商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2019/10/10 |
JAN | 9784065170342 |
- 書籍
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ロス男
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ロス男
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ロス男の「ロス」はロスジェネのロス。自分自身もロスジェネ世代なのでつい手に取った。 ロスジェネといえば悲劇的に描かれることが多い題材。主人公がどうなるのか、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか気になり、先へ先へと読み進めたくなる本だった。 40を過ぎて、日々楽しいこともあれ...
ロス男の「ロス」はロスジェネのロス。自分自身もロスジェネ世代なのでつい手に取った。 ロスジェネといえば悲劇的に描かれることが多い題材。主人公がどうなるのか、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか気になり、先へ先へと読み進めたくなる本だった。 40を過ぎて、日々楽しいこともあればそうじゃない事もある。稼ぎが多い訳じゃないが、仲間と呼べる存在はあり、そんな中で、少しでも前に進み、成長していく主人公はまさに等身大の我々ロスジェネ世代という感じがした。
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6話収録の連作短編集。 会話が多いのでサクサク読める。 主人公はフリーランスのライター・吉井。40歳、独身。 母を亡くし、一人漠然とした喪失感の中で過ごしている吉井だが、本人は『そろそろ本当の自分の人生を起動したい』と思いながら日々を送っている。 そんな吉井の前に現れた元同...
6話収録の連作短編集。 会話が多いのでサクサク読める。 主人公はフリーランスのライター・吉井。40歳、独身。 母を亡くし、一人漠然とした喪失感の中で過ごしている吉井だが、本人は『そろそろ本当の自分の人生を起動したい』と思いながら日々を送っている。 そんな吉井の前に現れた元同僚のカンタロー。 通称カンちゃんの「死ぬまでにしたいこと」リストの作成を手伝ったり、アスペルガーの女性と接してみたり、婚活パーティーに参加したり、年齢も性別も全く異なる人達に関わる事で少しずつ変わっていく吉井の姿が微笑ましい。 優しくて温かな物語。
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ロスジェネ世代で現在フリーライターの40 男が主人公。その中途半端な人生に対する思いや ( 本人なりに ) 足掻こうとする姿を描く連作短編集。6話からなる。 * * * * * 文筆業と言っても請負仕事ばかりで固定給のないフリーランス。自宅住まいで住居費が...
ロスジェネ世代で現在フリーライターの40 男が主人公。その中途半端な人生に対する思いや ( 本人なりに ) 足掻こうとする姿を描く連作短編集。6話からなる。 * * * * * 文筆業と言っても請負仕事ばかりで固定給のないフリーランス。自宅住まいで住居費が安くつくとは言え、ワーキングプアに近い生活。独身。恋人なし。 描き方によっては暗く重い作品になりそうですが、本作が醸し出しているのは軽く淡々とした空気。主人公の吉井もあまり悲観的にならず前向きに日々を送っていて、その日常のスケッチのような描写で物語が進んでいきます。 小野寺文宜さんの作風に少し似ていてとても好もしい。平岡さんはこんなタイプの作品も書くのかとうれしくなりました。 また、テーマに関わるポイントは太字になっていて、主人公が「本当の人生を起動したい」と思って行動していることがわかる作りになっています。 特に最終話で日本酒の醸造に喩えた表現が秀逸でした。就職氷河期に遭遇した若者が永遠に続くかに見えるモラトリアム期から抜け出そうと足掻く姿が、絶妙に描けていたと思います。 「希望を抱かぬ者は、失望することもない」 というバーナード・ショーの言葉に感銘を受けながらも、吉井が1度は振られてしまったアスパーガール・名美にメールを送るというラストシーン。印象に強く残りました。 ところで、気になったのは最終話の銘酒の扱いです。 取り上げられた銘酒は基本的に生酒で要冷蔵のものばかりのはずです。ワンルームによく置かれるような冷蔵庫に収納可能とはとても思えません。 考えられるのはキッチンや部屋の隅に直置きすることですが、それでは発酵が進み味が壊れてしまうだけです。 ましてや抜栓後の飲み残しを数日後に飲むシーンがありましたが、その頃には酸化が進んですでに腐敗しているでしょう。 平岡さんにしては取材不足でリアリティに欠けると言わざるを得ません。残念でした。
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