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残酷な進化論 の商品レビュー

4.1

39件のお客様レビュー

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2024/05/05

残酷なのは、大脳や二足歩行を得た事で犠牲にしたものもあるからだ。人間は非力で身体を覆う毛量も少なく、脳の維持のために大量のグルコースが必要だ。それに腰痛や心臓病は進化の代償であるらしい。それだけではない。進化は直線的ではなく、我々は最上ではない。個々の生物が環境にあった選択圧の中...

残酷なのは、大脳や二足歩行を得た事で犠牲にしたものもあるからだ。人間は非力で身体を覆う毛量も少なく、脳の維持のために大量のグルコースが必要だ。それに腰痛や心臓病は進化の代償であるらしい。それだけではない。進化は直線的ではなく、我々は最上ではない。個々の生物が環境にあった選択圧の中で最適化されている。人類こそ頂点であるような錯覚もまた、残酷な事実なのかもしれない。 本書はそうした事実を人間の身体機能について分かりやすく解説するだけではなく、他の生物や自然環境についても、平易で分かりやすく説明してくれる良書である。 例えば、「肺」の誕生について。 消化管の壁には、食物から栄養吸収するために血管が通っている。食物の代わりに酸素を飲み込めば、どうしても少しは酸素が血液に吸収される。呼吸に十分な量の酸素を吸収するのは無理だとしても、全く酸素を吸収しない消化管は無い。つまりもともと消化管には栄養とともに酸素を吸収する機能もあったのだ。硬骨魚では心臓が酸素不足になるため、この消化管の酸素吸収能力が役に立ち始めた。より、多くの酸素を吸収できる個体が、自然淘汰で増え始め、肺が誕生したのだろうという話。 あるいは、オシッコ論。 私たちが食べる有機物の多くは、糖と脂質とタンパク質である。糖や脂質が分解されると、主に二酸化炭素と水が生じる。毒性は無いので、捨てるときにも問題は無い。一方、タンパク質には必ず「窒素」が含まれていて、それを最も単純な化合物のアンモニアにして捨てる。しかし、アンモニアは毒性が強いが水に溶けやすいため、魚類がアンモニアを捨てる分には問題は無いが、陸上で生活する動物はそうはいかない。窒素をアンモニアではなく、それより毒性が低い尿素にして捨てる必要があった。尿素は、アンモニアより水に溶けにくいため、大量の水が必要になる。そのため私たちは、毎日たくさんの水を飲む必要があるのだ。 さらに毒性が低く、水もほとんどとん要らない化合物がある。尿酸だ。鳥類は窒素を排出するのに水を少ししか使わない。尿酸を糞に混じって排出している。白くてドロりとした部分がそうだ。爬虫類もそうだ。そもそも鳥類や多くの爬虫類には膀胱がない。 上記は本書の面白さの一部だ。人間の身体は本当に「不完全」なのか。ならば、完全とは何か。本書にヒントがあるかも知れない。

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2024/02/28

鯉と金魚には肺がある。などちょっと理解出来ない所があった。閉経後も生き続けるのは孫の面倒をみるためって言うのは妙に納得した。

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2024/02/18

人は生物の中の一種類であり、他の生物と比べて特に優れているわけではない。進化してゆく中で、環境に最適ではない部分や必要ない所は退化もしてきた不完全な部分を持つ。心臓、肺、腎臓、尿、手足の指、目、骨格などいろんな部位で進化の過程を考察している。そして今が人の完成形ではなく、環境に合...

人は生物の中の一種類であり、他の生物と比べて特に優れているわけではない。進化してゆく中で、環境に最適ではない部分や必要ない所は退化もしてきた不完全な部分を持つ。心臓、肺、腎臓、尿、手足の指、目、骨格などいろんな部位で進化の過程を考察している。そして今が人の完成形ではなく、環境に合わせ淘汰や進化が今後も進んでゆく。人は生物である以上いつかは絶滅する運命にあるのだ。

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2023/11/15

様々な事例で進化について詳説。 各テーマの選択は統一感薄いが… 各テーマ(過去の間違った考え、一般に信じられている誤り)を正すような書き方だが、あくまで著者の仮説。そこだけは納得して読み進めたい。 しかし考え方が総じて興味深い。 読了180分

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2023/06/17

人間が一番偉いと思ってる人はけちょんけちょんにされる本。人類はどうヒトになったかを知るとその溜飲も下がる……かも。目は設計ミスという話や一夫一婦制の話が興味深かった。私も無意識に人間が一番と思っていた人種だった

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2023/04/16

人間の身体の仕組みから進化を解説。分かりやすい。進化論における進化という言葉の意味をよく考える必要あり。一般世間的には進歩と進化は同じ意味で使用されるが、進化論的には全く別もの。 残念なのは大げさなタイトル。煽り過ぎでは。

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2023/03/05

生物の進化の歴史が単方向(進化)だけでなく、ある種後退(退化)する事、それは生物自身が環境に合わせて、当然の如く選んできた道だと言うことがわかり易く説明されていた。 引用なのか創作なのかわからないが、出てくる例え話が一々面白い。 タイトルもそうだが、著者は少し捻くれた表現を使う辺...

生物の進化の歴史が単方向(進化)だけでなく、ある種後退(退化)する事、それは生物自身が環境に合わせて、当然の如く選んできた道だと言うことがわかり易く説明されていた。 引用なのか創作なのかわからないが、出てくる例え話が一々面白い。 タイトルもそうだが、著者は少し捻くれた表現を使う辺りが、自分と似た感覚の持ち主かも、そう思ったらまるで、自分がその先の文書を書いてるかの如く、一気に読めた。

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2023/02/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今生きている全ての種が今のところ「完全」に近い状態なのかもしれない 退化と進化を繰り返している事がわかった

Posted byブクログ

2022/12/12

ここしばらく読んだ中で、最もタメになった本。意外。消化吸収そして排泄の話、ヒトはどうやって「走れる」ようになったのか、人類はほんとうに「優れて」いるのか、等々、生物としての自分のありようを改めて考えさせられた感じ。 生きとし生けるもの、その目標はただ「生きる」こと。それは艱難辛...

ここしばらく読んだ中で、最もタメになった本。意外。消化吸収そして排泄の話、ヒトはどうやって「走れる」ようになったのか、人類はほんとうに「優れて」いるのか、等々、生物としての自分のありようを改めて考えさせられた感じ。 生きとし生けるもの、その目標はただ「生きる」こと。それは艱難辛苦を乗り越えろ、という意味では決してなく、自分としては生きてればいいんだから楽にしようよ、という意味にとれた。 生きるのに必要なこと、それって何がどのくらい?と考えていくと、ヘンにミニマライズしなくても、これでいいじゃん、と納得できる気がする。まぁそれはもう自分の残り時間が見えてればこそ言えることなのかもしれないけれど。

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2022/11/04

「行動の仕方によって進化が起きる」というフレーズに納得しました。 さらに、細菌が40億年も細胞分裂をしながら生きてている点や死は自然淘汰の一部であることや人類の内臓が完全ではないということが、章毎に詳細に書かれており、また読みやすい本だと思いました! この作書の別の作品も更に読...

「行動の仕方によって進化が起きる」というフレーズに納得しました。 さらに、細菌が40億年も細胞分裂をしながら生きてている点や死は自然淘汰の一部であることや人類の内臓が完全ではないということが、章毎に詳細に書かれており、また読みやすい本だと思いました! この作書の別の作品も更に読んでみてみたいと思いました。

Posted byブクログ