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残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか NHK出版新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | NHK出版 |
発売年月日 | 2019/10/10 |
JAN | 9784140886045 |
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残酷な進化論
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残酷な進化論
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商品レビュー
4.1
39件のお客様レビュー
残酷なのは、大脳や二足歩行を得た事で犠牲にしたものもあるからだ。人間は非力で身体を覆う毛量も少なく、脳の維持のために大量のグルコースが必要だ。それに腰痛や心臓病は進化の代償であるらしい。それだけではない。進化は直線的ではなく、我々は最上ではない。個々の生物が環境にあった選択圧の中...
残酷なのは、大脳や二足歩行を得た事で犠牲にしたものもあるからだ。人間は非力で身体を覆う毛量も少なく、脳の維持のために大量のグルコースが必要だ。それに腰痛や心臓病は進化の代償であるらしい。それだけではない。進化は直線的ではなく、我々は最上ではない。個々の生物が環境にあった選択圧の中で最適化されている。人類こそ頂点であるような錯覚もまた、残酷な事実なのかもしれない。 本書はそうした事実を人間の身体機能について分かりやすく解説するだけではなく、他の生物や自然環境についても、平易で分かりやすく説明してくれる良書である。 例えば、「肺」の誕生について。 消化管の壁には、食物から栄養吸収するために血管が通っている。食物の代わりに酸素を飲み込めば、どうしても少しは酸素が血液に吸収される。呼吸に十分な量の酸素を吸収するのは無理だとしても、全く酸素を吸収しない消化管は無い。つまりもともと消化管には栄養とともに酸素を吸収する機能もあったのだ。硬骨魚では心臓が酸素不足になるため、この消化管の酸素吸収能力が役に立ち始めた。より、多くの酸素を吸収できる個体が、自然淘汰で増え始め、肺が誕生したのだろうという話。 あるいは、オシッコ論。 私たちが食べる有機物の多くは、糖と脂質とタンパク質である。糖や脂質が分解されると、主に二酸化炭素と水が生じる。毒性は無いので、捨てるときにも問題は無い。一方、タンパク質には必ず「窒素」が含まれていて、それを最も単純な化合物のアンモニアにして捨てる。しかし、アンモニアは毒性が強いが水に溶けやすいため、魚類がアンモニアを捨てる分には問題は無いが、陸上で生活する動物はそうはいかない。窒素をアンモニアではなく、それより毒性が低い尿素にして捨てる必要があった。尿素は、アンモニアより水に溶けにくいため、大量の水が必要になる。そのため私たちは、毎日たくさんの水を飲む必要があるのだ。 さらに毒性が低く、水もほとんどとん要らない化合物がある。尿酸だ。鳥類は窒素を排出するのに水を少ししか使わない。尿酸を糞に混じって排出している。白くてドロりとした部分がそうだ。爬虫類もそうだ。そもそも鳥類や多くの爬虫類には膀胱がない。 上記は本書の面白さの一部だ。人間の身体は本当に「不完全」なのか。ならば、完全とは何か。本書にヒントがあるかも知れない。
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鯉と金魚には肺がある。などちょっと理解出来ない所があった。閉経後も生き続けるのは孫の面倒をみるためって言うのは妙に納得した。
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人は生物の中の一種類であり、他の生物と比べて特に優れているわけではない。進化してゆく中で、環境に最適ではない部分や必要ない所は退化もしてきた不完全な部分を持つ。心臓、肺、腎臓、尿、手足の指、目、骨格などいろんな部位で進化の過程を考察している。そして今が人の完成形ではなく、環境に合...
人は生物の中の一種類であり、他の生物と比べて特に優れているわけではない。進化してゆく中で、環境に最適ではない部分や必要ない所は退化もしてきた不完全な部分を持つ。心臓、肺、腎臓、尿、手足の指、目、骨格などいろんな部位で進化の過程を考察している。そして今が人の完成形ではなく、環境に合わせ淘汰や進化が今後も進んでゆく。人は生物である以上いつかは絶滅する運命にあるのだ。
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