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精密への果てなき道
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精密への果てなき道
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商品レビュー
4
5件のお客様レビュー
蒸気機関から錠前、帆船の滑車ブロック、時計、銃、自動車、ジェットエンジン、ハップル望遠鏡、GPS、半導体チップと現在までの約250年間の「精密」に対するエンジニアの取り組みと発展を描くノンフィクション。読むまでは技術系の本でハードルが高いように思ったが、筆者自身のエピソードを盛り...
蒸気機関から錠前、帆船の滑車ブロック、時計、銃、自動車、ジェットエンジン、ハップル望遠鏡、GPS、半導体チップと現在までの約250年間の「精密」に対するエンジニアの取り組みと発展を描くノンフィクション。読むまでは技術系の本でハードルが高いように思ったが、筆者自身のエピソードを盛り込んだり、必要以上にマニアックな技術には踏み込まないが必要最小限の技術は分かりやすく解説したりと、非常にバランスが良く面白く読めた。 熟練工の多かったイギリスやフランスでは機械化が彼らに反対されていたが、その一方でアメリカには熟練工が少なかったため機械化工業が進展した、と良く言われているが、1853年にニューヨーク万国博覧会を視察したイギリスの「精密」技術者ホイットワースがこの時期にそれを予言していたのは凄い。この人の豪邸にあったビリヤード台は完璧な平面だったエピソードにはクスりとさせられた。 精密さが過ちを許されないほど高いレベルになると、ジェットエンジンの小さな部品一つで旅客機が墜落寸前に陥るといった、ごく僅かなエラーが大きな危険に発展する事にもなる。 有名なハップス望遠鏡はレンズ製作で使用された測定装置が僅かに狂っていたため当初は完全に失敗作であったが、後に宇宙で改修されたものというのを初めて知った。映画になり得る物語。精密の深刻なエラーは人命を脅かすが、現代の世界の文化文明の発展には欠かせないと感じた。 現在からすると「マジで?」と思わされるアプローチも面白かった。GPSは今では当たり前と思われている時間差計測ではなく、ドップラー効果を利用する設計思想だったのにも驚きだった。この章については、それまでの機械やレンズの「精密」ではなく、「精密」に場所を測定する技術について述べられている。 トランジスタの章で述べられている、有名な「ムーアの法則」が予言ではなく、その言葉が業界を促したという指摘は面白い。 最終章で「精密」と「不精密」の二つの概念を同時に大切にする人たちとして日本を取り上げている。日本人が工業製品に精密さを追求する一方で、職人技にも敬意を払うのが素晴らしいと絶賛しているが、量産機械よりも熟練した職人技の方が優れていると日本人が考えている事は知らなかったようだ。それだけ日本の職人が異常に「精密」に仕事をしているからだろう。
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人にスポットを当てながら精密さがどのように進歩してきたかを解説する本。各章に公差が振られており、段々と精密さが上がっていくのが面白かった。 精密さを語るにつれて、長さの単位をどのように決めるべきかまで考える必要があるというのは確かにと感じた。
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非常に読みにくい日本語だったが、読み物としては非常に面白かった。 「精密」の歴史についてわかりやすく述べられていて、精密さのレベルに応じた逸話も面白いものが多かった。 精密さを求めすぎることに対しての批判も述べられていたが、「工学」の視点によるものであり、そのアンチとして日本の手...
非常に読みにくい日本語だったが、読み物としては非常に面白かった。 「精密」の歴史についてわかりやすく述べられていて、精密さのレベルに応じた逸話も面白いものが多かった。 精密さを求めすぎることに対しての批判も述べられていたが、「工学」の視点によるものであり、そのアンチとして日本の手作りでの時計職人の話が述べられるなど、「人の手に負える」かどうかに重きを置きすぎているように思われる。 仕事柄、「精密」に触れる機会が多いためちょっとしたうんちく話にも活用できそうだ
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