商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 白水社 |
| 発売年月日 | 2020/10/27 |
| JAN | 9784560098110 |
- 書籍
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フランス組曲 新装版
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フランス組曲 新装版
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フランスの「ルノードー賞」の歴史において初めての「死後受賞」作。 1942年にフランス憲兵により捕縛され、同年のうちにアウシュビッツで無残な最期を遂げたイレーヌ・ネミロフスキーの遺作が、実に60年の月日を経て陽の目を見る”歴史的事件”があり、2004年に同賞が贈られたのだという...
フランスの「ルノードー賞」の歴史において初めての「死後受賞」作。 1942年にフランス憲兵により捕縛され、同年のうちにアウシュビッツで無残な最期を遂げたイレーヌ・ネミロフスキーの遺作が、実に60年の月日を経て陽の目を見る”歴史的事件”があり、2004年に同賞が贈られたのだという。 1942年の執筆時点で、ドイツ軍に占領されたフランスの運命は当然ながら誰も知らない。著者は、フランスの疎開地にいて戦争の行方を追いながら、5部作として構想した「フランス組曲」の執筆を進めるのだが、世界大戦の結末を見ることなく、ホロコーストの狂気に飲み込まれてしまう。(フランス組曲は2部まで書かれた未完の小説) 「フランス組曲」は21世紀に発表されたわけだから、すべての読者は、歴史の結末・著者の運命を知った上で、本作を鑑賞することになる。その点が非常に切なく、やりきれない思いがする。 占領軍であるドイツ軍の将校と、占領された村のフランス女性との、恋というには難しい心の通い合いが緻密に描かれる。二人の仲を切り裂く「独ソ開戦」に対して、著者からドイツ兵へかすかながら憐憫・哀惜の感情がほとばしり出ているように読める。独ソ戦の結末を知らない時点で書かれた本作において、占領者に対して「呪詛」のような感情を連ねることとは異なり、延々と戦線が拡大することに対する「憐憫・哀惜」の情が勝つという、このことをどう鑑賞すればいいのか。考えこんでしまう。 何か大きなものの存在を認めないわけにはいかない。 さらに言えば読者は、イレーヌ・ネミロフスキー自身が間もなくアウシュビッツに連行される歴史を知っているのであるから。 著者の娘は、自分自身もホロコーストの恐れがありながら、幼少の身で、母親の遺品であるトランク(その中にフランス組曲の2部がおさめられていた)を引きずり、逃避行を重ねたという。本書の宣伝文句「20世紀の奇跡」という言葉は、文字通りそのまま受け止めたい。
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ネミロフスキーはユダヤ系のウクライナ人でキエフ生まれ。 ロシア革命の折、コミュニストから祖国を追われ、たどり着いたのがフランスであった。 異国での様々な体験とそんな生い立ちからか、小説で描かれるあらゆる階層の人たちが多様で、登場人物への眼差しにも情が通っている。 小説は5部...
ネミロフスキーはユダヤ系のウクライナ人でキエフ生まれ。 ロシア革命の折、コミュニストから祖国を追われ、たどり着いたのがフランスであった。 異国での様々な体験とそんな生い立ちからか、小説で描かれるあらゆる階層の人たちが多様で、登場人物への眼差しにも情が通っている。 小説は5部構成の予定ながら第2部で絶筆、未完である。永遠に物語は終わらない。未完故に、第1部で細かく描き込まれた人々を、読み手は空想の世界で、自由に動かすことができる。空想すると、あの群像が、あの人々が交わり合い、頭の中で世界が動き出す。 小説が未完である理由は悲惨だ。著者がアウシュビッツで絶命した為である。 最後に書いた終章は、戦時下のドイツ兵とフランス人女性の恋の物語。そこに介在するのはピアノ。戦火の中、著者自身が迫害を受けつつも気高い文章をしたためた。この終わらぬ物語が連綿と心に残る。 各章の終わりが、圧倒的な幕切れやシニカルな一文で結ばれる。ブルックナーの曲にある休符のようで、実に効果的。その休符がある時は余韻をもたらし、ある時は次の章に移る一拍だったりもする。なのでタイトルは「組曲」。 巻末に5部構成の構想メモが付属する。作家の頭の中での、先々の構想、作家自身の迷い、第2部までで描いた中でも大切にしている登場人物等々。更にト書き的な記載によって、読み手に対して狙っている心象効果もわかる。読むと、この作品がもし完成していたら、との想像を掻き立てる。 小説内では微笑ましい場面もある。「フランスパンは軽くて、胃にたまらない」と不平を言うドイツ人。「こんなおいしいものを」とこれを信じられないフランス人。隣国にして、こんなものなのかなぁ、と感じた。 <ウクライナ関係書籍紹介> https://jtaniguchi.com/books-recommended-ukraine/ <その他の書籍紹介> https://jtaniguchi.com/tag/%e6%9b%b8%e7%b1%8d%e7%b4%b9%e4%bb%8b/
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読むのにかなりの月を費やしたが、読めて良かった。 繊細な魂同士の対話、残酷さの中に果実や植物の名前がふんだんに散りばめられていて、それらが乾燥した空気の中に瑞々しさを加える。 資料はアンネ・フランクのような、戦争に絶望と憤りを綴ったりと本当に貴重なものばかり! 敵対国とはいえ、兵...
読むのにかなりの月を費やしたが、読めて良かった。 繊細な魂同士の対話、残酷さの中に果実や植物の名前がふんだんに散りばめられていて、それらが乾燥した空気の中に瑞々しさを加える。 資料はアンネ・フランクのような、戦争に絶望と憤りを綴ったりと本当に貴重なものばかり! 敵対国とはいえ、兵士は一人の人間である。 しかし、占領された側としてはやはり複雑さと憤り、時に優しさを含んだ対話に隙間から陽光が差すように優しさをも感じる。 魂と魂、男と女…戦時下の魂と精神は辛く優しい。
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