商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2020/09/28 |
JAN | 9784103080121 |
- 書籍
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自転しながら公転する
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自転しながら公転する
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商品レビュー
4.1
752件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
先の見えない曲がりくねった細道を進んでいくような展開の中、熱海での貫一との幸福なひとときには本当に嬉しい気持ちになった。 のも束の間、あんなことになるとは…この感じも人生だよな。別れてしまう切ない展開も覚悟したところ、2人の再会、そして結婚したらしいラストには心から良かったと思った。 静かに沼に沈んでいくような田舎の閉塞感、理想と違う恋愛、職場での人間関係トラブル、親の病気、何もかもものすごいリアルさで、前半は息苦しさを感じるほどだったけれど、だからこそ後半の展開により幸せと希望をもらえた。現実世界でも、自転しながら公転しつつ、とりあえず頑張ろうと思えた。 「お洒落な人って狭量な面がある」は名言。
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「今日私は結婚する。」プロローグのこの冒頭に完全にミスリードされた。都と貫一の出逢いからの一連の流れ、そしてたまに登場してくるニャンさん。途中、ここで変わるのかと思うも、そうにはならず、頭の中は???。 貫一とうまくいってほしいと思っていたので、その展開はよかったのだけど、だ...
「今日私は結婚する。」プロローグのこの冒頭に完全にミスリードされた。都と貫一の出逢いからの一連の流れ、そしてたまに登場してくるニャンさん。途中、ここで変わるのかと思うも、そうにはならず、頭の中は???。 貫一とうまくいってほしいと思っていたので、その展開はよかったのだけど、だとすると、プロローグの話と違ってくる。 エピローグ前の最終章最後の一文 「明日死んでも百年生きても、触れたいのは彼だけだった。」に、やはり貫一の所に戻るんだ、って思ったけれど、だとすると、プロローグのあれは何?と、この先、急展開もなさそうだし、どうなるのだろうとエピローグに突入。 ある意味どんでん返しのエピローグ。なるほど、そういうことだったのか。でも、念のため、もう一度プロローグを読み返して納得。 読みたいと思っていて、やっと読んだ本。面白くて読み出したら止まらなかった。 主人公都の言動には、共感もあれば反発もあるけれど、それは第三者目線だからだと思う。自分が当事者なら、同じようにクルクル回っていたかも。 聖書に「全ては相働きて益となる」との言葉があるけれど、都もそうだし、貫一にしても、確かにその言葉通りだなと思った。 最後に都が「別にそんなに幸せになろうとしなくてもいいのよ。幸せにならなきゃって思い詰めると、ちょっとの不幸が許せなくなる。少しくらい不幸でいい。思い通りにはならないものよ」と語る。 こう彼女が語れるに至った背景には、それまでの経験が大きく影響していると思うけれど、特に貫一からの影響は大きいのではないかと思う。 いいお話だった。「自転しながら公転している」。あたふたしている自分を感じると、この言葉を思い出す。私だけじゃないんだよ、って分かるだけでもふっと心が軽くなるように感じる時がある。
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これは読み応えあった。山本文緒さん、リアルなところをナナメに攻める分、あまり温度が上がらず読み終わることが多い印象だったけど これは関係性を正面から描いてる感じがして、かつリアルさもあった。 再読しそう。
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