商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 徳間書店 |
発売年月日 | 2020/11/06 |
JAN | 9784198945817 |
- 書籍
- 文庫
風の渓
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風の渓
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商品レビュー
3.7
8件のお客様レビュー
<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの6冊目。 この前に読んだ「異形の山」の感想の最後に『夏実と静奈が表彰される大活躍をした事件はどの巻かな?』と書いたけど、この巻でした。 山ガールとして人気のアイドルを追いかけて北岳にやって来たネットハッカーと、DVの父親と子育て放棄の母親...
<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの6冊目。 この前に読んだ「異形の山」の感想の最後に『夏実と静奈が表彰される大活躍をした事件はどの巻かな?』と書いたけど、この巻でした。 山ガールとして人気のアイドルを追いかけて北岳にやって来たネットハッカーと、DVの父親と子育て放棄の母親から引き剥がされて両俣小屋に預けられた少年。今回は夏の終わりの北岳で二つの話が並行して描かれる。 それぞれ引きこもりの生活を送っていた二人は話が終わる時には大きく道を違えることになるが、そこには、作中『この国の人間はどんどん“劣化”が進んでいると思う』と語る作者の憤りと、一方でそうした社会の中でも前向きな心を持つ人たちに対する信頼の気持ちが託されているように思える。 いつも変わらずそれぞれの持ち場で活躍する救助隊メンバーやヘリ乗員に山小屋の人々だが、少年を殺害しようとするやくざ者と対峙する静奈とともに、今回は凶行のハッカーを追う夏実にも見せ場たっぷり。 メイが熊を追っ払うくらいであまり犬たちの見せ場がないのはちょっと残念。
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<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズ。 今回は二つの物語が同時進行していく。 一つは両親からの虐待ですっかり心を閉ざしている少年・悠人の話。 唯一彼を気にかけている伯母に連れられて南アルプスにやって来た縁で、一時的に両俣小屋に預けられることになった悠人。一日中ゲームをしてい...
<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズ。 今回は二つの物語が同時進行していく。 一つは両親からの虐待ですっかり心を閉ざしている少年・悠人の話。 唯一彼を気にかけている伯母に連れられて南アルプスにやって来た縁で、一時的に両俣小屋に預けられることになった悠人。一日中ゲームをしているだけだったのだが、釣りをきっかけに小屋の管理人・加賀美叔子始めアルバイトスタッフたちとも心を通わせるようになっていく。 だが悠人の父親の会社が破産し、ヤクザとつながりのある父親は悠人にとんでもない危害を加えようとしている。 もう一つはハッカー・桜井和馬の話。 表向きは引きこもり、だが実はハッキングで多額の金を稼いでいた彼だが、ついにその犯罪がばれてしまう。 警察に追われ焦るあまりに刑事をナイフで刺してしまった和馬は、憧れのアイドルで今は山ガールとして売り出している安西友梨香が撮影をしている南アルプスへ向かう。 ここまででページの半分が終了。ずいぶん長い前置きだったが、二つの危機が同時に南アルプスへ集結したところからは樋口さんお得意の怒涛の展開だ。 今回はシリーズ作品では初めてだと思うが、ツキノワグマが二度も出てくる。 一度目は両俣小屋の管理人・加賀美叔子を襲い、二度目は物語の終盤で登場。二度目は果敢にボーダーコリーのメイが応戦する。小さなメイではどうにもならないのではと思うが、なんと勇敢なことか。 当たり前のことだが、このシリーズを読んでいると自然はただ美しいだけではないことを思い知らされる。 そして深町が大変なことになってハラハラした。まだ夏実との関係も進んでいないのに、まさかここで退場はないだろうと思いつつも心配しながら読み進めた。 だがそのことがあってかどうなのか、夏実が深町のことを人から『恋人』と言われても否定しないあたり、彼女の中で心境の変化があったのか。それとも実は知らないうちに関係が進んでいたのか。 もう一つ、静奈が今回も格好良く敵をバッタバッタとなぎ倒していくのも見せ場で良かったが、肩の小屋の管理人・小林も両俣小屋の管理人・加賀美叔子も頼もしかった。 特に叔子は携帯はもちろん、無線も肩の小屋にしか通じないという山深い場所で女性一人で小屋を切り盛りするというのは大変な覚悟と苦労だろうが、それだけの器量と度胸があって素敵なキャラクターだった。 今回も気持ちよくテンポよく読ませてもらった。 ※備忘録としてシリーズ作品を挙げておきます。 「天空の犬」(2012年)(文庫化2013年) 「ハルカの空」(2014年)(文庫化2015年) 「ブロッケンの悪魔」(2016年)(文庫化2017年) 「火竜の山」(2017年)(文庫では「炎の岳」に改題2018年) 「レスキュードッグ・ストーリーズ」(文庫化も2018年) 「白い標的」(2017年)(文庫化2018年) 「クリムゾンの失踪」(文庫2018年) 「逃亡山脈」(文庫2019年) 「風の渓」(本書 文庫2020年) 「異形の山」(文庫2021年) もし間違いあれば教えてください。
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南アルプス山岳救助隊シリーズ。 今作は、ほぼ北岳が舞台となっていて、とても楽しく読めました。 親の愛情を知らずに育ってきた少年の悠人が両俣小屋で過ごす日々が、特に印象に残りました。 そして相変わらず。山岳救助犬のメイが可愛くてたまらない! 後記に、山岳救助隊や救助犬は現実には存在...
南アルプス山岳救助隊シリーズ。 今作は、ほぼ北岳が舞台となっていて、とても楽しく読めました。 親の愛情を知らずに育ってきた少年の悠人が両俣小屋で過ごす日々が、特に印象に残りました。 そして相変わらず。山岳救助犬のメイが可愛くてたまらない! 後記に、山岳救助隊や救助犬は現実には存在しません、と書かれているが、本当に会いに行きたくなる人の気持ちがよくわかります。
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