商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 毎日新聞出版 |
発売年月日 | 2019/07/20 |
JAN | 9784620108421 |
- 書籍
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我らが少女A
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我らが少女A
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商品レビュー
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作者本人がインタビューに答えている、 >解決されずに忘れられていく事件はたくさんありますけど、被害者遺族や加害者とその家族はもちろん、友人や知人といった関係者にもさざ波を起こします。波はあっちでつながり、こっちでつながり、いろんな反応をひき起こす。その連鎖反応が小説空間になる。 ...
作者本人がインタビューに答えている、 >解決されずに忘れられていく事件はたくさんありますけど、被害者遺族や加害者とその家族はもちろん、友人や知人といった関係者にもさざ波を起こします。波はあっちでつながり、こっちでつながり、いろんな反応をひき起こす。その連鎖反応が小説空間になる。 という言葉が端的に本作品の概要となっている。 https://shosetsu-maru.com/recommended/book-review-575 めちゃくちゃ面白かった。久々に寝食に少し影響が出るくらい没頭したし、たまたま割と近くに住んでいたのもあり現場の公園や一帯を尋ねてみたりした。 なにか新しい事柄が発見されて事件が華々しく解決する、というようなものではなく、表面上大きなドラマが起こる訳ではない。でも一人一人、一つ一つの感情の機微が丁寧に描写されていき、ぐいぐいと引き込まれる。登場人物たちと自分が同世代だったのもあるかと思う。 物語後半、ガラケーで撮られた何気ない写真たちで当時の情景が蘇ってくるシーンでなぜか泣けた。 合田シリーズ前作の冷血で、本人の階級も上がり、物語における主役・本丸が合田より事件・犯人に移り変わっているように思った。今回で言うとその本筋への関与はさらに薄くなっている。 作品の出来を毀損するものではないが、一応合田シリーズとして追いかけている身としては、もうこうなったら合田と加納だけに絞った作品が一本欲しい…過去に起こったことを遡っていくのではなく、現在進行形のものを追いかけていくような…定年間近の登場人物に求めるのは酷な気もするけど…
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登場人物が過去の記憶を手繰り寄せるように事実を明らかにしてゆく。しかしそれは断面的で、まるでドラクエ世界にも彷徨っていくように、現実と仮想も交錯する。1人1人が疑っていた疑惑や悔恨、真実さえ時の流れが隔てていく。
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一人の女性の死から始まる12年前の未解決殺人事件の記憶が、彼女の友人、同級生、彼らの両親、そして当時捜査に及んだ合田の心を揺り動かす。 思春期の不安定さ、親も含めた大人への不信、うちに抱える、いわゆる「暗い山」のようなもの(マークスで出てきたアレに近いというかなんというかうまく言...
一人の女性の死から始まる12年前の未解決殺人事件の記憶が、彼女の友人、同級生、彼らの両親、そして当時捜査に及んだ合田の心を揺り動かす。 思春期の不安定さ、親も含めた大人への不信、うちに抱える、いわゆる「暗い山」のようなもの(マークスで出てきたアレに近いというかなんというかうまく言えない)に突き動かされる衝動、子供をどうにもできなかった親たちの悔恨が、2005年と2017年の東京武蔵野の街の風景をまとって立ち上がってくるようだ。 人の心は自分でもどうにもならない。事件をきっかけに繋がった各登場人物も自らの心を疑いつつあの頃と現在を往復して心の有り様を模索する。真相はわからない。それは当事者が全てを握っているから、例え本心に迫る証拠を握っていても、周囲の者たちはただただ憶測でしか動けないからだ。
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