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ロス男 の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2024/03/17

ロス男の「ロス」はロスジェネのロス。自分自身もロスジェネ世代なのでつい手に取った。 ロスジェネといえば悲劇的に描かれることが多い題材。主人公がどうなるのか、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか気になり、先へ先へと読み進めたくなる本だった。 40を過ぎて、日々楽しいこともあれ...

ロス男の「ロス」はロスジェネのロス。自分自身もロスジェネ世代なのでつい手に取った。 ロスジェネといえば悲劇的に描かれることが多い題材。主人公がどうなるのか、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか気になり、先へ先へと読み進めたくなる本だった。 40を過ぎて、日々楽しいこともあればそうじゃない事もある。稼ぎが多い訳じゃないが、仲間と呼べる存在はあり、そんな中で、少しでも前に進み、成長していく主人公はまさに等身大の我々ロスジェネ世代という感じがした。

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2023/02/15

6話収録の連作短編集。 会話が多いのでサクサク読める。 主人公はフリーランスのライター・吉井。40歳、独身。 母を亡くし、一人漠然とした喪失感の中で過ごしている吉井だが、本人は『そろそろ本当の自分の人生を起動したい』と思いながら日々を送っている。 そんな吉井の前に現れた元同...

6話収録の連作短編集。 会話が多いのでサクサク読める。 主人公はフリーランスのライター・吉井。40歳、独身。 母を亡くし、一人漠然とした喪失感の中で過ごしている吉井だが、本人は『そろそろ本当の自分の人生を起動したい』と思いながら日々を送っている。 そんな吉井の前に現れた元同僚のカンタロー。 通称カンちゃんの「死ぬまでにしたいこと」リストの作成を手伝ったり、アスペルガーの女性と接してみたり、婚活パーティーに参加したり、年齢も性別も全く異なる人達に関わる事で少しずつ変わっていく吉井の姿が微笑ましい。 優しくて温かな物語。

Posted byブクログ

2024/04/01

 ロスジェネ世代で現在フリーライターの 40 男が主人公。その中途半端な人生に対する思いや(本人なりに)足掻こうとする姿を描く連作短編集。6話からなる。      * * * * *  文筆業と言っても請負仕事ばかりで固定給のないフリーランス。自宅住まいで住居費が安くつくと...

 ロスジェネ世代で現在フリーライターの 40 男が主人公。その中途半端な人生に対する思いや(本人なりに)足掻こうとする姿を描く連作短編集。6話からなる。      * * * * *  文筆業と言っても請負仕事ばかりで固定給のないフリーランス。自宅住まいで住居費が安くつくとは言え、ワーキングプアに近い生活。独身。恋人なし。  描き方によっては暗く重い作品になりそうですが、本作が醸し出しているのは軽く淡々とした空気。主人公の吉井もあまり悲観的にならず前向きに日々を送っていて、その日常のスケッチのような描写で物語が進んでいきます。  小野寺文宜さんの作風に少し似ていてとても好もしい。平岡さんはこんなタイプの作品も書くのかとうれしくなりました。  また、テーマに関わるポイントは太字になっていて、主人公が「本当の人生を起動したい」と思って行動していることがわかります。  特に最終話で日本酒の醸造に喩えた表現が秀逸でした。就職氷河期に遭遇した若者が永遠に続くかに見えるモラトリアム期から抜け出そうと足掻く姿が、絶妙に描けていたと思います。  「希望を抱かぬ者は、失望することもない」というバーナード・ショーの言葉に感銘を受けながらも、吉井が1度は振られてしまったアスパーガール・名美にメールを送るというラストシーン。印象に強く残りました。  ところで、気になったのは最終話の銘酒の扱いです。  取り上げられた銘酒は基本的に生酒で要冷蔵のものばかりのはずです。ワンルームによく置かれるような冷蔵庫に収納可能とはとても思えません。  考えられるのはキッチンや部屋の隅に直置きすることですが、それでは発酵が進み味が壊れてしまうだけです。  ましてや抜栓後の飲み残しを数日後に飲むシーンがありましたが、その頃には酸化が進んですでに腐敗しているでしょう。  平岡さんにしては取材不足でリアリティに欠けると言わざるを得ません。残念でした。

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2022/01/19
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 平岡陽明「ロス男」、2019.10発行。連作短編6話。40歳のフリーライター、年収200万の吉井和人が主人公。第2話、アスペルガー・ガール、朝井名美に恋する話が良かったです。第5話の別居11年でありながら互いを思いやる夫婦、カンタロー73歳とお美代70歳の話もじんと来ました。

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2020/12/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ロスジェネ世代の40代独身の契約社員で母子家庭で母はすでに亡くなる。 人生の負け組レールを生まれながらに乗るしかなかった吉井。 昔の上司だったカンちゃんと再会して 彼のポジティブでのんきな性格に触れていくことで 自分の人生を受け入れて、見つめていく様子。 カッコ悪くても惨めでも、 色んなものにすがりながら日々生きていく。 慣れない婚活に心を擦り減らし 最愛の奥さんを亡くして意気消沈するカンちゃんと一緒に お酒に付き合いいつの間にか仲間が増えていく様子。 吉井さんは正直何も持っていないも同然だけど 唯一仲間がいる。 仲間がいるって大切なんだなと。 私には仲間はいませんので、吉井さんとは別の意味で老後は心配だなあ。

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2020/03/02

就職氷河期真っただ中の時代に社会に出た、フリーランスライターが主人公の作品。希望を抱けぬ彼は、失望することもない。作品には虚無感が漂う。それでも読まされてしまう。最後にちょっと希望の光が見え隠れする。

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2020/02/21
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※このレビューにはネタバレを含みます

ロスジェネ世代の主人公は42歳で独身。 昨年母を亡くして独りで暮らしている。 非正規で出版社の下請けフリーライターで糊口をしのぐ。 そんな主人公が事あるごとに呟く、本当の人生を起動させる、というフレーズ。 明るい基調の物語だが、本当に気の毒な世代。 時代の所為にしたところで幸せを掴む事は出来ないが不遇感から逃れられないのも事実。

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2019/12/09

図書館で借りた本。ロスジェネ世代の主人公の吉井君は40歳。本当の自分を探し求めているが今はライターの請負業。新卒就職も出版社の契約社員しかなれず、現在の年収200万で婚活パーティーに行っても肩身が狭いまま。アスペルガーの漫画家との共同作業で彼女に恋するが振られてしまうが、吉井君の...

図書館で借りた本。ロスジェネ世代の主人公の吉井君は40歳。本当の自分を探し求めているが今はライターの請負業。新卒就職も出版社の契約社員しかなれず、現在の年収200万で婚活パーティーに行っても肩身が狭いまま。アスペルガーの漫画家との共同作業で彼女に恋するが振られてしまうが、吉井君の周りには気が良い人物がたくさん居て皆、悩みを抱えていながら元気に暮らしている 。世界の名言集やSNSの話題や街コンなども頼って本当の自分探しをやり続けながら、最後は身近な人達から気づかされる本当に自分がやりたい事。それは…という話で、読みやすい本でした。

Posted byブクログ