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ホテル・ネヴァーシンク ハヤカワ・ミステリ
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ホテル・ネヴァーシンク ハヤカワ・ミステリ

アダム・オファロン・プライス(著者), 青木純子(訳者)

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ホテル・ネヴァーシンク ハヤカワ・ミステリ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2020/12/03
JAN 9784150019624

ホテル・ネヴァーシンク

¥2,090

商品レビュー

3.6

15件のお客様レビュー

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2023/03/10

ミステリーが物語の底を流れる ホテルとその所有者たち家族の年代記。 autumn522aki さんの熱いレビューに またまた、背中を押されました。 ホテル・ネヴァーシンクは、 元々は実業家が建てた邸宅。 実業家には夢がありました。 「家を子どもたちでいっぱいにしたい」 おそらく...

ミステリーが物語の底を流れる ホテルとその所有者たち家族の年代記。 autumn522aki さんの熱いレビューに またまた、背中を押されました。 ホテル・ネヴァーシンクは、 元々は実業家が建てた邸宅。 実業家には夢がありました。 「家を子どもたちでいっぱいにしたい」 おそらく彼には子供ができないまま 執念をもって建てられたこの館。 地上四階と半地下を備え 93もの部屋を有していたとのこと。 実業家亡き後、この屋敷を落札したのが ユダヤ人のアッシャー・シコルスキー。 「ホテル・ネヴァーシンク」として営業を始めます。 ホテルは大人気で、事業は成功。 そして、元々の所有者が夢に見た 「子どもたちが溢れる」場所に。 ところがある時、事件が起こります。 宿泊客の8歳の少年が忽然と姿を消したのです。 そして、その後もたびたび子どもが失踪。 謎が深まる中、転機となる事件が起こります。 アッシャー・シコルスキーのひ孫の失踪。 この事件がきっかけとなって 消えた子どもたちの謎が解かれることになります。 この物語には、ミステリー必須の探偵や警察は登場しません。 ホテル専属の探偵や地元の警察は出てくるのですが 彼らが事件を解決するという筋書きではないのです。 1章から14章まで ホテル創業者ゆかりの人物が一人ずつ 自分の人生を語ります。 彼らの語りこそがホテルの歴史であり、 謎のヒントでもあります。 最終章の15章では 何代にもわたる様々な人物が交差し 謎の解明に光が差し込みます。 そして「エンディング」。 80年以上に亘るホテルの歴史がつまびらかになります。 四世代にわたって語られる様々なドラマ。 akiさんがコメントの中で、 “文学作品のよう”と表現されていたのに納得しました。 もしかしたら、ホテルそのものが この作品を書いたのかもしれない。 そんな不思議な気持ちになる作品でした。 例えばこんな風に。 子どもたちの笑顔でいっぱいの屋敷。 私はそんな願いを込めて建てられました。 私の二番目の所有者はユダヤ人。 彼が私をホテルとして活用し、願いが叶いました。 ところが、ある時を境に 私は辛い時期をすごすことになりました。 度々子どもたちが消えていったのです。 そして皮肉なことに、謎の奥深くにあったものは 子どもへの愛だったのです。 遊びすぎちゃったかなぁ?

Posted by ブクログ

2023/02/24

★5 決して沈まない豪華絢爛な〈ホテル・ネバーシンク〉世代を重ねた未来には #ホテル・ネバーシンク ■あらすじ 1930年代から現代まで、三代にわたって家族経営を続ける〈ホテル・ネバーシンク〉。絢爛豪華で巨大なそのホテルは、街のシンボルとなっていた。 しかしある時、ホテルで宿...

