他を考える前に、自分の器を磨き信じることが大切だなと感じ、今日も私は本を読むのでした。
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