

商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白揚社 |
発売年月日 | 2019/07/12 |
JAN | 9784826902113 |
- 書籍
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文化がヒトを進化させた
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文化がヒトを進化させた
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商品レビュー
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学ぶよりもまねぶ―多くの物事を習得する際に、机上であれこれ学習するよりも実地でやってみて試行錯誤する方が早く身に付くケースは多い。それは人類が他の動物よりも優れた技術や知恵を生み出してきた源泉であり、社会性として遺伝情報以上の「文化」を集団生活に蓄積していった結果である。 一面...
学ぶよりもまねぶ―多くの物事を習得する際に、机上であれこれ学習するよりも実地でやってみて試行錯誤する方が早く身に付くケースは多い。それは人類が他の動物よりも優れた技術や知恵を生み出してきた源泉であり、社会性として遺伝情報以上の「文化」を集団生活に蓄積していった結果である。 一面では同調圧力や自己家畜化といった、社会の規範意識の強さの弊害(ネット警察等)が目立つ昨今であるが、人類を地球生態系の頂点たらしめたのはまさしく集団脳といえる社会的学習能力なのである。だから我々は最初から毒のある食物を避け、危険から身を守る術を赤ん坊の頃から享受して繁栄できている。 狩猟のための道具の使い方からタブーや儀式が生まれ、それが風習となり宗教が誕生していく。人類の進化とは、これら社会的学習能力を行動や非言語に乗せた集合知から、音楽や文字を使ったコミュニケーションへと文化度を加速していくことで社会的学習能力を高めていった歴史でもある。
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第42回ビブリオバトル〜明石の陣〜テーマ「古代」で紹介された本です。オンライン開催。 チャンプ本。 2022.3.10
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厳しい環境に適応するために遺伝子が変化してきたというこれまでの典型的な進化論的アプローチとは異なり、生き残るために文化が形成され、それに適応してきた結果、ヒトが遺伝的にも進化してきたという新たな進化論を、様々な事例を挙げながら解説している本書。正直「卵が先か、ニワトリが先か」のよ...
厳しい環境に適応するために遺伝子が変化してきたというこれまでの典型的な進化論的アプローチとは異なり、生き残るために文化が形成され、それに適応してきた結果、ヒトが遺伝的にも進化してきたという新たな進化論を、様々な事例を挙げながら解説している本書。正直「卵が先か、ニワトリが先か」のような話かと思っていたが、読むと非常に説得力があり、大変興味深かった。 人類が地球上でもっとも繁栄してきたのは、単に知能が高いからではない。他の動物との決定的な違いは「文化」があること。環境に適応していく中で文化(毒抜きや調理法、狩猟方法、道具の作り方、タブー、儀式、風習、ルールなど)が生じ、それに基づいて社会が形成される。社会の中では規範や道義を守り、集団に属することが生存にかかわってくる。逸脱者は集団内に居場所がなくなる=生存できないが、逆に集団内でプレスティージを得ている者は、その利他的な行動で他者を感化し、良いモデルとして模倣の対象となる。結果、文化や道義を遵守する社会規範ができ、ヒトはより向社会的・協力的な生き物となった。 この社会規範という部分で特に印象に残ったのが、赤ん坊を対象として行われたパペットの道徳劇の実験。まだ言葉もわからないような赤ん坊が、反社会的な者に対してネガティブな反応を示しただけでなく、反社会的な者を罰する者を支持する傾向が見られたのは、ヒトが社会的な生き物であるということがDNAレベルで刻まれているという証であり、大変興味深く思う。 トウガラシの例と同じで、ルールに縛られることはおそらく生物としては不自然なのだが、逸脱者には制裁が加えられ、規範を守る者には報酬が与えられてきたことで、人間は規範順守を直感的に喜びと感じるようになった。つまり文化がヒトを進化させたのである。「人類の家畜化」という言葉に納得した。 これまでヒトが繁栄してきたのは、ヒトが模倣する生き物だからであるが、この模倣により、発明(インベンション)せずに革新(イノベーション)を生み出すことができるとのこと。つまり、模倣するヒトはさらに進化する可能性があるということだ。今後どのように変わっていくのだろう。人間は本当に面白い生き物だと改めて思う。
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