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海をあげる

上間陽子(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2020/10/29
JAN 9784480815583

海をあげる

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商品レビュー

4.2

297件のお客様レビュー

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2026/07/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編集なんか?エッセイなんか?構成が私にはあまりよくわからなかった。沖縄の女性問題について取り上げられているのかと思いきや1部だけであったため私が読みたい作品系統とは違った。 沖縄の基地問題はどこか遠くの国の話のように捉えてしまっているところがあるなと痛感させられた。 沖縄の島特有の文化や食べ物「ムーチー」が出てきたり知らないことも多くあったため学びになった。

Posted by ブクログ

2026/06/26

2026.39 ぽろぽろ泣きながら、でも一気に読んだ 「海をあげる」とはどういうことなのか 戦争や性犯罪や環境汚染 沖縄に私たちが押しつけているものは何か ずっと覚えておきたいし 覚えておくべきエッセイ 私には何ができるのか ===== P9 娘にごはんのつくり方を教える...

2026.39 ぽろぽろ泣きながら、でも一気に読んだ 「海をあげる」とはどういうことなのか 戦争や性犯罪や環境汚染 沖縄に私たちが押しつけているものは何か ずっと覚えておきたいし 覚えておくべきエッセイ 私には何ができるのか ===== P9 娘にごはんのつくり方を教える日が来ることを楽しみに待つ。自分のためにごはんをつくることができるようになれば、どんなに悲しいことがあったときでも、なんとかそれを乗り越えられる。 P44 あそこは、ニライカナイだよ。死んだひとはニライカナイに行くという伝説があるよ。 P51 遊歩道の湧水だけじゃなくて、今度は水道水がアウトだなんて、なんだか本当にまいっている。こんなに爆音があって、これ以上ひどいことはないと思っていたら、スプレイがやってきた。あのときと一緒で、このままここで暮らして大丈夫かな、引っ越さなくていいのかなって思っている P53 いま、まっただなかで暮らしているひとは、どこに逃げたらいいのかわからない。 P56 女性が逃げたルートを聞いて息をのむ。それは住民を盾にして移動した、日本軍の壊滅のルートだ。その先々で起こったことを、戦争が終わったあとで生まれた私たちは知っている。 P58 弟は、遺体を片付けるために外に出て爆撃を受けて死んだ。妹は、親戚の子どもたちのミルクを取りに行って帰ってこなかった。父親は、一家のお金を女性に託したあとで爆撃を受けて死んだ。親戚のお姉さんは、子どもと自分は何があっても一緒にいるからここに置いていきなさいと言って、そして子どもたちと一緒にいなくなった。 P62 地形が変わるほどの爆弾が撃ち込まれるのが戦争だということを、子どもたちが沢々と亡くなるのが戦争だということを、子どもと自分はいつまでも一緒だと告げて亡くなった母親がいるのが戦争だということを、飢えと恐怖で生理が止まるのが戦争だということを、そして、あのおばあちゃんはそれらのぜんぶを体験したあと、もう一度、あそこで土をたがやして生きてきたのだということを、どのように娘に伝えたらいいのかわからない。恐怖で眼を見ひらく娘に、戦争があったのはほんとうにはるか遠く、これはむかしむかしのお話だと、君はいつか娘に言ってあげられるのだろうか。 P230 でもね。風花。大人たちはみんな知っている。護岸に囲まれたあの海で、魚やサンゴはゆっくり死に絶えていくしかないことを。卵を孕んだウミガメが、擁壁に阻まれて砂浜にたどりつけずに海のなかを漂うようになることを。私たちがなんど祈ってもどこからも王妃や姫君が現れてくれなかったことを。だから私たちはひととおり泣いたら、手にしているものはほんのわずかだと思い知らされるあの海に、何度もひとりで立たなくてはならないことを。そこには同じような思いのひとが今日もいて、もしかしたらそれはやっぱり、地上の王国であるのかもしれないことを。 P240 そして私は目を閉じる。それから、土砂が投入される前の、生き生きと生き物が宿るこっくりとした、あの青の海のことを考える。ここは海だ。青い海だ。珊瑚礁のなかで、色とりどりの魚やカメが行き交う交差点、ひょっとしたらまだどこかに人魚も潜んでいる。私は静かな部屋でこれを読んでいるあなたにあげる。私は電車でこれを読んでいるあなたにあげる。私は川のほとりでこれを読んでいるあなたにあげる。この海をひとりで抱えることはもうできない。だからあなたに、海をあげる。 P251 私もまた、いつか娘に海を渡すのでしょう。その海には絶望が織り込まれていないようにと、私はそう願っています。この本を読んでくださる方に、私は私の絶望を託しました。だからあとに残ったのはただの海、どこまでも広がる青い海です。

