商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2019/05/01 |
JAN | 9784622088141 |
- 書籍
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科学者は、なぜ軍事研究に手を染めてはいけないか
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科学者は、なぜ軍事研究に手を染めてはいけないか
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現代日本における「軍学協同」を徹底批判する立場で論陣を張ってきた著者による警世の書。 「デュアルユース」「ミックスユース」を隠れ蓑としながら、防衛予算を使った研究を是認しようとする風潮に対して厳しい問題提起を行っている。とくに第一次・第二次世界大戦における科学者の戦争協力の経...
現代日本における「軍学協同」を徹底批判する立場で論陣を張ってきた著者による警世の書。 「デュアルユース」「ミックスユース」を隠れ蓑としながら、防衛予算を使った研究を是認しようとする風潮に対して厳しい問題提起を行っている。とくに第一次・第二次世界大戦における科学者の戦争協力の経緯と、国際社会における戦争違法化に向けた動向とが背馳してきたという指摘は決定的に重要。著者の見立てに従えば、科学者たちは一貫して、国際紛争の解決手段として「戦争」を認めない、という理念を裏切る方向で行為してきたことになる。 また、2015年に導入された防衛装備庁による「安全保障技術推進制度」にもとづく研究の問題点が詳しく記されたことも勉強になった。防衛装備庁はじつに巧妙に、ホンネとタテマエとを並記しながら、研究者の「良心」が痛まないような甘言を散りばめながら、研究者・研究機関を取り込もうとしている。「学」が「軍」の召使いにならないように、というのは、もちろん人文系の研究者にも当てはまる。 なぜ、何のために学ぶのかという根本に立ち返って、自らを省みるところから始めなければならない。
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理工系の学生・研究員・大学教員はぜひとも読んだ方がいい。 研究倫理というと、研究不正に関するものが多いが、本書はタイトルの通り軍事研究に注目したもの。大学院の授業でもこういった話をされることはなかったが、知っておいた方がいい内容が多かった。 偉大な成果を残したハーバーが、率先し...
理工系の学生・研究員・大学教員はぜひとも読んだ方がいい。 研究倫理というと、研究不正に関するものが多いが、本書はタイトルの通り軍事研究に注目したもの。大学院の授業でもこういった話をされることはなかったが、知っておいた方がいい内容が多かった。 偉大な成果を残したハーバーが、率先して毒ガス研究を行っていた話が特に衝撃的だった。 科学者が戦争に協力してきた歴史、軍事研究に携わった科学者が言い逃れする常套句からはじまり、世界的な軍縮の流れ、軍拡路線に走る日本、そして「科学者は軍事研究研究に手を染めるべきではない」という結論に繋がっていく。 終章を読み終え、暗澹たる気持ちになった。 「武力による他国への侵略は起こらず、対話を通した平和維持が可能である、そのため軍備を増強して威嚇する必要も軍事研究を行う必要もない」というのが筆者の主張だ。 だが、2022年現在戦争は存在している。軍事研究を進めて威嚇し続ける国もある。「各国と連携して〜」とはよく見る文言だが、果たしてそれにどれほどの効果があるのだろうか。 かと言って科学者が率先して軍事研究を進めるようになれば、他国も負けじとより性能の高い武器を手にするようになるだろう。 今後科学者はどうするべきか。無力感を覚えた。
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https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000081704
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