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〈責任〉の生成
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〈責任〉の生成
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商品レビュー
4.4
36件のお客様レビュー
今年ベスト3かも 「中動態」が議論を貫くキーワードとして頻出しており、我々の言葉づかいにある「責任」や「使用」を再考する要素として関わってくる。 主語(主体)が動詞(行為)の過程の内にあるか外にあるかで考えるというのは色々なケースで活用できそう。 「ひとことでいうと、能動態と中...
今年ベスト3かも 「中動態」が議論を貫くキーワードとして頻出しており、我々の言葉づかいにある「責任」や「使用」を再考する要素として関わってくる。 主語(主体)が動詞(行為)の過程の内にあるか外にあるかで考えるというのは色々なケースで活用できそう。 「ひとことでいうと、能動態と中動態の対立においては、「する」か「される」かではなくて、「内」か「外」かが問題になっているということです。主語が動詞によって名指される過程の内部にあるときには中動態が用いられ、その過程が主語の外で終わるときには能動態が用いられた。」(pp.97-98)
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人が「責任」を引き受けるとはどういうことかを丁寧に考えていった本。 國分さんの「中動態」と熊谷さんの「当事者研究」この2つの分野が重なるときに「責任」について明らかになっていく様はお見事でした。 対話形式で書かれているので読みやすいが、簡単に読み進められない深さ。 自分の生きづら...
人が「責任」を引き受けるとはどういうことかを丁寧に考えていった本。 國分さんの「中動態」と熊谷さんの「当事者研究」この2つの分野が重なるときに「責任」について明らかになっていく様はお見事でした。 対話形式で書かれているので読みやすいが、簡単に読み進められない深さ。 自分の生きづらさに引きつけてこれを読むことで、何かの解決のヒントとなることが多そうだと思う。
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我々は受動と能動という言葉を日常的に利用する。しかし、インド=ヨーロッパ語の歴史を遡ると元々対立していたのは能動態と中動態であった。 自由主義の現代においては、個人の責任を追求すべき場面に根拠として意志が活用される。 意思によって行為を主体に所属させることができる(行為が私的所...
我々は受動と能動という言葉を日常的に利用する。しかし、インド=ヨーロッパ語の歴史を遡ると元々対立していたのは能動態と中動態であった。 自由主義の現代においては、個人の責任を追求すべき場面に根拠として意志が活用される。 意思によって行為を主体に所属させることができる(行為が私的所有物となる)。これによって、ただ何となく行われた「行為」が「選択されたもの」と結びつく。 しかし本来責任ははこうして押し付けられるものではない。人々は自らの行動と過去を顧み、それに「自ら」応答することで「責任あるものへとなる(becoming)」からだ。(responsibility=response) ↓ その意味で中動態は大切だ。 中動態は意思を極端に個人に押し付けない。中動態とは、主語が物事が起こる場所になることを表す。そこで初めて行動が自分自身と一体化し、その行動の原理を自ら省みることができるようになる。 •予測誤差 人は真新しい経験/予期せぬ経験(一回性)のものを記憶に蓄積することで予測を洗練し、予測誤差による痛みを避けている。→その意味で我々は日常生活の斬新さを無意識のうちに失っている。【図式化=想像力の欠如】 ↓ 一回性の記憶は、自己の中で一回限りのものであったとしても、類似したエピソードを経験している他者を媒介に反復させることでトラウマ的記憶ではなくなる。【集合的な記憶の中に自分の記憶が位置づけられた時】に、通常の記憶として処理することが可能となる。 +人はトラウマを何らかの形で物語化したり、パターン化して意味を与えることで何とか痛みに耐えて生きている。 私自身受動能動という言葉を安易に使うが、こうしてロジカルに言葉の意味を紐解いていくのも面白いなと思った。
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