Posted by ブクログ

2026/06/21

▼海をあげる ・頼れる友達、大事にし合える友達というのは貴重だな。今自分が本当に辛い時に駆けつけられる友達が、自分が駆けつける友達がどのくらいいるのだろうか。 ・自分のために手をかけた食事を作るというのは重要要素なのだと認識。 「こんな時だからこそ毎日やっていることをちゃんとやら...

▼海をあげる ・頼れる友達、大事にし合える友達というのは貴重だな。今自分が本当に辛い時に駆けつけられる友達が、自分が駆けつける友達がどのくらいいるのだろうか。 ・自分のために手をかけた食事を作るというのは重要要素なのだと認識。 「こんな時だからこそ毎日やっていることをちゃんとやらないといけない」 「それでもそれなりに美味しくて、とりあえずあなたを今日一日、生かすことができて〜。自分の空腹をみたすもの、今日一日を片手間でも過ごしているなにものか、そういうものを自分の手でつくることができるようになって、手抜きでも誤魔化しでもなんでもいいからそれを食べて、辛いことを乗り越えていけたらいいと思っています。」 ・めも:ギデンズ「親密性の変容」 ・記憶や感情は他者に移動させられるもんなのか。本質的にはもちろんできないが、外出しする、預けるのような感覚を持てるだけでも救われる人はいる気がする。自分はマイナスを原動力にすることのエネルギーの強さを渡してしまうようで少し悔しさを覚えるか、もしくはこんな辛さは渡したら人が1人壊れてしまうと危惧するかのどちらか。マイナスのエネルギーの絶対値は計り知れない。良い形で転換できれば個人的には一番爆発力がある。 (過去経験からの、現段階のマイナス定義=悔しさ・復讐・怒り・渇望・反発心(=反対されたことの証明)・強迫観念(=〜しなければ系・)) こう見てみると、他者はあまり関わらない。自己の欲求もしくは証明で成り立っている。 ・自分が必死に生きても無意味に期すこと構造の環境にはいられない。それでも良いと心酔が依存する存在がいない限り。結局は自己満足の世界だが、自分の意識や時間を掌握するのは自己でありたい。納得できるかできないかの話。 ・故郷というものについて考えを巡らせる機会を設けても良いかもしれない。自分と故郷がどのような位置関係により、なぜ〜の感情/感覚が発生するのか。いわゆる故郷が固定化されている自分だからこそ思考できることもあるはず。 ・共同体における共通意識の発現/効果ついても考えてみたい。戦後の日本国民についての文献はぜひ見てみたい。 ・沖縄では旧海軍司令部壕には行ったことがあるが戦争についてはそれのみ。もう少々現場を巡ってみても良いかもしれない。また戦時中の記憶を持つ方と会話できる最後の世代かもしれない。時間をかけてでもコミットすべき事象かも。 ・差別をやめる責任は、差別される側ではなく差別する側の方にある。 ・「娘の愛らしさや変わらぬ食欲は私と夫にとって日々の楽しみであり、まっしぐらに前を向いて歩く子どものかたわらにいることは、この世におけるもっとも楽観的な営みなのだとつくづくそう思います。」

Posted by ブクログ

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