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<優勝劣敗>と明治国家 加藤弘之の社会進化論
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ぺりかん社 |
発売年月日 | 2019/10/01 |
JAN | 9784831515469 |
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<優勝劣敗>と明治国家
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明治の思想家である加藤弘之の「転向」以後の活動を追い、彼の思想の内実を解明している本です。 加藤については、かつての持論であった天賦人権論について自己批判をおこない、国家主義者へと「転向」したという見かたが一般的でした。本書では、そうした見かたが正しい理解にもとづくものではない...
明治の思想家である加藤弘之の「転向」以後の活動を追い、彼の思想の内実を解明している本です。 加藤については、かつての持論であった天賦人権論について自己批判をおこない、国家主義者へと「転向」したという見かたが一般的でした。本書では、そうした見かたが正しい理解にもとづくものではないことが明らかにされています。 「転向」後の著作とされる『人権新説』では社会進化論の考えかたが取り入れられており、それによって「優勝劣敗」という人間社会についての加藤の理解を自然科学の発想にもとづいて根拠づける試みがなされるとともに、科学的な根拠をもたない天賦人権論は否定されます。しかし、人間社会に対する加藤の根本的な理解そのものには、「転向」と呼ぶことのできるような変化があったわけではありません。彼の「国家思想のプロトタイプは補強されこそすれ否定されることはなかった」と著者は結論づけています。 さらに本書では、その後の加藤の活動をたどり、彼の国家論が現実とのかかわりのなかでどのような軌跡をえがいていったのかということが明らかにされています。そのうえで著者は、加藤の社会進化論の立場は、強者の権利を無批判に正当化するものではなく、「むしろ、それは熾烈な競争によって強者と弱者が生まれる社会のメカニズムを説明する原理であるとともに、そのような社会をいかにひとつの国家として統治していくかについての指針を提供するものであった」と述べています。 ただ、人間社会のありかたを進化論の立場にもとづいて説明するのであれば、国家の統治をおこなうための指針といったような人為的な操作すらも自然のメカニズムの一コマを占めるにすぎないのではないかという疑問が生じます。
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優勝劣敗。その意味と国体新論を照らし合わせると、どう考えても弱肉強食と同義語に見えてしまう。強者が権利を分け与え、弱者との緩和手段に道徳法律って... それを社会進化論って... ちょっと無理がありませんか? でもこうした先人たちが、思想と真摯に向き合ってくれたからこそ、現代があ...
優勝劣敗。その意味と国体新論を照らし合わせると、どう考えても弱肉強食と同義語に見えてしまう。強者が権利を分け与え、弱者との緩和手段に道徳法律って... それを社会進化論って... ちょっと無理がありませんか? でもこうした先人たちが、思想と真摯に向き合ってくれたからこそ、現代があるんだろうな。
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