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逆・タイムマシン経営論
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逆・タイムマシン経営論
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商品レビュー
3.8
34件のお客様レビュー
失われた30年を日銀や財務省のせいにするのは典型的な環境他責。 自分自身の過去を振り返るとき、昔の悪いことつらいことは忘れがちで古い時代を美化しがちだ(遠近歪曲)。 本書の事例では、住友銀行の組織改革が昔なつかしい。住友の組織改革はその後多くの銀行に模倣され、バブルの一因となった...
失われた30年を日銀や財務省のせいにするのは典型的な環境他責。 自分自身の過去を振り返るとき、昔の悪いことつらいことは忘れがちで古い時代を美化しがちだ(遠近歪曲)。 本書の事例では、住友銀行の組織改革が昔なつかしい。住友の組織改革はその後多くの銀行に模倣され、バブルの一因となったと指摘する人もいる。80年代バブルを研究している方は、この部分はぜひ読むべき。
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過去の経済誌などを振り返りつつ、いかにバズワード化した言葉/概念が取り上げられてきたか、そしてそれらが現在どのように帰結しているのかを淡々と振り返った一冊。著者曰く、所謂バズワードに惑わされてしまう背景には、「飛び道具トラップ」「激動期トラップ」「遠近歪曲トラップ」の3種のトラップがあるとのこと。 経営コンサルとして働き、いかに言葉が曖昧に使われているか(DX、リーン、アジャイル・・・)を痛感している中で、この本の主張には納得感がある。一言で言ってしまうと、どれだけ新たな概念を提示しそれが世の中に流布しようとも、経営の本質を構築する太い論理には勝てない、ということなのだと思う。個人的に興味深かったのは、数十年前までには「人口増加」が日本の悩みの種だったということ。常に悩みが尽きないのが世の常である中で、要するに誰もが現状を嘆き、そこに原因があると見なすということなのだろうと思う。コンサルとして、そして研究者?としての1つの価値の出し方として、このような時間軸を振った議論/思考を行うことは、有効であることを再認識した。 特に印象に残った箇所は以下の通り ・「情報の豊かさは注意の貧困を生む」。ノーベル経済賞を受賞したハーバード・サイモンの名言です。人間の脳のキャパシティが一定ならば、触れる情報の数が多くなればなるほど一つ一つの情報に傾注する注意の量は小さくなるのは当然の帰結です(p.88) ・技術革新がどれほど非連続なものであっても、人間の需要は本質的に連続的な性格を持っています。パソコンのOSを変えるようには人は変われません(p.120-121) ・工場やその管理システムは、そもそも「部分最適化の集大成」という性格を持っています。製造装置レベルでの標準化もままならないのですから、より上位にある生産ラインのシームレスなつながりは相当に難しいと考えたほうがよいでしょう(p.161) ・安く買って高く売る。投資家にとっては変化率がすべてです。変化に要する期間が短いほど、変化率は増大します。ようするに、投資家はその本性からして「激動」を求める生き物です(p.173) ・大きな変化ほどゆっくりとしか進まない。大きな変化は振り返ったときにはじめてわかる。これが逆・タイムマシン経営論の結論です(p.179) ・人々が同時代性の罠に陥る理由の本質は「文脈剥離」にあります。シリコンバレーという特異な生態系全体の文脈を理解せず、その時々で注目を集める技術やベンチャー企業や起業家にばかり目を向けることにあります。これが遠近歪曲を引き起こします(p.191) ・それほど遠くない昔、日本では「何とかして人口増加に歯止めをかけなければならない。このままでは未来は暗い」という、今とは正反対の議論をしていました。かつては「人口増が諸悪の根源」が強力なコンセンサスを形成していました(p.218)
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企業経営の本質は近過去の歴史に学べ――。過去の新聞、ビジネス誌を読み解けば、経営の本質を見抜くセンスと大局観が磨かれると著者は言う。過去のトレンドやバズワードの"その後"を追うことで、経営者の眼を曇らせる幾多の罠を回避することができる。
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