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日本思想史 岩波新書1821
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2020/01/23 |
| JAN | 9784004318217 |
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日本思想史
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日本思想史
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商品レビュー
4
7件のお客様レビュー
ロックだルソーだカントがと、西洋思想・西洋哲学についてはそれなりに学んできたが(身についたとはいっていない)、日本思想・日本哲学についても学ばないといけないと思い手始めに読んだ。
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日本思想史を「王権(世俗・顕)」と「神仏(宗教・冥)」という二つの対抗する極の緊張・補完関係(大伝統)として構造化する試み。「日本には哲学がない」という中江兆民の言葉への応答から始まる本書は、飛鳥・天智時代の「必死の文明化」を、独立を保つための生存戦略として描き出す。 古代にお...
日本思想史を「王権(世俗・顕)」と「神仏(宗教・冥)」という二つの対抗する極の緊張・補完関係(大伝統)として構造化する試み。「日本には哲学がない」という中江兆民の言葉への応答から始まる本書は、飛鳥・天智時代の「必死の文明化」を、独立を保つための生存戦略として描き出す。 古代における思想形成の核心は、中国という圧倒的な先進文明をモデルとしつつ、その冊封体制から離脱して自立性を保つための「文明国としての体裁整備」にあった。「日出ずる処の天子」の国書は、隋の煬帝に対し、冊封を求めず対等の立場を表明した外交の事例として位置づけられ、中国の冊封体制に入らずに対等の位置に立つため、あえて中国的な律令制度や文字文化を徹底的に模倣・受容することで国家の自立を図ったとする。 7世紀の天智朝から天武朝にかけて、律令の編纂と国史(記紀)の編纂が本格化し、天皇を「現神(あきつかみ)」として権威づけるイデオロギーが確立された。この過程で、諸氏族の祖先神をアマテラスの下に秩序づける神話体系が構築される。 皇位継承の正統性については、中国の「易姓革命」(徳の失墜で王朝交代が正当化される)に対し、日本では天の神と血統的につながる「万世一系」という神話的連続性に正統性を求めた点を強調する。これにより、継承の正当化は"徳"より"系譜と神話"へ傾き、政治的合意(推戴・支持)の力学が見えにくくなる一方、神話の編成それ自体が権力闘争の舞台になりうる。 仏教については、国家をバックアップする巨大な力として導入され、聖武朝において「王権が仏法の下位に位置づけられる(三宝の奴)」という極致に達した。東大寺盧舎那大仏は国家繁栄のシンボルであると同時に、天皇が「三宝の奴」として仕える対象となった王権・仏法関係の頂点として描かれる。平安初期には、最澄・空海によって王法と仏法が適切な距離を保つ新しい緊張関係が築かれ、中世へと続く思想構造の基礎が定まったとされる。 宮廷生活では、天皇の現神化が即位宣命等の言語・儀礼に現れる一方で、神仏習合を前提にしながら、宮中や伊勢などで仏教要素を排除する「神仏隔離」が作法として働く。儀礼は"権力の配置図"として理解できる。 天智期関連では、天智朝(中大兄皇子)が、藤原鎌足とともに大陸の動向を注視しながら、大化改新を契機とする中央集権的な構造(公地公民、国郡制度)を構想・整備した中心的人物として位置づけられる。本格的な律令編纂は天智朝から天武朝へ進む中で進められ、天智期の構想が持統期の飛鳥浄御原令や大宝律令へと結実した。また、道教に由来する「天皇」号の採用(推測:天智または天武期)は、中国の「皇帝」に対する強烈な対抗意識と、日本の王権の独自性を際立たせるための思想的選択であったとされる。 注意点として、天皇号の成立時期は推古朝説と天武朝説の両論を併記しており、十七条憲法については後世の加筆・創作の可能性を留保しつつ、その思想的内容(和の精神、三宝崇敬)を重視する立場を取る。著者は仏教学が専門であり、中世思想(平安・鎌倉)において最も詳細な議論を展開している。古代に関しては、最新の考古学的知見よりも、文献史学的な「思想の構造」に重点を置いた試論であることに留意して参照すべき。 岩波新書で平易な記述ながら、通史としての見取り図が非常に分かりやすい初学者向け。天皇がなぜ神でなければならなかったのか、なぜ仏教という外来宗教をあれほど巨大に祀り上げたのか、なぜ日本は中国を真似しながら革命を拒否したのかなど、古代設定の根幹に関わる思想的理屈が学べる。政争の裏にある「国家の形」を決めた思想のドラマを俯瞰できる一冊。
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末木文美士氏は、日本の仏教学者・思想史研究者であり、東大名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。1949年甲府市生まれ。東大文学部印度哲学仏教学科卒業後、同大学院博士課程を修了。仏教思想を中心に、日本思想史・宗教史を幅広く研究し、中世から近代に至る思想の展開を探究。特に近代日...
