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医学のたまご
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医学のたまご
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商品レビュー
3.5
36件のお客様レビュー
主人公は『ジーン・ワルツ』や『マドンナ・ヴェルデ』(共に新潮文庫)で生まれた双子の内の曾根崎伸一郎の息子として育てられた薫君です。僕にとっては親戚の子供が成長した姿を見たような気がして嬉しかったです。 この本の主人公は『ジーン・ワルツ』や『マドンナ・ヴェルデ』(共に新潮文...
主人公は『ジーン・ワルツ』や『マドンナ・ヴェルデ』(共に新潮文庫)で生まれた双子の内の曾根崎伸一郎の息子として育てられた薫君です。僕にとっては親戚の子供が成長した姿を見たような気がして嬉しかったです。 この本の主人公は『ジーン・ワルツ』や『マドンナ・ヴェルデ』(共に新潮文庫)の中で生まれた双子のうちの曽根崎伸一郎の息子として育てられた曾根崎薫君の物語です。 この本を読みながら、僕は親戚の息子さんが中学生になったときのような気持ちで彼に寄り添うことができました。 僕は平素、あまりミステリーは読まないのですが、この本は面白く読むことができました。 物語は主人公の中学生、曾根崎薫君がゲーム理論の権威である父親の曾根崎伸一郎が作った潜在能力テストで当然ながらといえば当然の結果ですが全国で1位になってしまったことから物語が始まります。 その結果に目をつけた東城大学の医学部で研究をする。そこでの話がメインになります。そこで薫君は先輩である高校生の佐々木君や研究生活を送る桃倉さんと一緒にある医療の研究をすることになります。 彼らは『画期的な』結果を示すのですが、指導教官の藤田教授の姦計にはまって薫君は自分の名誉を失う危機にさらされます。 そんな息子の危機に父親である曽根崎伸一郎氏が寄り添う姿は、たとえ日本とボストンのマサチューセッツと距離は隔ててあっても、『ジーン・ワルツ』や『マドンナ・ヴェルデ』では描かれていなかった少し変わっていながらも愛情あふれる姿に感銘を受けました。 ハイライトは論文のミスを謝罪する記者会見での怒涛の展開と藤田教授と曽根崎伸一郎が薫君を挟んで間接的にせよ対峙する姿に、手に汗握るものを感じました。 しかし、薫君は自分の名誉を守った代わりに…。結末はどうか本書で確認をしていただきたいのですが、やはり、『声を上げる』ということと、自分の勇気に従うことが大事だということと、科学のすばらしさと大人も子供もないという世界の恐ろしさ。 そして、薫君の活躍ぶりを今後も期待するとともに曽根崎理恵に引き取られた双子の片割れである忍の物語も出来れば読んでみたいなと思いました。 ※追記 本書は2020年4月24日、KADOKAWAより一般文庫版『医学のたまご (角川文庫)』として文庫化されました。
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中学生の曽根崎薫が、潜在能力試験で全国1位になってしまったことから、大学医学部の研究室に週2日通い、論文を巡るドロドロに巻き込まれていくストーリー。 薫の受入研究室の藤田教授が、薫の名前で英語論文を書いたり、追試が間に合っていないことが外部から指摘されると、記者会見の場に薫を連れ出したり、薫の中学のクラスメートが医学の最先端の研究を理解できたりと、常識的にはあり得ない設定で、読んでいる途中で少し白けてしまった。 しかし、最後に、薫と離れて暮らす父親が薫にアドバイスを与えたり、薫を守るために、薫の業務日記を証拠として効果的に見せる手はずを整えたりしたところは、ジンときた。 薫が書き留めている、パパの言葉がいい。 また、海堂さんの後書きにある、中高生に向けたメッセージがよかった。
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持病がありお医者さんのお世話になっています。処方された薬のお陰で毎日を元気に過ごす事が出来ていることに、医療へ感謝しています。研究が行われ治療法が決まり、薬が開発され処方してもらうお陰様を思う時、医学研究者の重要性を強く感じました。次の作品も楽しみに読ませていただきます。
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