商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 毎日新聞出版 |
発売年月日 | 2019/12/07 |
JAN | 9784620108452 |
- 書籍
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黒武御神火御殿
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黒武御神火御殿
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商品レビュー
4.1
129件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前半3つは短めで読みやすく、でも人間の身内に向ける業深さが滲む話だった。 それらが結実して収束に向かうのが長編、黒武御神火御殿。謎の屋敷に囚われた6人の業が招く悲劇かと思いきや、とんだとばっちりで…。 事の成り行きや因果も割とはっきり分かる物語だったが、武家にまつわる暗部はぼかして終焉。それもまた深みがあってよし。
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おちかを継いで聞き手を務める富次郎。まだ気持ちが揺れて頼りなさは否めないけど、語り手を迎えるほどに成長していく。蝦蟇仙人・灯庵の配慮なのか嫌味なのか、最初の語り手が幼友達だったのは結果として良かった。しかし、あんな泣きぼくろ虫いたら怖いけど、男どもは…。嫁に祟る婆様の話は、ここま...
おちかを継いで聞き手を務める富次郎。まだ気持ちが揺れて頼りなさは否めないけど、語り手を迎えるほどに成長していく。蝦蟇仙人・灯庵の配慮なのか嫌味なのか、最初の語り手が幼友達だったのは結果として良かった。しかし、あんな泣きぼくろ虫いたら怖いけど、男どもは…。嫁に祟る婆様の話は、ここまで執拗に末代まで呪われちゃあたまらん。亀一にくっついてくるお化けの寛吉は気の毒だけど、仏になってなお小心すぎでしょ。最終話の黒武御神火御殿では、あの程度の咎で殺された皆さんが気の毒。「語って語り捨て」話すは放すに通じるそうで納得。
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黒武御神火御殿には圧倒されました。 ページの分量からいっても他の3編に比べて表題作が圧倒的なのですが、物語のスケールも重厚で、ミステリーとしても素晴らしいプロットを感じました。 三島屋変調百物語の語り手がおちかから富次郎に交代した最初の巻ですが、最初からこの超大作で今後が楽しみ...
黒武御神火御殿には圧倒されました。 ページの分量からいっても他の3編に比べて表題作が圧倒的なのですが、物語のスケールも重厚で、ミステリーとしても素晴らしいプロットを感じました。 三島屋変調百物語の語り手がおちかから富次郎に交代した最初の巻ですが、最初からこの超大作で今後が楽しみです。 聞いて聞き捨て、語って語り捨てというルールを守るために富次郎は得意の絵を描くことで自らの心持ちを強く保つという新たなルールも加わり、富次郎が少しずつ聞き手としての経験を悩みながらも積んでいくのも楽しみです。 他の3編が家族にまつわる話で、この黒武御神火御殿はSFともミステリーとも思われる壮大な物語なので、趣が異なりますが、いずれにしても、宮部さんの人に対するまなざしの優しさはどんなに怖い物語でもずっと続いており、ただ怖いとか気持ち悪いだけでは終わらないところが魅力です。 特に黒武御神火御殿では、人の罪とは何かという大きな問題について考えさせられます。そして人を妬むという黒い感情や生き延びたいと願う感情も描かれ、気持ちが重くなります。しかし、最後は人として相手を思いやる心がにじんでいてやはり読んでよかったと思う作品です。今後の巻もとても楽しみです。
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