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死を招くファッション 服飾とテクノロジーの危険な関係
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死を招くファッション 服飾とテクノロジーの危険な関係

アリソン・マシューズ・デーヴィッド(著者), 安部恵子(訳者)

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死を招くファッション 服飾とテクノロジーの危険な関係

3,850

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 化学同人
発売年月日 2019/12/05
JAN 9784759820140

死を招くファッション

¥3,850

商品レビュー

4.4

15件のお客様レビュー

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2022/09/01

もうなんかね、いろっいろ黒歴史に充ち満ちているのですよ。興味深いけど、闇も深い…! 現代の事例も結構あって、海外の著者さんですが日本での出来事も幾つか取り上げられてます。 一時期流行った超厚底靴とかね! ヒ素由来のグリーン、ドレスも子供服も手袋も200年くらい前の物でも綺麗に色...

もうなんかね、いろっいろ黒歴史に充ち満ちているのですよ。興味深いけど、闇も深い…! 現代の事例も結構あって、海外の著者さんですが日本での出来事も幾つか取り上げられてます。 一時期流行った超厚底靴とかね! ヒ素由来のグリーン、ドレスも子供服も手袋も200年くらい前の物でも綺麗に色が残ってました。 これは着用者より製造側の労働者にかなり被害が出ていたそうですが、気に入ってよく着ていれば影響無しとはいかなかったでしょうね。 服飾品以外にも壁紙やファブリックや家に塗る塗料・お菓子に使う食紅・画家(ゴッホやゴーギャンなども使用)が使う絵の具・造花を染める染料、果ては子供用のおもちゃにまで使われていて、ナポレオンの死因もこういった物が関わっていたのではなんて説もあります(諸説有り。 子供の生活かなりシビア…ヴィクトリア朝で言えば他にも、泣き止まない子に阿片チンキでもっておとなしくさせたとかありましたし…。 ※この時代は阿片チンキ=咳止めや鎮痛剤といった常備薬的な物として、特に規制されず大人から赤子にまで広く使用されていました。 そんな風に世を席巻していたグリーンの塗料も、毒性が認知されてからは殺虫剤(農薬)や殺鼠剤として再利用されていたそうです。 それから1909年の青い素敵なエジプト風ドレスの上半身部分にフィレレースが使われていて、あぁ実際こんな風に使われていたのね!とレース編み好きとして反応してしまったところ。 マス目をかがって刺繍してあって遠目にはクロッシェの方眼編みのよう。 ハーダンガー刺繍みたいな雰囲気の物もあるんですよね。 それでこのドレスは更にスパンコールやビジューやガラスビーズで飾られているんですけど、スパンコールがセルロイド製で危険視されたのだとか。 セルロイドは燃えやすい上に、一度火がつくと摂氏815度とかなり高温になり、燃えた後は毒性の強い煙・ガスを出すのが特に危ないのでした。 元々は狩られまくって絶滅の危機に陥った象牙の代替品として開発された物で、きっかけはよかったんに…。 現在はもっと安全な合成樹脂がありますけれど、そこにたどり着くまでいろいろあったものですわねぇ。

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2022/07/16

主に18〜20世紀にかけてのファッションにまつわる怖いお話です 古くはシラミを媒介する軍服や裾を引きずり街中のホコリ(や病原菌そのたあらゆるもの)を家の中に誘い込むスカート、毒を持つ緑色、つくる人もかぶる人も殺すフェルト帽子、履いた人の皮膚がただれる靴下、長く垂れ下がるファッショ...

主に18〜20世紀にかけてのファッションにまつわる怖いお話です 古くはシラミを媒介する軍服や裾を引きずり街中のホコリ(や病原菌そのたあらゆるもの)を家の中に誘い込むスカート、毒を持つ緑色、つくる人もかぶる人も殺すフェルト帽子、履いた人の皮膚がただれる靴下、長く垂れ下がるファッショナブルなそれでいて都市生活には不向きなスカーフ、など危険で魅力的なファッションについて論文並の内容がそろってます。 一方現代では自分が履いてるパンツ1枚、材料はどこから来て誰がどんなところで縫製し、ここまで運ばれてきたかわからなくなってしまいました。現代はこういったファションの危険性が非常に見えにくくなっています。 ファッションが好きな人ならこのことについて知ること、知ろうとすることは必要な姿勢ではないかと感じました。

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2022/03/27

これはジャケットプラステーマ買い。 今写真で振り返っても美しいドレスや帽子にまとわりつく暗い陰。 服飾売り場で買ったものを無条件に信じ、着ている。 まさか着衣しただけで、あるいはうっかり口にくわえてしまっただけで、彼岸にいってしまうなんて誰が思うだろう。 この本のおもな舞台...

これはジャケットプラステーマ買い。 今写真で振り返っても美しいドレスや帽子にまとわりつく暗い陰。 服飾売り場で買ったものを無条件に信じ、着ている。 まさか着衣しただけで、あるいはうっかり口にくわえてしまっただけで、彼岸にいってしまうなんて誰が思うだろう。 この本のおもな舞台は19-20世紀前半のパリやロンドンなどの大都市だ。 悪質な環境で害のある化学繊維を使って作業せざるをえなかった労働者。 炎が明かりとして身近にあったからこそ、燃え移って火だるまになるレーヨンやモスリン素材。 メインテーマではないか、動物たちの搾取によってつくられる装飾や毛皮、剥製の数々。 そして、それらは現代にまで続いている。 私は着物を着るのだが、昔の着物は正絹という素材でできているものが多い。 絹は、蚕を犠牲にできている。 ファストファッションでなにも考えずに買う洋服の染色は、製作過程は、劣悪でないといえるのだろうか。 本書の印象に残った2文を引用する。 こうした帽子の流行のスタイルとシルエットは、なんと寿 命が短かったことだろう。それと対照的に、有害とわかっていつつ帽子 作りに利用された化学的毒物は、なんと寿命が長いことだろうか。 ファッションの力はあまりにも強くて、実用性はしばしば スタイルに打ち負かされた。それが今も続いている。

Posted by ブクログ

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