商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
発売年月日 | 2020/06/04 |
JAN | 9784591166963 |
- 書籍
- 文庫
エンディングドレス
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エンディングドレス
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商品レビュー
4.1
21件のお客様レビュー
麻緒が元気のない理由、なんだか不穏な空気のまま始まる。 そんな時に見つけたエンディングドレスを作りましょうという教室の貼り紙。 教室では個性豊かな自分より年上の生徒たちと先生。 毎回出される課題をクリアしながら一つ一つ服を作り上げていくと麻緒の心にも変化が出てくる。 麻緒が置か...
麻緒が元気のない理由、なんだか不穏な空気のまま始まる。 そんな時に見つけたエンディングドレスを作りましょうという教室の貼り紙。 教室では個性豊かな自分より年上の生徒たちと先生。 毎回出される課題をクリアしながら一つ一つ服を作り上げていくと麻緒の心にも変化が出てくる。 麻緒が置かれている状況にも心が痛んだし、服を作りながらも、乗り越えようとしたり、また悲しみの渦に入ってしまう麻緒を見て涙が出た。 読み進めるうちに、麻緒の恋人の死の理由などが明かされる。 私たちが生きていく中で絶対に必要な服。 一番お気に入りの服は? 服を作ってあげたい人は? 様々なシチュエーションを共にしてきた服、その時を思い出し、自分はどうだったのか、どうありたかったのか、それを思い出していく麻緒。 とても心打たれた。 私が人生最後に着たい服はどんなのだろうと、でもまだ早すぎるかなとも思ったけれど、人生の終わりっていつ来るか分からないもんね。 いつ備えをしておいても良いのだと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
‣ わたしの哀しみはわたしだけのもので、だれかと共有なんてしたくなかった ‣ わたしだけ特殊で、わたしだけ不幸。ずっと、そう思っていた気がする ‣ 震えてくるほど恥ずかしかった。勝手に期待して、勝手に裏切られたと感じている自分が ‣ どんなにいい時代が来たって、はたちは人生に一年だけ、二度と戻れない。娘盛りのいちばん輝いていたころ、わたしは着飾ることがいっさいできなかった ‣ 男らしさの呪縛に囚われていたのね。ほんとうのわたしは、スカートや化粧が好きで料理や洋裁を愉しみ、愛するひととゆたかな時間を過ごす暮らしを望むような人間だったのに ‣ どんなひとにも、やがて来る自分の死を見つめて、じっくりと準備して、穏やかにその日を迎えてほしい。それで、死に装束を縫う洋裁教室を思いついたの ‣ わたしが教室で教えているのは、外側ではなく内側に踏み込んでいくものづくりなの。自分のための服を縫うこと、それは自分の内面を掘り進むことでもある ‣ まっさらな生成りの状態だから、まだまだどんな色にもなれる。そう思いたい。これからわたしはどんな色に染まっていくのか、ちょっとわくわくしています ‣ 冬を待って、春を待って、そして夏を待って。服を縫うのは、巡りゆく季節を追いかけ続けることでもあるのだ ‣ 人生はミシンの縫い目のようにまっすぐに規則正しく進むものじゃない。手でちくちくとひと針ひと針縫ったなみ縫いのラインみたいに、歪んでいたり、うねっていたり。それでもずっとさきの未来、いつか迎えが来たとき、自分の後ろにできたなみ縫いのラインを見て、素敵な模様だと思えたら ‣ 「そいういえばおふたりのエンディングドレス、どんなの縫ったんですか?」 「ふふふ、それは本番でのお愉しみ」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 「ものづくり=自分の内面を掘る」という表現にハッとしました。 「自分のためだけに丁寧にものをつくる」という経験は、 過去と今の自分を受け入れるためには欠かせないことなのかもしれません。 思い出をまといながらも、新しい未来へ向けて歩み出す勇気をくれる物語でした✨
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装丁の可愛らしさと1ページ目の異質さのギャップに惹かれて手に取った作品 洋裁を通して自分と向き合い、苦しみから解放されていくお話 亡くなった夫とのエピソード、描き方が儚げでよかった 言葉選びも秀逸
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