![架空の犬と嘘をつく猫 中公文庫](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/001957/0019571401LL.jpg)
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2020/12/23 |
JAN | 9784122070066 |
- 書籍
- 文庫
架空の犬と嘘をつく猫
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架空の犬と嘘をつく猫
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商品レビュー
3.9
50件のお客様レビュー
つらいことがあると犬を撫でました。現実にはいない、架空の犬です。犬を飼えるような家ではありませんでした。もう少し大きくなってからは本をよく読みました。空想上の犬も、物語も、僕の大切な友達でした。 主人公である山吹の書いた小説が出版されることになる。その刊行記念として書かれ...
つらいことがあると犬を撫でました。現実にはいない、架空の犬です。犬を飼えるような家ではありませんでした。もう少し大きくなってからは本をよく読みました。空想上の犬も、物語も、僕の大切な友達でした。 主人公である山吹の書いた小説が出版されることになる。その刊行記念として書かれたエッセイ『架空の犬』 現実にはないなにかを心の拠りどころと生きることはむなしいことでしょうか。でも現実にはなくても、心の中には確かに「ある」、それは「確かにそこにある」ということなのです。 町に遊園地を作る等、夢のようなことばかり言う祖父。愛人のもとに通う父。亡くなった子どもが生きているかのように振る舞う母。その子どもを装って、母に手紙を書く山吹。現実から目をそむけながら、それぞれが何とか生きていくためのさまざまな嘘。 「犬」という存在は私にとって、かなり特別なものだ。幼いころから一緒にいた犬たちの、ちょっとした表情やしぐさ、撫でているときの体温がいつも自分の中にある。 友だちの亜美ちゃんのところの犬を「現実に」迎えることになる山吹。現実に感じることのできる体温が、山吹をたくさん助けてくれることになるだろう、と思った。
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私も親と折り合いが悪かったので、なんともいえない気持ちで読んだ。 自分自身がアラフィフになって改めて感じることは、親だからって皆んなが大人ではないということ。母親は動物的本能で子供を無条件に愛するというのも、都市伝説・おとぎ話の類いだと思っている。 自分の親が世間一般の親と違うと...
私も親と折り合いが悪かったので、なんともいえない気持ちで読んだ。 自分自身がアラフィフになって改めて感じることは、親だからって皆んなが大人ではないということ。母親は動物的本能で子供を無条件に愛するというのも、都市伝説・おとぎ話の類いだと思っている。 自分の親が世間一般の親と違うと感じても、子供としてはなかなかそれを認めたくないし、自分も他の子供のように愛されてると思いたいもの。でもどんなにジタバタしても事実は事実で、成長して現実を受け止められるようになっていくまでもがくことは仕方のないことだと思う。 とはいえ、実際には飼うことのできない妄想の犬を撫でることで寂しい現実をやりすごす子供のことを考えると、本当に切なく、胸が痛くなった。 苦しい子供時代を生き抜いた子供たちと、頑張ったねとハグを交わしたい。
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著者、寺地はるなさん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 ---引用開始 寺地 はるな(てらち はるな、1977年 - )は、日本の小説家。 ---引用終了 で、本作は2017年刊行の作品なので、著者が40歳位の時に書かれた作品になりま...
著者、寺地はるなさん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 ---引用開始 寺地 はるな(てらち はるな、1977年 - )は、日本の小説家。 ---引用終了 で、本作は2017年刊行の作品なので、著者が40歳位の時に書かれた作品になります。 その内容は、次のとおり。 ---引用開始 空想の世界に生きる母、愛人の元に逃げる父、その全てに反発する姉・紅(べに)、そして思い付きで動く適当な祖父と比較的まともな祖母。そんな家の長男として生まれた山吹(やまぶき)は、幼い頃から皆に合わせて成長してきた。だけど大人になり彼らの“嘘”がほどかれたとき、本当の家族の姿が見えてきてー?破綻した嘘をつき続けた家族の、とある素敵な物語! ---引用終了 本作の書き出しは、次のとおり。 ---引用開始 この家にはまともな大人がひとりもいない、というのが姉の言いぶんで、山吹もなかばそれに同意する。まともな大人はいないけれども「僕はまだ八歳だから」と山吹は思っている。まだ八歳だから、その大人たちに頼るしかない。「あの人たちはあてにならん、わたしたちがしっかりせんと」と主張する姉の紅とて先月十一歳になったばかりなのだ。 ---引用終了
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