末木文美士氏は、日本の仏教学者・思想史研究者であり、東大名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。1949年甲府市生まれ。東大文学部印度哲学仏教学科卒業後、同大学院博士課程を修了。仏教思想を中心に、日本思想史・宗教史を幅広く研究し、中世から近代に至る思想の展開を探究。特に近代日本における仏教の変容と思想的意義に注目し、多くの著作を発表。代表作に『日本仏教の思想』『近代日本の思想再考』などがある。比較思想学会会長も務めた。 本書は、日本思想は外来の思想をもとに、それを変容することで形成されてきたが故に、思想史の中核となるものがなく、全体的な流れを把握することが難しいとされている中で、「王権」と「神仏」を2つの極と位置付け、その関係と変化に注目することにより、日本の思想史の全体像を描こうとしたものである。 そして、その構造に着目すると、日本の思想史は大きく、前近代、近代(明治維新後)、戦後の3つに分けられ、以下のような変遷を経てきたという。 <前近代> 王権(国家統治に関する政治的な機能で、世俗的な権力)と神仏(世俗を超えたところから世俗的な次元にも力を及ぼすもので、宗教的な要素)が対立し、両者の相補的な緊張関係の中に、どちらにも吸収されない様々な思想や文化、人々の生活が形成された。また、王権は、中世には「院-帝-摂関」+「将軍-執権」、近世には「院-帝-摂関」+「将軍-大名」という重層構造を持ち、また、神仏についても、土着の神と外来の仏のような重層構造を持っていた。 ◆古代(~9世紀)/日本思想が形成される ◆中世(10~15世紀)/思想が定着する・・・摂関・院政期/王権と神仏が儀礼化する。鎌倉期/王権と神仏の新秩序が生まれる。南北朝・室町期/中世文化が成熟する。 ◆近世(16~19世紀)/思想が多様化・変容する・・・戦国・安土桃山期/大変動し再編する。江戸初期/安定社会が構築される。江戸中期/思想が一斉に開花する。江戸後期/ナショナリズムへの道が作られる。 <近代(明治維新後)> それまで両極に分かれていた王権と神仏の要素が、天皇を中心として一元化された。 明治期/日本的近代が形成される。大正・昭和前期/思想が戦争に結び付いていく。 <戦後> 近代の体制が解体されて、西洋的な近代の民主主義の理念が根底に置かれるようになり、王権は象徴として議論の外に置かれ、神仏の要素は全く考慮されなくなった。 昭和後期/平和への理想を求め、また幻想化する。 一通り読んでみて、王権(公家や武士などの支配権力を含む)及び神仏(キリスト教や儒教などの他宗教・思想を含む)という軸で見た通史としては、相当な情報量があり(大学受験で日本史を選択していない私にとっては、別途調べる必要のあるワードも結構あった)、読み応えはあった。 一方で、王権と神仏が両極にあり、その間に他の様々な思想・文化が存在したという仮説が、どの程度説得力を持って説明できているかには疑問が残ったし、史実の羅列に留まっている印象が強く、これをもって日本思想史の全体像といわれても、物足りなさを感じるものであった。(時代を遡るほどその印象が強くなるのは仕方のないことだが。。。) また、私は、本書を数年前に購入したまま積読状態で、先日、宇野重規氏の『保守主義とは何か』を読み、本書のことを思い出して読んでみたのだが、保守主義の基本的スタンス(の一つ)が、「歴史の中に連続性を見出し、保守すべき価値を見出す」ことだとすると、その文脈で(本書のような本を)読む限り、明治維新の精神といわれる、万世一系とされた天皇の性格と、その天皇を頂く国家全体の家父長的性格が、その対象として安直にイメージされやすいことが、改めてよくわかった。(尚、私は穏健リベラルである) 保守主義全盛の今、我々(日本人に限定されない)にとって、歴史に基づいて守るべきものがあるとしたら、それは何なのか。。。それを考える上で起点にはなる一冊だろう。 (2025年10月了)
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