★5 決して沈まない豪華絢爛な〈ホテル・ネバーシンク〉世代を重ねた未来には #ホテル・ネバーシンク ■あらすじ 1930年代から現代まで、三代にわたって家族経営を続ける〈ホテル・ネバーシンク〉。絢爛豪華で巨大なそのホテルは、街のシンボルとなっていた。 しかしある時、ホテルで宿泊していた子どもが行方不明になってしまう。その後も周囲では子どもが消えてしまう事件が発生するようになり、徐々に経営の斜陽化が進み始める。決して沈まないという意味の名前をもつホテルの行方はどうなるのか、そして事件の真相は… ■きっと読みたくなるレビュー 面白い★5 舞台設定、話の構成が超絶素晴らしい! 1930年代から2010年代まで、豪華で煌びやかなホテルを中心に話が展開されていきます。各章、年代ごとに少しずつ物語が進行しますが、語り手が毎回変わっていき、様々な目線と価値観で描かれていく群像劇。 もちろん年代が進んでいくので、登場人物たちも年齢を重ねていく。ある年代の語り手は少年時代でも、次の語り手になったときにはホテルで働いていたりする。 そう、登場人物の一生が描写されると同時に、〈ホテル・ネバーシンク〉の一生も見届けていくことになるのです。 まるで建物であるホテル自体が生き物のように時には笑い、泣き、苦しんでいることが伝わってくる。こんな刺激的なミステリーは他にないよ。 そして様々な立場の登場人物たちが魅力的すぎるんです。 ホテルの経営者、経営者を継ぐ者、離れていく者、嫌う者、バーテンダー、掃除係、ホテル付き探偵などなど。 それぞれの立場、価値観、向き合い方でホテルについて語られていく。まるで短編集を読んでいるかの如く小気味よく綴られ、時には楽しく、時には切なく、どんどん読み進められます。 特にホテルの後継者レンと妻のレイチェルの二人のやり取りは、読み応えたっぷり。熱い出会いから結婚、そして経年による関係性や価値観の変化が半端なくエグい。 そして子どもたちが行方不明になった真相… 最終盤の展開は、これまで読んできた経営者とホテルの嘆きを聞かされたようで、私は涙が止まりませんでした。 ■推しポイント 母が他界、父が高齢になったため、施設に入居をすることになりました。 そのため築45年の一戸建ての実家はもう不要となり、経済合理性を鑑みて、処分をすることになったのです。先日、片付け業者に依頼して家財道具をすべて搬出、家の中はすっかり空っぽになりました。 私が幼児の頃から育った、思い出がいっぱいの家。 家財も、日用品も、衣服も、本も、ゴミすらも何もなくなった家。 家が一生を終えていく… 決して沈まない家や、老いを重ねない人間なんて存在しません。残酷だけど時間は平等に経過していくのです。 願わくば、この住まいと家族の魂を解き放って、次に建てられる家、新しい家族に、明るい未来と溢れる希望を与えて欲しい。 いままで楽しい時間と住まいを与えてくれたことに、ありがとうと伝えました。

Posted by ブクログ

2023/02/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本初上陸の作家、アダム・オファロン・プライス。訳がケイト・モートン「湖畔荘」等の青木純子さんということもあって手に取りました。 ニューヨーク近郊の山中に建つホテル・ネヴァーシンク。ホテルの関係者の視点で1950年から2010年代まで、ネヴァーシンク(不沈)の興隆から荒廃までを描いた作品。 1950年台に子供が行方不明となり、どうやらその後もホテル周辺で度々子供が行方不明になる、みたいなのだが、その辺りは深く描かれない。ミステリ色は弱め。 ある章の中心だったホテル関係者のことが、別の人物の視点の章でも描かれており、あの後、こういう人生を歩んだんだなぁとわかる仕掛け。何人か繰り返し中心となるため総勢10名ほどの視点か。 最後に犯人はわかるのだが、おまけというか、メインはそこではなく。ホテルの凋落、お祭りの後やパーティーの後のような侘しさが描かれた作品。 良かった。 ちょっと久しぶりにポケミスに手を出してしまいました笑(待ってても文庫落ちしない作品も多いので。。。)

Posted by ブクログ

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